インフル流行早いです

熊本はまだ局所的な流行ですが、全国的に見ると、今年のインフルエンザの流行は早い立ち上がりです。

昨シーズンは2月と3月がピークというスロースタートだっただけに、今年の早さは準備不足感が否めません。

早いだけではありません。昨シーズンとはまったく別の型のウイルスが流行しています。

流行したインフルエンザウイルスの型は、ざっと次の通りです。

・今シーズン:いまのところ、ほとんどH3(A香港型)

・1年前:H1(2009年に流行した新型)主流で、B型(山形系統とビクトリア系統が半々)も

・2年前:ほぼ、H3だけが流行、春先に少しB型(ほぼ山形系統)

・3年前:H1 が主流で、H3とB型(山形系統が主流)も少し

・4年前:ほぼ、H3だけが流行、春先に少しB型(ほぼ山形系統)

こうして見ると、1年ごとに、流行型が入れ替わっています。つまり、去年罹った人でも、油断できません。

逆に、2年前にA型(H3)に罹った人は、いまのところ安泰かもしれません。

インフルエンザワクチンは、H3とH1と2つのB型(山形とビクトリア)すべてに効くように作られています。

これが「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1338.html" target="_blank" title="4価ワクチン">4価ワクチン</a>」です。接種すれば、4つすべての型に、それなりに有効なはずです。

流行はすでに始まってしまいましたが、いつまで続くかはまだわかりません。

今からワクチンを接種しても、けっして手遅れではありません。

高病原性鳥インフルエンザ

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-925.html" target="_blank" title="高病原性鳥インフルエンザ">高病原性鳥インフルエンザ</a>」が、新潟の養鶏場の鶏や、青森の家禽農場の食用アヒルから検出されました。

「H5型」の、このインフルエンザウイルスは強毒性のため、感染が疑われる鳥は殺処分が開始されています。

ニュースを聞いてて気になるのは、「高病原性」の発音、アクセントです。

どのアナウンサーも、レポーターも、「高」を頭高で、「病原性」を平板で発音しているのです。

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1730.html" target="_blank" title="NHK 日本語発音アクセント新辞典">NHK 日本語発音アクセント新辞典</a>」風に書くなら、「コ\ー・ビョーゲンセー」となるのでしょうか。

私はそれを聞くと、どうしても「抗病原性」に聞こえてしまいます。

「抗病原性」ならそのように頭高で発音しますが、「高病原性」は全体を平板で発音すべきだと思うのです。

残念ながらNHKの辞典にも金田一の辞典(三省堂)にも、「高病原性」のアクセントは記載されていません。

「高病原性」は複合名詞であり、複合名詞のアクセントは後部要素によって決まる、という規則があります。

これについて、詳しく調べてみると、2つの記載が目に付きました。

(1)後部要素が5拍以上の場合は、前部要素は平板化し後部要素のアクセント核が保持される

(2)後部要素が5拍以上では、複合語であっても後部要素はある程度独立して発音される

つまり、私の発音は(1)で説明できるものであり、メディアの発音は(2)に基づくものだったわけです。

しかし、「高病原性」と「抗病原性」を、音だけで区別しようとすれば、発音を変えるのが合理的でしょう。

このように発音を区別しているのは、医療従事者だけかもしれませんが、やがで一般的になると思います。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1459.html" target="_blank" title="腹腔鏡">腹腔鏡</a>でもそうでしたが、アクセントは一般に、業界人の発音が一般人の発音を駆逐するものなのです。

生臭いスケートリンク

誰の発想でしょうか、スケートリンクに、死んだ魚5千匹を氷漬けにするなんて。

北九州市の「スペースワールド」が、やらかしましたね。

「海の上を滑る感覚を味わってもらいたい」と考えたといいますが、趣味が悪いし、気味も悪い。

模型や絵や写真でも、ほとんど同様の効果があったのに、なぜ本物を使ったのかと言えば、話題性でしょうね。

本物だからこそ生々しい、それを期待していたのでしょうが、グロテスクで逆効果でした。

ほ乳類ならともかく、魚なのに「残酷だ」という批判が集中したのは、Facebookの投稿が原因のようです。

スペースワールドがFacebookで、魚が氷漬けにされていく様子を、逐一投稿していたのです。

この投稿はすでに削除されていますが、大丈夫。「魚拓」があります、魚の話題だけに。

ネット上の投稿というのは、どこかの誰かが、保存しているものなのです。検索すれば、すぐ見つかります。

魚が徐々に口の部分まで氷に浸かっていく写真には、「くっ、苦しい」と、魚の叫び声まで記載しています。

この部分が一番、批判されているようです。スペースワールドの方、悪ノリしすぎましたね。

リンクは解凍し、魚をすべて取り出して「供養」するそうですが、それはそれで少々過剰な反応にも思えます。

Facebookの投稿がふざけていたので、反省しているのでしょうが、供養もまた、悪ノリに思えてしまいます。

地盤沈下は想定内?

