酸素吸入と火災

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1386.html" target="_blank" title="毎年この時期">毎年この時期</a>、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1553.html" target="_blank" title="禁煙外来">禁煙外来</a>の集計報告が義務づけられています。当院の、昨年度の禁煙成功率は62.5%でした。

ただし、禁煙が成功しても、その半年後とか1年後に、また喫煙を再開してしまう方も、ときどきいます。

1本だけ、という気持ちでタバコに手を出せば、ほぼ確実に、その1本がきっかけで喫煙生活に逆戻りです。

喫煙にはさまざまな害があります。

昔は肺がんなどがメインでしたが、最近は、心臓病やがん以外の肺疾患の問題も強調されています。

「慢性閉塞性肺疾患」は、その代表格。ヘビースモーカーの高齢者に多い疾患です。

これを横文字では「COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)」と言います。

以前は同じものを「COLD(Chronic Obstructive Lung Disease)」と言っていました。

“Plumonary”も “Lung”も、どちらも肺の意味です。

COLDは発音しやすかったのですが、「風邪」の COLDと紛らわしいので、 COPDになりました。

COPDなのにまだ喫煙している方は、即刻禁煙しなければなりません。ところがそれが、難しいようです。

COPDが進行すると、在宅酸素療法(HOT)を導入することになります。

酸素濃縮装置とつないだチューブを鼻孔の下に装着し、酸素を吸います。現在16万人が行っているそうです。

そんな患者さんの中に、酸素を吸いながら、なおかつタバコも吸おうという強者がいるようです。引火します。

今年1月から4月までに、HOT中に焼死した方は3人。そのうち2名で、タバコからの引火が疑われています。

鼻の周囲から発火するのです。想像を絶する惨事です。絶対に防ぎたい事故ですね。