「社会保険診療報酬支払基金」という組織があります。通常われわれは、「支払基金」と呼んでいます。
一般の方にはまったくなじみが無いでしょうけど、保険医療機関に診療報酬を支払う機関です。
診療報酬の支払いの流れは、こうです。
(1)診療の翌月初旬、医療機関が診療報酬明細書(レセプト)を1カ月分まとめて、支払基金に請求する
(2)支払基金がレセプトをチェックし、保険者(健康保険組合など)へ請求する
(3)保険者が独自にチェックし、支払基金へ診療報酬を支払う
(4)支払基金が医療機関に診療報酬を支払う(診療の翌々月の22日ごろ)
このようにして医療費は、患者負担分は診療当日窓口で、残りは2カ月後に支払われることになります。
2カ月後の支払いというのも(遅いので)問題ですが、もっと別の問題も起きます。
先月は、「在宅酸素療法指導管理料」という、結構大きな診療報酬が、ばっさりカットされました。
不備があるので診療報酬は支払えないと、レセプトが突き返されたのです。これを「返戻」といいます。
ところが、どう考えても調べても不備はない。そこで今日、支払基金に電話して確認してみました。
その結果、あろうことか、「すみません、当方(=支払基金)の担当者の勘違いでした」という回答。はぁ?
支払基金は誤りを認め、8月分の「在宅酸素療法指導管理料」は、12月に支払われることになりました。
結局、支払基金も保険者も、医者が「ズル」をしているのではないかと、いつも性悪説で考えているのです。
少しでも疑問があれば、とりあえず診療報酬は支払わない。医療機関がまっとうな反論をしてきたら、払う。
うっかりしていたら、医療機関の泣き寝入りです。こんなシステムって、おかしいと思う。