博多駅前の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1870.html" target="_blank" title="陥没道路を修復">陥没道路を修復</a>した場所が、また地盤沈下してしまいました。まことにガッカリな話です。

福岡市は「沈下は想定内だった」と言いますが、「なんだ、想定内でしたか」と単純には受け取れません。

地盤沈下を想定してたのなら、福岡市は通行再開前に、よくわかるように公表しておくべきでした。

「埋め戻しの重みで、その下の地盤が圧縮されるので、最大8センチ程度の地盤沈下が予測されます」

「早期検知のために、12台のセンサーで10分毎に路面の高さを計測し、3時間毎の目視も行っていきます」

「沈下の程度によっては、一時的に交通を規制する場合もありますが、安全確認のためです。ご安心ください」

あらかじめこう言っといてくれたなら、今回の沈下も、ああ、あれね、言ってたヤツね、となるでしょうに。

ところが、沈下の予測をしていた大成建設が、その詳細を福岡市に伝えたのは、昨日の地盤沈下の後だとも。

これじゃあ福岡市だって、そんなこと聞いてないよ、てとこでしょうが、それも間抜けな話です。

ともかく、世界中から賞賛された「福岡の奇跡」が、今回の件で、残念ながら疑わしくなってしまいました。

地盤沈下が発覚して交通規制を行ったものの、その4時間後には通行を再開した、その早さも気になります。

想定内の出来事であるから何も心配はないと、ことさらにアピールする意図があったのでしょうか。

しかしこういう時こそもっと謙虚に、慎重に、ボーリングでもなんでもやって、徹底的に調べるべきでしょう。

そしてその結果、やはり想定内の沈下でしたと、そう言ってくれたら安心できるのに。

サービス残業

三菱電機の研究所の職員が、長時間労働が原因で精神疾患を発症したとして、労災が認定されました。

この手の問題企業を「ブラック企業」と言いますが、従来はおもに、中堅以下の規模の会社の話でした。

ところが電通の一件以来、大企業の残業隠しが次々と発覚しています。日本は、ブラック企業だらけなのです。

三菱のその社員は、15時間勤務したのに記録上は2時間勤務だった日もあったとのこと。

会社は、本人が申告した残業時間以外は「自己啓発」のための時間だった、という常套句で言い訳しています。

もちろん真実は、会社の上司から指示されて残業時間を過少申告した、いわゆる「残業隠し」です。

多くの企業で、残業時間をありのままで記録できない、暗黙のルールがあるようです。

病院もまた、勤務医のサービス残業の上に成り立っている組織であることは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-499.html" target="_blank" title="前にも">前にも</a>書きました。

たとえば大学病院時代には、残業を申告するシステム自体がありませんでした。残業はすべてサービスです。

サービス残業など間違ってると思い、市民病院時代に私は、残業した時間を全部ありのまま申告しました。

すると当時の副院長から、注意を受けたのです。残業が多すぎると。

「必要な仕事を途中で切り上げろというのでしょうか、それとも、サービス残業をせよと言うのでしょうか」

私がそのように尋ねたら、ともかく、残業を減らしてくださいと、はぐらかされました。

私は責任のある仕事を誇りを持って行っている自負があったので、サービス残業は一切しませんでした。

その後も毎月100〜200時間前後の残業を続けましたが、副院長も事務方も、何も言ってこなくなりました。

各病院の勤務医は、過労死したり精神に変調を来す前に、一致団結して、正当な残業手当を求めるべきです。

電通問題以降、労働条件の改善には追い風が吹いています。やるなら今ですよ、勤務医の方。

病院側が、勤務医全員に残業代を全額支払うのは大変なので、残業自体を減らす方向に動くことでしょう。

HPVワクチンに追い風?

