ワクチン足りるのか

10月から始まる「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1691.html" target="_blank" title="B型肝炎ワクチン">B型肝炎ワクチン</a>」の定期接種の対象は、1歳未満の赤ちゃん。推奨月齢は2カ月からです。

ただし、今年の4月以降に生まれたお子さんだけが対象、という規定になっています。

たとえば3月生まれの方は、10月にはまだ0歳でも、定期接種の対象ではありません。

一方で4月生まれのお子さんは、10月まで待てば接種が無料になるので、10月まで待つ方が多いです。

本来は生後2カ月で接種を開始すべきなのに、6カ月頃まで待つことになります。これが「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1702.html" target="_blank" title="接種控え">接種控え</a>」です。

感染症予防の観点からは問題ですが、新しい定期接種が始まるときにはいつも、接種控えが起きてしまいます。

同様に、5月から7月生まれの方の場合も、10月になるのを待つケースがほとんどです。

8月生まれのお子さんだけは、生後2カ月の時には定期接種が始まっているので、適切な時期に接種できます。

となると10月には、4月生まれから8月生まれのお子さんが、一斉に接種を開始することになります。

11月には、2回目の接種を行うことになりますが、この月には9月生まれのお子さんも接種に加わってきます。

このように10月・11月には接種が集中するというのに、ワクチンの供給は、はたして間に合うのでしょうか。

というのも、B型肝炎ワクチンの<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1479.html" target="_blank" title="国内シェア">国内シェア</a>はこれまで、化血研8割、MSD2割の体制だったからです。

化血研は不祥事を起こし、110日間という長い長い<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1557.html" target="_blank" title="業務停止処分">業務停止処分</a>を課せられました。

B型肝炎ワクチンの場合、すでに製造済のワクチンのみが、細々と流通する状態になりました。今もそうです。

しかも、その業務停止期間が終わる直前に熊本地震が起き、化血研の工場が大きな被害に遭いました。

なかでも、B型肝炎ワクチンの製造プラントの損壊が大きく、再稼働の見通しは現在も立っていないとのこと。

化血研のワクチンは、不祥事発覚前に製造されていた在庫分の残りだけで、やりくりしなければなりません。

一方で、MSDのワクチンは輸入品。大あわてで輸入量を増やし、なんとか定期接種に間に合わせる方向です。

そのようなドタバタの中で、1カ月後には定期接種が始まろうとしています。ワクチンは足りるのでしょうか。

Amazonでソフト購入

Amazonでソフトウェアをダウンロード購入して、「落とし穴」と「抜け穴」を経験したので、その話です。

買ったのは「Microsoft Office 365 Solo(1年版)オンラインコード版」というソフト。

ダウンロード版のOffice、1年限定版です。WindowsにもMacにも対応。2台のPCにインストールできます。

Macにだって、純正ワープロや表計算やプレゼンのソフトはあるのですが、どうしてもOfficeが必要です。

なぜなら、官公庁がしばしば、申請書や提出用文書にMicrosoft Excelのファイルを<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1114.html" target="_blank" title="指定してくる">指定してくる</a>からです。

