麻疹ワクチンを接種したい、という問い合わせが、急に増えています。
千葉や関西空港などで、麻疹の集団発生が起きているからです。大慌てで、予防しておこうというわけです。
接種希望者の多くは成人ですが、今日は0歳児の問い合わせも2件ありました。
麻疹/風疹混合(MR)ワクチンの、第1期定期接種の対象は、1歳児です。
しかし、麻疹ワクチンや風疹ワクチンを0歳で接種することは、医学的にも制度的にも可能です。
0歳児は、定期接種の対象ではないだけで、任意接種(有料接種)はできるのです。
当院では、0歳でも希望者には、MRワクチンの接種を行う方針です。これはいまだけの、緊急措置です。
少なくとも、麻疹の流行が九州とくに熊本に及んできたら、0歳児にはなるべく接種してもらうつもりです。
ただし、0歳6カ月未満の赤ちゃんは、お母さんからの移行免疫の影響が残っているので、まだ大丈夫。
あるいは逆に言えば、移行抗体のある時期に生ワクチンを接種しても、効果は不十分なのです。
その移行免疫の影響が消える6カ月以降だと、感染のリスクが増えるので、麻疹には無防備になります。
したがって、定期接種対象年齢になる前の、生後6〜12カ月の赤ちゃんにこそ、ワクチン接種が必要なのです。
<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1605.html" target="_blank" title="水痘">水痘</a>や<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1417.html" target="_blank" title="おたふく風邪">おたふく風邪</a>は、予防するよりも罹った方が良い免疫が付くんじゃないかと、考える方もいるようです。
しかし少なくとも麻疹は、どう考えても罹らない方がよい疾患です。可能な限り予防しましょう。