鳥取で地震

鳥取で、最大震度6弱の地震が起きました。震源の深さ約10kmの、内陸型(直下型)地震です。

かなりの頻度で<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1657.html" target="_blank" title="余震">余震</a>が起きているその様子からは、半年前の悪夢を思い出してしまいます。

今日の報道を聞いてすぐに、産業技術総合研究所のHPを見てみました。熊本地震以来、よく見るサイトです。

その活断層地図で、鳥取地方を見て驚きました。今日の地震の震源付近には、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1688.html" target="_blank" title="活断層">活断層</a>がないのです。

東方に「岩坪断層」、その北に「鹿野断層」さらに「吉岡断層」がありますが、震源とはだいぶ離れています。

鳥取地方は以前にも大地震が起きた、などと報じられていますが、今回の地震とは別の場所で起きています。

1943年の「鳥取地震(M7.2)」は、鹿野断層と吉岡断層が「活動」したものだとされています。

2000年の「鳥取県西部地震(M7.3)」は、ずっと西側で起きました。

活断層には、プレート運動の影響で徐々にひずみが蓄積し、ついに限界になると断層面がずれ動きます。

たとえば熊本地震の「布田川断層」は、その「平均変位速度」が千年につき0.9mと観測されています。

それが2.8mに達すると「活動」つまり地震を起こすと考えられているので、活動間隔は3,100年となります。

このように、活断層による内陸型地震が起きる間隔は千年から数万年と、海溝型地震よりも長いのが特徴です。

しかし問題は、今回の鳥取地震が、既知の活断層以外の活動によって起きたと考えられることの方です。

日本列島には、未知の活断層、あるいは今は活断層とは思われていない断層が、無数にあるということです。

原発と活断層の関係が、よく問題になりますが、既知の活断層にだけ注意すればいいとは限らないのです。

超過勤務過労死問題

電通の女性新入社員が、過労自殺した件が、波紋を広げています。そのような事例が、世の中に多いからです。

最初におことわりしておきますが、長時間労働を肯定する話ではありません。

人を死に追いやるような労働環境は、どのような理由があっても正当化はできません。

過労死には、職場個別の原因があるだけでなく、長時間労働を肯定する日本全体の問題があるようです。

残業が月80時間の「過労死ライン」を超える職場は、日本には当たり前のようにあります。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-395.html" target="_blank" title="前にも書いた">前にも書いた</a>ように、私が市民病院に勤めていた頃、残業時間は月100〜200時間でした。