世の中でいくらApple製品が脚光を浴びても、お役人が使うPCはWindows。Macのことは考慮しないのです。

しょうがないので、Windows版Officeと互換性のある、Mac版Officeを購入することにしたわけです。

Amazonで、前述のソフトの購入ボタン「ダウンロード版を購入」をクリックしました。

すると「サインイン」を経て、クレジットカード番号の再入力を求められました。このあたりは厳格です。

それを入力すると次の画面では、購入金額の全額が、Amazonギフト券での購入となっていました。

私は今回、手持ちのギフト券を使いたくなかったのに、購入方法はギフト券オンリーなのです。

納得がいかないので、Amazonのカスタマーサービスに電話してみました。

この手の電話は、通じるまで20分ほど待たされるのは覚悟の上でしたが、なんと、2秒で担当者が出ました。

彼によると、「ソフトウェアなどの購入の場合には、ギフト券を優先して使う仕組みです」とのこと。

これは落とし穴ですね。つまり、ギフト券があれば、絶対にそれを使わなければならないというわけです。

それは困ると食い下がったら、担当者が「裏技があります」と、抜け穴を教えてくれました。

「まず、ギフト券の残高以上の通常の商品をいったん購入して、ギフト券を使い切ってください」

「それからソフトを購入してください。その前に購入した商品は、あとで当方でキャンセルしておきます」と。

彼を信じて、たまたま目に付いた11万円の腕時計を購入。それからOfficeを購入。

あとでアカウント情報を見てみると、購入履歴には、腕時計購入の痕跡すら残っていませんでした。

Amazonは、とても親切な対応をしてくれましたが、商品購入情報を管理されている怖ろしさも感じました。

術後せん妄と診察

乳腺腫瘍摘出術後の女性患者に、診察を装ってわいせつな行為をしたとして、男性外科医が逮捕されました。

医師はこれを否認し、その勤務先の病院も、正式な抗議文書を同病院のサイトに掲載しています。

真相はわかりませんが、えん罪の可能性はあります。それに医師が逮捕され、実名報道されたことも問題です。

満床在室の4人部屋だったのに、事件の目撃者はありません。すべては、被害女性の証言によるものです。

問題は、事件が手術後35分以内の、麻酔から完全には覚醒していない時期に起きたということです。

全身麻酔の影響によって、女性は幻覚が見えるせん妄状態だった可能性があるからです。

幻覚を見ている者は、それが幻覚だとは思いません。だからそれが真実だと、明確に「証言」してしまいます。

医師がたった1人で診察しなければよかったのに、と思ったら、看護師同席の回診だったという話もあります。

ところが警察は、その看護師も共犯(または口裏合わせ)と判断したと、一部のサイトにありました。

どの情報が正しいのか私には鑑別できませんが、いずれにしても、逮捕するほど容疑は固まっていないはず。

医師は、とくに乳腺外科や婦人科の医師は、診察自体がきわめてデリケートなので、細心の注意が必要です。

しかし手術中には、外科医は人体という構造物に対して、解剖学的、病理学的、外科的な視線で向き合います。

これは悪い意味ではなく、治療戦略と手術手技への高度な集中によるものです。

おそらく手術直後の回診においても、手術中と同様の感覚で、患者の体に接触することになることでしょう。

そういった外科医の態度が、患者には受け入れ難い面がある可能性に、医療者は配慮する必要があります。

麻酔薬の影響で患者に幻覚が見える状態ではなおさら、医師は最大限の自己防衛をしなければなりません。

パスワード更新の催促

ネットバンキングや会員制サイトなどにログインするときに、定期的なパスワード変更が求められます。

つい最近では、Dropboxから、パスワード再設定を催促するメールが届きました。

そこには、再設定用のリンクがありましたが、そのリンクからパスワードを再設定しても、安全でしょうか。

このメールが偽メールで、リンクをクリックしたら偽のサイトに誘導されるということはないでしょうか。

いまの時代、すべてのメールはまず、いったん怪しむべきです。

まして、「パスワードを変更しましょう。はい、こちらからどうぞ」などというメールは、いちばん危ない。

こういうときは、そのメールは無視して、正式なDropboxのサイトから入るのが賢明。で、見てみると、

