千葉県で勃発した麻疹(はしか)騒動ですが、その発端者の感染元は関西空港と考えられています。
そしてその関西空港での集団感染が、毎日のように拡大しています。
8月31日には16人、その翌日10人、その翌日には5人の感染者が確認されました。すべて空港従業員でした。
ところが昨日、新たに確認された感染者4人のうち3名は、空港従業員ではありませんでした。
1人は空港近隣に来ていた買い物客。残る2人は、患者を搬送した救急隊員と、その患者を診察した医師。
このような医療関係者が、どうして麻疹にかかるのか。それこそが大問題です。
麻疹患者の診療をしようという医者ですから、免疫はあるつもりだったのでしょう。ところがそれが無かった。
おそらく、予防接種をしたのに十分な免疫が獲得できていなかったのでしょう。
ワクチンを接種しても免疫がつかないことが、麻疹ワクチンの場合には5%ぐらいあります。
この確率は、ワクチンの中では低い方です。しかし過信してはなりません。
さらに、いったんきちんと免疫がついたとしても、それが長持ちしにくい時代になりました。
国内での麻疹発生が激減して、人々の免疫をちょいちょい活性化してくれる「刺激」が無くなったからです。
日本人は、海外からたまに持ち込まれる麻疹に対しては、めっぽう弱い体になりつつあるのです。
現行の定期接種制度が完備される前の世代は、とくに弱いので、この機会にワクチンを接種しておきましょう。
接種の前に、麻疹ウイルス抗体価(免疫)の検査を行ってもよいでしょう。
その際、風疹抗体価も同時に調べるのがミソです。条件が揃えば、検査やワクチン接種に助成が出るからです。
もちろん接種するのは、風疹単独ワクチンではなく、麻疹/風疹混合(MR)ワクチンです。そこが重要。