そろそろ再開しないと、日本人女性の命にもかかわる「HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)」の件。

副反応とされる「運動障害」や「慢性疼痛」については、多くの方が次のいずれかに属する考え方でしょう。

(A)ワクチンによる副反応とは言えない。早くHPVワクチンの接種を再開すべきだ。

(B)ワクチンによる副反応かどうかは明確でない。他国と同様に、日本も接種を行うべきだ。

(C)ワクチンによる副反応が疑われても、子宮頸がん予防のメリットの方が重要であり、接種すべきだ。

(D)ワクチンによる副反応が疑われるので、さらに検討を続けるべきで、それまでは接種は控えるべきだ。

(E)ワクチンによる副反応であることは明白。接種すべきではない。

厚労省が取り組んできた研究事業のうち、「池田班」の研究成果に対して、厚労省が昨日見解を発表しました。

信州大の池田教授による「HPVワクチンを接種したマウスで異常な変化があった」とする報告に対してです。

この池田報告は、ワクチンの副反応を示唆する、重要な情報でしたが、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1732.html" target="_blank" title="ねつ造疑惑">ねつ造疑惑</a>が出ていました。

厚労省が昨日発表したのは、信州大学が調査して公表した以下の内容です。かみ砕いて書くと、こうです。

(1)マウスの実験は、1匹だけで行った予備実験なのに、センセーショナルに公表して誤解を招いた

(2)その結果、実験結果が科学的に証明された事実のように受け取られ、マスコミが喜んで報じた

池田班研究は、前述した(D)から(E)に相当する反ワクチン世論を形成しかねない、重大なものでした。

しかしそれが、信州大の調査によって、科学的には事実無根と判明し、厚労省もすぐに発表したわけです。

厚労省は最初、(D)の立場で積極的勧奨接種を中止したのですが、最近は(B)に向かおうとしています。

「不適切な発表により国民に対して誤解を招く事態となった」と厚労省は、池田氏を名指しで非難しています。

接種再開の理由作りに悩んでいた厚労省ですが、池田氏の問題をきっかけに、やっと動き出すかもしれません。

J・リーチャーを観る

「シネプレックス熊本」改め「ユナイテッド・シネマ熊本」が、昨日から営業を再開しました。

震災から復旧してオープンした県内のシネコンは、これでやっと3軒目です。

劇場のような構造の建物は、どうやら地震に弱いようです。復旧にもずいぶん時間がかかりました。

わが家の近所のTOHOシネマズは、一足先に、9月にオープンしました。それ以来、月に1回は映画の日です。

9月は『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1806.html" target="_blank" title="シン・ゴジラ">シン・ゴジラ</a>』、10月は『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1851.html" target="_blank" title="インフェルノ">インフェルノ</a>』、そしておととい観たのは『ジャック・リーチャー』。

昔、道ばたで出会って以来、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-52.html" target="_blank" title="トム・クルーズ">トム・クルーズ</a>とは縁を感じているので、彼の映画はわりとよく観ます。