(1)パスワードの変更をお願いしているのは、2012 年半ばからパスワードの変更を行っていない方です

(2)ログイン時にパスワードのリセットを求められなかった場合は、この件の対象には該当していません

とあります。どうやらメールは、純正のものだったようです。

私の覚え書きによれば、2012年どころか、ほぼ毎年パスワードは変更しています。

なので(1)には該当しません。そして(2)の操作をしても、パスワードの再設定は求められませんでした。

とりあえず、ひと安心。ですが、人騒がせなメールでした。

それにしても、複数のログインパスワードを、それぞれたびたび更新するなど、まったく面倒な話です。

そろそろ、パスワードのキー入力はやめにして、生体認証によってログインする仕組みを導入すべきです。

Bluetooth接続したスマホを使う手もあるし、パソコン本体で指紋認証できれば、なお良いでしょう。

次期MacBook Proには、Touch IDが搭載されるといわれますが、大事なのはその使い途。応用範囲です。

水道管破裂

わが家でちょっとした、水道管破裂騒ぎがありました。その顛末です。数日前の、夜中の出来事です。

ウォシュレットの水の勢いが弱くなったので、フィルターの清掃をすることにしたのです。

その方法は取説に出ています。取説の原本は見当たりませんでしたが、いまはネットで読めるので大丈夫。

それによると、半年に1回は清掃するようにとあります。ありゃま。数年間、一度も清掃してませんでした。

止水栓を閉めてから、レンチでナットを回すのですが、とても固くて、家人の力では回らなかったとのこと。

その話を寝る前に聞いたので、今夜のうちに片付けとくか、という軽いノリで、夜の11時ごろから作業開始。

満身の力を込めると、ナットが回りました。どうだ、男の力はあなどれんだろう、という得意顔もここまで。

どんどんグリグリ回していたら、ある瞬間、突然はじけたように止水栓がはずれて、水が噴き出しました。

もうそれは、水道管破裂を連想するような凄い勢いです。手で押さえても無理。何もできません。

気がつけばすでに、トイレの床は水深5センチ以上の水浸し。見ているうちにどんどん増水していきます。

水は廊下に溢れだし、その激流が玄関やリビングの方に向かって行きます。

水道の元栓を閉めるしかありません。ではその元栓はどこにあるか。夜中の頭で記憶をだどります。

そこでふと、先日草取りをしたときの記憶が蘇りました。裏庭の道路ぎわの草むらの中にあったような。

ダッシュでトイレから走り出し、玄関を出て、ショートカットのために庭を駆け抜けます。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1769.html" target="_blank" title="愛犬・花">愛犬・花</a>が逃げないように置いてある障害物を飛び越え、裏口に到達、あった。コックを回す。止まった。

廊下の水を玄関から掃き出し、タオルで吸い取り、床をしっかりと拭き上げ、扇風機で乾燥させました。

花の足跡で汚れていたフローリングは、すっかり綺麗になりました。

インターネット機器更新

NTT西日本は、「フレッツ・光プレミアム」の終了と「フレッツ 光ネクスト」への移行を進めています。

「フレッツ」の後の中点(・)もスペースに移行したようです。

料金等はまったく変わりません。サービスの移行には、局内工事とネットワーク機器の交換が必要になります。

本日NTTから自宅に「ホームゲートウェイ」という装置が送られてきたので、さっそく切替を行いました。

(1)書類と機器の準備

NTTのフレッツサービス切替申し込み控えや、プロバイダOCNの書類を準備し、送られてきた機器を開梱。

震災後の片付けが終わっていなかった書斎を、図らずも、足の踏み場を作る程度に片付けることになりました。

(2)新機器の接続

旧ネット機器は、光ファイバー→ONU→CTU→VoIPアダプタ及びルータ、の順につながっています。

これらは<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1161.html" target="_blank" title="以前">以前</a>、クリニックのネット機器について書いたときにも登場しました。

