中距離メガネ

診察時に使うパソコンはデスクトップ型なので、目とディスプレイとの距離がおよそ50センチほどあります。

この距離が、これまで使ってきた遠近両用メガネでは見えづらくなりました。

老眼は、初めの頃は手元が見にくいだけでしたが、だんだんと、ぼやける範囲が拡大してきています。

裸眼で本や新聞を読もうとすると、30センチ離す程度では、ピントが合わなくなりました。

かといって、それ以上遠くなると、こんどは近視のために、字が見えにくくなります。

そこで遠近両用メガネを使うわけですが、手元と遠方はよく見えても、中間ぐらいの距離が見えにくい。

レンズの設計上、遠・中・近のすべてに合わせようとすると、中距離を受け持つ範囲が狭くなるようです。

パソコンの画面の位置がちょうどこの、見えにくい距離なのです。

というわけで先日、近所の眼鏡店に赴き、仕事専用の中距離メガネを新調しました。これが実にいい。

レンズの大部分で、中距離にピントが合います。文字通り、目から鱗が落ちたかと思えるほどよく見えます。

診療中の患者さんとかパソコンとかの中距離が、ものすごくクリアに見えるようになりました。

そのかわり、向こうの壁の時計だとか、遠くのポスターだとか、そういうのはかなり、ぼやけています。

このメガネで運転など論外なので、通勤に使うことは不可能です。階段の上り下りでも、緊張するぐらいです。

フレームは、グレーのものを選びました。

眼鏡店で店員さんが「白髪が多いのでグレーがお似合いです」と。それ、言っちゃいけないヤツじゃないの?