しかし当時は、仕事の使命感や充実感が、残業の精神的肉体的ストレスを凌駕・払拭していました。

一方でその前に勤めていた大学病院での、月200時間以上の残業には、強いストレスを感じていました。

同じ時間働いても、その勤務内容や職場環境、自分の立場や意識が、ストレスの有無に大きく影響します。

学生時代、学園祭の前の数日間は、不眠不休に近い準備作業をしていましたが、とても楽しかった。

むしろ「ハイ」でした。おそらく脳内麻薬が出ていたのでしょう。疲れを知らない体でした。

手術中にも、多くの外科医がハイになっているはずです。そうでなければ、外科医などできません。

しかし私の場合、執刀医のときはそうでも、助手の時は、やや苦痛のこともありました。

だれにとっても、1日は24時間です。仕事以外の時間の過ごし方が、楽しいかどうかはわかりません。

つまらない仕事が8時間よりも、楽しくてたまらない仕事16時間の方が、はるかに幸せです。

残業時間がどうだと言う前に、仕事をいかに楽しく、やりがいを持たせるか、それがいちばん大事です。

労働が正当に評価されているか、苦労がねぎらわれるか、成果が報われるか、そのことの方が重要です。

中距離メガネ

診察時に使うパソコンはデスクトップ型なので、目とディスプレイとの距離がおよそ50センチほどあります。

この距離が、これまで使ってきた遠近両用メガネでは見えづらくなりました。

老眼は、初めの頃は手元が見にくいだけでしたが、だんだんと、ぼやける範囲が拡大してきています。

裸眼で本や新聞を読もうとすると、30センチ離す程度では、ピントが合わなくなりました。

かといって、それ以上遠くなると、こんどは近視のために、字が見えにくくなります。

そこで遠近両用メガネを使うわけですが、手元と遠方はよく見えても、中間ぐらいの距離が見えにくい。

レンズの設計上、遠・中・近のすべてに合わせようとすると、中距離を受け持つ範囲が狭くなるようです。

パソコンの画面の位置がちょうどこの、見えにくい距離なのです。

というわけで先日、近所の眼鏡店に赴き、仕事専用の中距離メガネを新調しました。これが実にいい。

レンズの大部分で、中距離にピントが合います。文字通り、目から鱗が落ちたかと思えるほどよく見えます。

診療中の患者さんとかパソコンとかの中距離が、ものすごくクリアに見えるようになりました。

そのかわり、向こうの壁の時計だとか、遠くのポスターだとか、そういうのはかなり、ぼやけています。

このメガネで運転など論外なので、通勤に使うことは不可能です。階段の上り下りでも、緊張するぐらいです。

フレームは、グレーのものを選びました。

眼鏡店で店員さんが「白髪が多いのでグレーがお似合いです」と。それ、言っちゃいけないヤツじゃないの?

一流の太り手

「太り手」という言葉を、最近ネットで目にします。肥満体の方が、自分のことを表現する言葉ですね。

積極的に太り、計画通りの体重を保っている、とでも言いたい人が使うのでしょうか。もちろん、言い訳です。

このような場合の「手」には、ほかに「歌い手」とか「踊り手」があります。

昭和の時代、歌手のことを「歌い手」と言ってましたが、最近は歌手という言葉すら、あまり使いませんね。

「聞き手」「話し手」「作り手」「売り手」「買い手」「貸し手」「借り手」なら、ごく一般的な言葉です。

これらは単に、「聞く人」とか「借りる人」の意味でしかありません。

となると、「手」の意味には、ふた通りあるわけです。

(1)上手な人、熟達した人、生業とする人。「歌い手」「太り手」など

(2)その行為をする人、行う人、担当者。「借り手」「嫁のもらい手」など

メインの人を助ける立場の人間を「助手」と言ったりします。この場合、助手=「助け手」なのでしょうか。

外科手術では、執刀医を助ける外科医を助手といい、執刀医の正面に立つのが第一助手、その隣が第二助手。

さらに執刀医の隣に、教育上の観点から第三助手を立たせることもありますが、はっきりいって邪魔です。

私が大学勤務医時代、「文部教官助手」という立場のときがありました。教授・助教授・講師の下の身分です。

いま、助教授は「准教授」となり、助手は「助教」ですが、助教という言葉の中途半端さには慣れませんね。

車の助手席の人から、これまでに運転を邪魔されたことはあっても、助けてもらった記憶がありません。

「助手席」の元の意味は「昭和初期の円タクの運転見習い兼客引きである助手の席」とのこと。なるほど。

なので英語には、助手席を意味する言葉が見当たりません。危険な席、という意味の俗語ばかりです。

アンデスメロン

子どもの頃、実家の門柱の石は「ジャモン岩」だと聞きました。ザラザラして、まだらな模様のある石でした。

後にそれを「蛇紋岩」と書くことを知り、ちょうどその頃から、岩石に興味が湧くようになりました。

中学校の2年と3年の担任だった石川先生は、鉱物に詳しい理科2分野の先生でした。

ある人が「先生、金鉱石を見つけた」と持ってきたのは「黄銅鉱」だった、という話を授業中に聞きました。

石川先生はよくホラを吹くので、生徒はみなそのつもりで聞きますが、この話は本当かもしれません。

黄銅鉱というのは、たしかに山で見つけたら金だと思うぐらい、金ピカですしね。

岩石は、「火成岩」と「堆積岩」と「変成岩」に大別されると習いました。

火成岩はマグマが冷えてでき、堆積岩は何かが堆積してできた岩石。変成岩はそれらが変成したものです。

阿蘇付近には、マグマ由来の火砕流が堆積してできた岩石が多く、立場が微妙ですが、いちおう堆積岩です。

例の蛇紋岩は、マントル上層部の主成分である「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-823.html" target="_blank" title="橄欖岩">橄欖岩</a>」に、水が作用してできた、変成岩の一種だそうです。

火成岩は、マグマがゆっくり冷えて固まった「深成岩」と、急速に冷えて固まった「火山岩」に分けられます。

中学校で習ったのは、深成岩なら「花崗岩」、火山岩なら「安山岩」と「玄武岩」。あとは忘れました。

庭を掘って出てくるのは、まだらなのが花崗岩、黒くて硬いのが安山岩、白いのが石灰岩、てとこでしょうか。

アンデス山脈で採れたから「andesite(アンデサイト)」と命名され、安山岩と訳されたようです。

すぐ連想するのは「安産願」。実際、安山岩のかけらが、安産のお守りにもよく使われるとか。

そのノリでいうなら、「安産ですメロン」だと言って妊婦さんに贈ってもいいわけですね、アンデスメロンを。

法人番号の収集

「マイナンバー法」によって規定され、「個人番号」と同時に導入された番号があります。「法人番号」です。

ずいぶん前に、個人番号の「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1506.html" target="_blank" title="通知カード">通知カード</a>」とは別に、「法人番号指定通知書」が当院にも送られてきました。