このうちCTUとVoIPアダプタの電源を切って外し、送られてきたホームゲートウェイをONUに接続。

ホームゲートウェイは、ネットと電話の両方の出力を一手に引き受けるようです。ルータをつなぎ、電源投入。

ところが、そのホームゲートウェイの、準備中のランプの点滅が消えません。

(3)NTTの「切替等に関するお問い合わせ」部署に電話

どうやら、サービス変更日が8/31という契約なのに、その前の8/26に機器を切り替えたからだと判明。

私の勇み足でした。サービス変更日とはNTTの工事日のことでした。それ以前には、切替えられないのです。

装置が送られてきたのだから、さっさと作業したのが間違い。すべての機器を、また元通りに接続しました。

変更日に切り替える必要があるのか、その2,3日後でもいいのかと尋ねたら、別の部署でお尋ねくださいと。

(4)NTTの「工事日のご変更に関するお問い合わせ」部署に電話

変更日に切り替えなければ、ネットサービスが途切れるという返事。それは困ると言うと、折り返しますと。

(5)NTTの、どこかの部署から電話

変更日から1カ月以内ぐらいに、機器を切り替えていただければけっこうです、とのこと。やっと解決。

NTTは最初から、「切替は、必ずサービス変更日以降に行ってください」とはっきり表示してほしかった。

私のように、目の前に新しい器械があったら、すぐに接続したくなる者もいるのです。

ピカチュウで終了

今頃ですか、と言われるかもしれませんが、実際、飽きてます、ポケモンGO。レベル17で足踏み状態です。

自宅ではいつも、iPhoneはポケモンGO画面にしていますが、ほとんど壁紙代わりです。音は消してます。

ふと見たときに、まだ捕まえたことのないポケモンが現れていたときだけ、捕まえることにしています。

しかし、たいてい現れるのはポッポかコラッタ。たまにイーブイ。こういう輩は無視するに限ります。

ぽっぽと消えてくれ、という感じです。こらった(困った)もんです。もう知らんぷり(イーブイ)です。

と思っていたら、今朝、なにげに温めていた卵から、ピカチュウが生まれました。

ピカチュウをゲットしたら終わりにしようと思っていたので、これでもう、思い残すことは何もありません。

ポケモンGOをしながら車を運転して、道路を横断中の人をはねる交通事故が、ついに起きてしまいました。

いつかは起きると思っていましたが、いきなり死亡事故とは痛ましい限りです。

私も信号待ちの時に、たまにiPhoneを見ることはありますが、ポケモンGOは次のような警告が出ています。

「移動速度が速いためプレイを制限しています「」安全のため、走行中のプレイは禁止です」

ところがその下に「私は運転者ではありません」というボタンがあり、警告を解除できるようになっています。

結局この警告はザルなのです。注意喚起だけをして、あとは知りませんよ自己責任ですよ、というわけです。

もともとポケモンGOは、あちこちを歩き回ってポケモンを見つけよう、というゲーム。

車に乗ってゲームするのは、その趣旨に反します。運転者でなくても、ゲームはできないようにすべきです。

麻疹は予防あるのみ

千葉で麻疹(はしか)が発生して、問題になっています。

その発端者として、西宮市在住の19歳の学生が疑われています。その学生の行動は、こうです。

・7/31バリ島へ渡航、8/5帰国

・8/9発熱、8/12顔などに発疹、8/13全身に発疹

・8/14ジャスティン・ビーバーのコンサートに参加(幕張メッセ、2万5千人が参加)

・8/18の血液検査で麻疹と診断(8/19に判明)

この方の問題は2つあります。

(1)高熱と発疹が出ているのに、コンサートに行った

(2)麻しん/風しん混合(MR)ワクチンを接種していなかった

楽しみにしていたコンサートなので、少々体調が悪くても、若者だから無理して参加したのでしょう。

まして自分が麻疹とは思わないだろうし、麻疹だったらどうなの、っていうレベルかもしれません。

発症後もバイトやサークル活動に参加し、都内や鎌倉も訪れているとのこと。

さらに(2)も問題です。中1で接種すべきだった<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-358.html" target="_blank" title="MRワクチン(第3期)">MRワクチン(第3期)</a>を、接種していないからです。

同胞も3人いて、みなMRワクチンは未接種のようです。6人家族のうち4人が、麻疹を発症してしまいました。

かつて<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-23.html" target="_blank" title="麻疹輸出国">麻疹輸出国</a>と揶揄された日本ですが、2008年度からの第2期接種導入によって患者は激減しました。

2008年には11,013人だった患者報告数が、2009年には732人、2010年447人、昨年はわずか35人でした。

WHOは昨年、日本の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1278.html" target="_blank" title="麻疹排除">麻疹排除</a>を認定しました。これもワクチンのおかげなのです。

