毎日のように、成人の方が麻疹/風疹混合(MR)ワクチン接種のために来院されます。
まったく同じ書き出しのブログを、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-619.html" target="_blank" title="3年前">3年前</a>にも書きました。当時は、風疹の大流行が社会問題でした。
今回は、昨年「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1278.html" target="_blank" title="排除">排除</a>」されたはずの麻疹。千葉や関空についで、尼崎市の保育園でも集団感染騒ぎです。
それらの国内発生が、すべて同一の感染源によるものか、複数ルートなのか、まだはっきりしていません。
驚いたことには、関空従業員の発症者33名のうち13名は、MRワクチンを2回以上接種していた人でした。
つまり、たとえワクチンを2回接種しても、十分な免疫を獲得・維持できているとは限らないということです。
その報道をうけて当院で緊急検査をしたところ、職員のうち3名は、麻疹ウイルス抗体価が基準値以下でした。
医療従事者に限らず、免疫の無い成人は、なるべく早めにワクチンを接種すべきです。
メディアもそのように報じるので、この1,2週間ほどは、成人のMRワクチン接種希望者が増えています。
もちろん、接種を最優先すべきなのは、第1期定期接種対象の1歳児であることは、言うまでもありません。
ところが、成人の接種者が増えたこともあって、MRワクチンが先週ぐらいから品薄になりました。
今週はもう、ほとんど入荷の見込みが立たなくなりました。薬品卸の流通はほぼ、止まっているようです。
3年前の風疹騒ぎのときよりも、ずっと深刻です。緊急事態です。当院の在庫も、そう多くありません。
もはや、成人へのワクチン接種は制限しなければなりません。小児優先モードに全面シフトです。
1歳でMRワクチン未接種のお子さんは、できるだけ早く、接種を受けてください。
来月からは、B型肝炎ワクチンの定期接種と、インフルエンザワクチンの接種も始まります。
医療機関は、だいぶ混乱しそうです。麻疹の発生が、これ以上拡大しないことを祈るしかありません。