法人番号は、マイナンバー(個人番号)の法人版だ、という言い方もできますが、まったく違う面があります。

そもそも、法人番号は公開されています。国税庁の「法人番号公表サイト」で、簡単に検索ができます。

ためしに「ひまわり会」で検索してみたら、69件ほど表示されました。予想外に多くて、ガッカリです。

最近、例の「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1837.html" target="_blank" title="社会保険診療報酬支払基金">社会保険診療報酬支払基金</a>」から、マイナンバーを収集する旨の連絡を受けました。

その後しばらくして、支払基金からの依頼を受けたと思われる業者から、返送用レターパックが届きました。

法人番号指定通知書のコピーを入れて送り返せ、というわけです。

昨日がその締切日だったので、数日前に送付しました。もちろん、送料着払いです。

でもね。法人番号って、ネットで公開されてるんですよ。それをどうして、各法人に提出させるのでしょう。

支払基金には、パソコン無いですか。インターネット使えませんか。それとも、調べるのが面倒ですか。

たぶん面倒なのです。

全国に約5万ある医療法人すべてに、返送用レターパックを送りつけて番号を答えさせた方が、楽なのです。

レターパックの発送と収集、開封と番号確認からデータベースへの記入は、すべて委託業者が行うのでしょう。

どれぐらいの委託金額なのでしょうか。送料もかかる。頑丈なレターパックの使用は、紙資源の無駄遣いです。

国税庁のサイトで検索すれば、1件30秒かかっても、10人ががりなら41時間と40分で5万件を調査できます。

10人の職員(アルバイト含む)が1週間+残業100分でできる仕事を、どうしてやらないのですか。

百歩譲って、その検索作業を、業者に委託すればいいじゃないですか。なぜ医療機関にさせる。しかもタダで。

マイナンバーの導入は、行政機関などの仕事の効率化と、手続きの簡素化による国民の負担軽減が目的のはず。

ところが楽になるのは行政や公的機関ばかりで、国民はちっとも楽になりませんが。

総務省指定

iPhone 7と7 Plusの本体の裏側に「総務省指定」の文字が初めて刻印されました。電波法の規定のためです。

今回「FeliCa」が搭載されたことにより、iPhoneは「誘導式読み書き通信設備」に相当する物になりました。

この「通信設備」は原則として、利用者が総務大臣から、個別の設置許可を得て使う必要があるそうです。

ただし「予め総務大臣から技術基準に適合していることの指定」が受けてあれば、個別の許可は不要です。

それが「型式指定」であり、そのような製品には「総務省指定」の刻印が必要になるというわけです。

その日本語の刻印が、スタイリッシュじゃない、ダサい、興ざめだ、などという意見が噴出しています。

そこで、私のiPhone 7 Plusを確かめてみたのですが、まず、文字が小さすぎて、私の目にはよく見えません。

よく見えないぐらいだから、スタイリッシュかどうかには、ほとんど影響はないと思われます。

一見して、アルファベットか漢字か模様かゴミかの区別もつかないぐらいなので、ダサいも何もありません。

興ざめかどうかで言えば、自分の視力の低下の方が、はるかに興ざめです。

そのiPhone 7。今月から<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1805.html" target="_blank" title="FeliCa">FeliCa</a>が使えるようになるとの話でしたが、具体的には、いつからなんでしょうね。

ネットでは、10月25日のiOSのバージョンアップからではないか、などの噂が流れています。

その日なら、当院の休診日です。ただちにアップデートすることにしましょう。

でもって、コンビニに行って、さっそくQUICPayで支払ってみましょう。もちろん、ドヤ顔です。

あとはSuicaですが、いったい熊本のどこで使えるのか。問題はそこですね。

社会保険診療報酬支払基金

「社会保険診療報酬支払基金」という組織があります。通常われわれは、「支払基金」と呼んでいます。

一般の方にはまったくなじみが無いでしょうけど、保険医療機関に診療報酬を支払う機関です。

診療報酬の支払いの流れは、こうです。

(1)診療の翌月初旬、医療機関が診療報酬明細書(レセプト)を1カ月分まとめて、支払基金に請求する

(2)支払基金がレセプトをチェックし、保険者(健康保険組合など)へ請求する

(3)保険者が独自にチェックし、支払基金へ診療報酬を支払う

(4)支払基金が医療機関に診療報酬を支払う(診療の翌々月の22日ごろ)