ところが、その大事なMRワクチンを、いまだに接種したがらない人がいます。

現在、千葉県内で10人以上の麻疹が発生していますが、そのほとんどの方が、MRワクチンは未接種です。

どういう了見なのでしょう。自分が罹るだけの問題ではないのです。他人にうつすから問題なのです。

とくに、まだワクチンの接種対象ではない0歳児は無防備です。千葉のケースでも3人は0歳児でした。

件のジャスティン・ビーバーのコンサートから、今日でちょうど10日。麻疹の潜伏期は10〜12日。

明日ぐらいから、全国で麻疹が発生するのではないかと、医療機関は戦々恐々です。

資格喪失後の受診

勤務先の変更等で保険証が切り替わると、それまでの被保険者の資格は喪失するので、旧保険証は使えません。

ところが、旧保険証で医療機関を受診する方がいます。当院の場合だと、毎月2,3人ぐらいでしょうか。

保険証に関しては、次のような義務があります。

(1)医療機関:保険証の有効期限等の「確認」

(2)被保険者:資格を喪失した保険証の「返還」

(3)保険者:資格を喪失した保険証の「回収」

このうち(2)と(3)が遅れて、資格喪失後の旧保険証が医療機関に提示された場合が、問題となります。

患者さんが何も申告しなければ、医療機関としては、その保険証は有効なものと考えるしかないからです。

よって診療後には、その保険証に記載された保険者に対して、診療報酬を請求することになります。

ところが保険者は、その被保険者の資格は喪失しているので診療報酬は支払えません、と文句を言ってきます。

つまり保険者は、保険証の回収が遅れたことは棚に上げて、医療機関にレセプトを叩き返してくるのです。

医療機関には落ち度がないので拒否できますが、そうすると保険者と被保険者が、少々面倒なことになります。

被保険者に負担をかけまいと、医療機関が泣き寝入りすれば丸く収まるので、保険者はそれを期待します。

そのような保険者の態度に私は嫌気がさして、最近はレセプト返戻を拒否する方針です。

医療機関はまじめに診療しているのだから、保険者も自分の仕事をきちんとしてほしいものです。

受診する患者さんもはくれぐれも、資格を喪失した保険証は出さないように注意してください。

聴診器

診察でいつも使っている聴診器が壊れました。しかも修理不能。聴診器って、意外と壊れやすい構造なのです。

壊れる場所は、いつも決まっています。両耳から降りてきたチューブが合流する三叉路の手前の部分です。

適度な力で耳にはまるように、その部分には板バネが仕込まれています。そのバネの金属が、折れるのです。

いわゆる「金属疲労」です。働かせすぎたせいなので「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-721.html" target="_blank" title="勤続疲労">勤続疲労</a>」とも言えます(また言ってしまった)。

聴診器でいちばん大事なのは、もちろん先端のチェストピース部分。あとはただのチューブです。

ところが、そのチューブ内に組み込まれて適度な弾力を与えている金属(内バネ)が、真っ先に破損します。

最重要部分には何の問題もないのに、その聴診器は使えなくなり、廃棄せざるを得ません。

これって、聴診器メーカーの謀略ではなかろうかと、いつも思います。

医師が通常使っている、いちばんポピュラーな聴診器は、「リットマン」と呼ばれる構造のものです。

リットマンにもピンからキリまでありますが、学生時代も研修医時代も今も、私はリットマンを使っています。

しかし1997年から約10年間、HP製の「ラパポート」型聴診器にハマった時期があります。

リットマンよりも古風で、重くて、精密で、マニアックな雰囲気があったからです。

というよりも、テレビドラマ「ER緊急救命室」に出てくる医師たちのHP製聴診器が、格好良く見えたのです。

HPの聴診器は外バネなので、破損はしにくいのですが、なぜかだんだん聴こえが悪くなってきます。

学生時代に、内科の某教授が使っていたのは、さらにクラシカルな聴診器でした。

チェストピースはおそらく象牙で、そこから異様に長いゴム管が2本伸び、その先を両耳に差し込みます。

2本のゴム管をつなぐバネがないので、おそらく最も破損しにくい聴診器と、言えなくもありません。

マイクロホン付き聴診器は、今はまだ邪道のようなものですが、性能も使い勝手もどんどんよくなるでしょう。

手に持つのはチェストピースだけ。耳にはBluetoothのイヤホン。そんな聴診スタイルになるかもしれません。