この映画は、4年前の『アウトロー』の続編です。ならば先に『アウトロー』を復習しておくべきでしょう。

そこでまず、録画してある『アウトロー』を観て、その興奮もさめやらぬうちに映画館に出かけたのでした。

というのも、『ジェイソン・ボーン』の悲劇を繰り返したくなかったからです。

マット・デイモン主演としては、最新作がシリーズ4作目。そこでまず3作目までを復習鑑賞したのです。

ところがなかなか時間がなくて、録画しておいた3作品を全部観るのに、3週間かかってしまいました。

で、3本見終わったときにはすでに、最新作の上映期間が終わっていたと、そういう顛末です。

最近の映画って、元軍人とか元CIAとかがが主人公であることが多くて、パターンが似てますね。つまり、

(1)主人公は元々、きわめて有能な軍人または情報部員だった

(2)ワケあって、いまはフリーもしくは追われる身で、居所も不明

(3)組織のことなど気にせず、正義、または復讐のために戦う

ワンパターンでも、面白けりゃいいですけどね。

地震と原発と冷却

昨日の福島県沖の地震と津波。どうやら、大きな被害は出なかったようです。

しかし、原発の核燃料貯蔵プールの冷却が止まったことは、原発の怖さを思い出させるには十分でした。

また福島第一原発かと、最初は思いましたが、そうではなく、まったく健全・頑丈なはずの、第二原発でした。

東電の説明では「冷却水が漏れたのではなく、地震によって液面が揺れ、ポンプが自動停止した」とのこと。

異変が起きたらまず停止して安全確認、という設定なのでしょうけど、ポンプ停止と聞くと心配になります。

停電によって冷却が止まって起きた福島第一原発の事故を思うと、冷却停止という言葉には恐怖さえ感じます。

点検して異常は無かったので、ポンプの「再起動」をかけた、とのこと。

詳細は不明ですが、原発の職員が実際に貯蔵プールを点検して確認した、ということでしょうか。

じゃあもしも、放射能が漏れていてプールに近付けず、なかなか点検ができなかったら、どうしたのでしょう。

点検できるまで、ポンプは止めっぱなしですか。水温がどんどん上がりませんか。水位も下がり始めますよ。

いよいよ危険になれば、たとえプールの点検ができてなくても、ポンプは再起動することになるでしょう。

結局、プールがどういう状況であれ、冷却ポンプを止める理由はないのでは?・・・シロウト考えですけど。

東電の方、そこら辺の疑問を、国民が安心できるように、わかりやすく説明してくれませんかね。

蛍光灯を交換する

クリニックのキッズコーナーの<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-347.html" target="_blank" title="蛍光灯">蛍光灯</a>が、少し前から、2本ほどつきません。夕方になると暗いです。

業者に依頼すれば早いのですが、こういうのは自分の力でやりたい、っていうのが漢(おとこ)でしょう。

まず初日は、古い蛍光灯を外したところで終了。新しい蛍光灯がどうしても、はまらないのです。

次の休診日には、なんとか工夫して蛍光灯をはめ込むことはできたのですが、点灯しません。

脚立の最上段の天板に立ち、両手を伸ばして作業をしている私の方が先に、転倒しそうです。

自力修復はあきらめて、業者に電話。折り返しの連絡を待っている間にふと、照明器具をよく見てみたのです。

そこには「Hf専用」とあります。なにそれ、聞いたことない。

脚立から降りて、ググりました。で、わかったことは、蛍光灯には3種類ある、ということです。

(1)スターター型:「FL」で始まる型番

(2)ラピッドスタート型:「FLR」で始まる

(3)Hf型(高周波点灯専用型):「FHF」で始まる

もちろん、(1)と(2)の違いぐらい知ってますよ。(2)はグローランプ不要で、すぐに点くやつ。

クリニックもわが家も、最近の蛍光灯はすべて(2)だろうと、今日の今日まで思ってました。

ところがキッズコーナーは(3)なのでした。(2)よりも、もっと進化したものらしい。

さっそくエディオンに行くと、店頭の蛍光灯はほとんどが「FLR」でした。探してやっと「FHF」を発見。

かなりマイナーですね。当然、値段も高い。セット売りなし。2本だけ購入して、クリニックに戻る。

はめ直してみると、これが見事に点きました。あ、色合いがバラバラでした。そこまでは考えてなかった。

3成分配合剤登場

高血圧の患者さんには、2種類以上の降圧剤を処方することが、よくあります。

病状や、年齢や、臓器機能や、合併疾患などを考慮して、複数の系統の降圧剤を組み合わせるわけです。

よく使う組合せがあり、あらかじめ2種類の成分を混合した薬が発売されます。これが「配合剤」です。

ARBという系統の降圧剤と、カルシウム拮抗薬という降圧剤を、1錠にまとめた配合剤が、よく使われます。

たとえば、ARBの「アジルバ」と、カルシウム拮抗薬の「アムロジン」の配合剤が「ザクラス」です。

あるいは、ARBの「ミカルディス」と「アムロジン」の配合剤だと「ミカムロ」です。

配合剤は、錠数が減らせるだけでなく、薬価も元の薬の薬価の合計よりも安く設定されることが多いのです。

おまけに企業努力によって、錠剤の形も小さい。なんだ、良いことずくめじゃん、とは言っておれません。

含有成分は古くても、配合剤は製剤としては新薬なので、ジェネリックがありません。

つまり、ジェネリックを使わせないために、先発薬メーカーが配合剤を発売しているという面もあるのです。

そしてこのたび、日本初の3成分配合の降圧薬が発売されました。その名も「ミカトリオ」。

ARBの「ミカルディス」とカルシウム拮抗薬の「アムロジン」に、利尿剤も加わった「3種混合」降圧剤です。

いやたしかに、よく使う組み合わせですけど、3つまで混ぜますか。トリオですか。

この路線で行くと、さらに4つ5つの成分が混ざっていくかもしれません。次は「ミカルテット」でしょう。