麻疹は予防あるのみ

千葉で麻疹(はしか)が発生して、問題になっています。

その発端者として、西宮市在住の19歳の学生が疑われています。その学生の行動は、こうです。

・7/31バリ島へ渡航、8/5帰国

・8/9発熱、8/12顔などに発疹、8/13全身に発疹

・8/14ジャスティン・ビーバーのコンサートに参加(幕張メッセ、2万5千人が参加)

・8/18の血液検査で麻疹と診断(8/19に判明)

この方の問題は2つあります。

(1)高熱と発疹が出ているのに、コンサートに行った

(2)麻しん/風しん混合(MR)ワクチンを接種していなかった

楽しみにしていたコンサートなので、少々体調が悪くても、若者だから無理して参加したのでしょう。

まして自分が麻疹とは思わないだろうし、麻疹だったらどうなの、っていうレベルかもしれません。

発症後もバイトやサークル活動に参加し、都内や鎌倉も訪れているとのこと。

さらに(2)も問題です。中1で接種すべきだった<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-358.html" target="_blank" title="MRワクチン(第3期)">MRワクチン(第3期)</a>を、接種していないからです。

同胞も3人いて、みなMRワクチンは未接種のようです。6人家族のうち4人が、麻疹を発症してしまいました。

かつて<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-23.html" target="_blank" title="麻疹輸出国">麻疹輸出国</a>と揶揄された日本ですが、2008年度からの第2期接種導入によって患者は激減しました。

2008年には11,013人だった患者報告数が、2009年には732人、2010年447人、昨年はわずか35人でした。

WHOは昨年、日本の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1278.html" target="_blank" title="麻疹排除">麻疹排除</a>を認定しました。これもワクチンのおかげなのです。

ところが、その大事なMRワクチンを、いまだに接種したがらない人がいます。

現在、千葉県内で10人以上の麻疹が発生していますが、そのほとんどの方が、MRワクチンは未接種です。

どういう了見なのでしょう。自分が罹るだけの問題ではないのです。他人にうつすから問題なのです。

とくに、まだワクチンの接種対象ではない0歳児は無防備です。千葉のケースでも3人は0歳児でした。

件のジャスティン・ビーバーのコンサートから、今日でちょうど10日。麻疹の潜伏期は10〜12日。

明日ぐらいから、全国で麻疹が発生するのではないかと、医療機関は戦々恐々です。