高血圧の患者さんには、2種類以上の降圧剤を処方することが、よくあります。
病状や、年齢や、臓器機能や、合併疾患などを考慮して、複数の系統の降圧剤を組み合わせるわけです。
よく使う組合せがあり、あらかじめ2種類の成分を混合した薬が発売されます。これが「配合剤」です。
ARBという系統の降圧剤と、カルシウム拮抗薬という降圧剤を、1錠にまとめた配合剤が、よく使われます。
たとえば、ARBの「アジルバ」と、カルシウム拮抗薬の「アムロジン」の配合剤が「ザクラス」です。
あるいは、ARBの「ミカルディス」と「アムロジン」の配合剤だと「ミカムロ」です。
配合剤は、錠数が減らせるだけでなく、薬価も元の薬の薬価の合計よりも安く設定されることが多いのです。
おまけに企業努力によって、錠剤の形も小さい。なんだ、良いことずくめじゃん、とは言っておれません。
含有成分は古くても、配合剤は製剤としては新薬なので、ジェネリックがありません。
つまり、ジェネリックを使わせないために、先発薬メーカーが配合剤を発売しているという面もあるのです。
そしてこのたび、日本初の3成分配合の降圧薬が発売されました。その名も「ミカトリオ」。
ARBの「ミカルディス」とカルシウム拮抗薬の「アムロジン」に、利尿剤も加わった「3種混合」降圧剤です。
いやたしかに、よく使う組み合わせですけど、3つまで混ぜますか。トリオですか。
この路線で行くと、さらに4つ5つの成分が混ざっていくかもしれません。次は「ミカルテット」でしょう。