「子」の付く名前が少なくなったと言われて久しいですが、どの程度減ったのか、調べてみました。
当院の患者データベースでは、名前の最後が「子」の字で終わる方は、2,539人でした。
全員が女性。高浜虚子とか小野妹子のような人はいません。「子」の読みは、全員が「こ」でした。
時代の変遷をみるのなら、平成生まれと昭和生まれを比べるのが、手っ取り早いでしょう。
平成生まれの女性登録者は全部で5,547人、昭和生まれは5,540人。偶然にも、両者はほぼ同数でした。
統計学的解析を進めるには、うってつけの標本といえるでしょう。
なお、大正生まれの女性32人は、今回は調査対象外とします。
「子」で終わる名前の方は、平成生まれの260人(4.7%)に対し、昭和生まれは、なんと2,267人(40.9%)。
昭和の時代、女性の4割は「子」が付く名前だったというわけです。一方で平成は、わずかに20人に一人。
「子」が付く名前は、「子」の字以外の部分に個性を求めることになるので、パターンが限られてきます。
平成時代の名前は、個性を追求するために「子」の束縛から離れようとしているのかもしれません。
最近のいわゆる「キラキラネーム」はその典型でしょう。
さらに分析を進めると、昭和と平成では、「子」の付く名前にも違いがあります。それは音の数です。
「由美子」とか「孝子」のように、昭和では3音が多いのに比べて、平成は「真子」のような2音が多い。
昭和では99.7%が3音と圧倒的でしたが、平成では3音は73.1%、2音が23.8%もいます。
その平成の2音うち、67.7%の読みが「りこ」でした。また4音もいて、全員が「桜子」でした。
個性的な文字面の名前が平成の特徴かと思いきや、逆にシンプルで短い名前も、ある意味個性の主張なのかも。