このようにして医療費は、患者負担分は診療当日窓口で、残りは2カ月後に支払われることになります。

2カ月後の支払いというのも(遅いので)問題ですが、もっと別の問題も起きます。

先月は、「在宅酸素療法指導管理料」という、結構大きな診療報酬が、ばっさりカットされました。

不備があるので診療報酬は支払えないと、レセプトが突き返されたのです。これを「返戻」といいます。

ところが、どう考えても調べても不備はない。そこで今日、支払基金に電話して確認してみました。

その結果、あろうことか、「すみません、当方(=支払基金)の担当者の勘違いでした」という回答。はぁ?

支払基金は誤りを認め、8月分の「在宅酸素療法指導管理料」は、12月に支払われることになりました。

結局、支払基金も保険者も、医者が「ズル」をしているのではないかと、いつも性悪説で考えているのです。

少しでも疑問があれば、とりあえず診療報酬は支払わない。医療機関がまっとうな反論をしてきたら、払う。

うっかりしていたら、医療機関の泣き寝入りです。こんなシステムって、おかしいと思う。

豊洲市場問題は続く

豊洲市場の「地下空間問題」では、市場長が更迭されることになりました。小池百合子都知事の英断です。

残念ながら、小池知事が期待していた、都の「自浄作用」は発揮されませんでした。

内部調査の「検証報告書」には、事実と異なる記載がなされていることが発覚したからです。

地下空間は「技術会議が独自に提案した事項」と、報告書には記載されていました。

ところがそれは、実は「都が技術会議に提案して却下された事項」だと判明しました。ひどい話です。

却下された事項を、さも会議で採択された事項のように表現するとは、さすがお役人です。

「技術会議が提案した事項」と言わず、「技術会議で提案された事項」と言えば、ウソじゃなかったのです。

「霞ヶ関文学」と揶揄されるように、中央官僚の発する文言は、実に巧妙です。都庁も同様でしょう。

都側に都合の良い「資料」を勝手に紛れ込ませ、「会議の資料」と言ってしまえば、説得力が出てきます。

それはまるで、「消防署の方から来た」人と同じ。都が、都自らの権威を利用しているわけです。

私は都民ではありませんが、小池知事のやり方は、いまのところ気味がいい。

とりあえず、好意的に見守りたいと思います。

女性の名前の「子」

「子」の付く名前が少なくなったと言われて久しいですが、どの程度減ったのか、調べてみました。

当院の患者データベースでは、名前の最後が「子」の字で終わる方は、2,539人でした。

全員が女性。高浜虚子とか小野妹子のような人はいません。「子」の読みは、全員が「こ」でした。

時代の変遷をみるのなら、平成生まれと昭和生まれを比べるのが、手っ取り早いでしょう。

平成生まれの女性登録者は全部で5,547人、昭和生まれは5,540人。偶然にも、両者はほぼ同数でした。

統計学的解析を進めるには、うってつけの標本といえるでしょう。

なお、大正生まれの女性32人は、今回は調査対象外とします。

「子」で終わる名前の方は、平成生まれの260人(4.7%)に対し、昭和生まれは、なんと2,267人(40.9%)。

昭和の時代、女性の4割は「子」が付く名前だったというわけです。一方で平成は、わずかに20人に一人。

「子」が付く名前は、「子」の字以外の部分に個性を求めることになるので、パターンが限られてきます。

平成時代の名前は、個性を追求するために「子」の束縛から離れようとしているのかもしれません。

最近のいわゆる「キラキラネーム」はその典型でしょう。

さらに分析を進めると、昭和と平成では、「子」の付く名前にも違いがあります。それは音の数です。

「由美子」とか「孝子」のように、昭和では3音が多いのに比べて、平成は「真子」のような2音が多い。

昭和では99.7%が3音と圧倒的でしたが、平成では3音は73.1%、2音が23.8%もいます。

その平成の2音うち、67.7%の読みが「りこ」でした。また4音もいて、全員が「桜子」でした。

個性的な文字面の名前が平成の特徴かと思いきや、逆にシンプルで短い名前も、ある意味個性の主張なのかも。