エアバッグ

愛車がリコールです。エアバッグの不具合です。ただし、タカタのリコール騒ぎとは、別問題。

タカタの場合は膨張装置の異常ですが、私の車では、コントロールユニットに問題があったようです。

基盤の「不適切な洗浄」のために、素子間が通電(ショート)してしまう可能性があるとのこと。

「最悪の場合、衝突時にエアバッグが展開しないおそれがある」と、資料にあります。怖い話です。

それにしても、世の中の交通事故で、エアバッグはきちんと開いているのでしょうか。見たことないですが。

衝突して搭乗者が頭をぶつける前に、バッグが完全に開くという、その瞬時のメカニズムがすごいですね。

センサーが衝撃を感知し、コントロールユニットが判断し、火薬に点火、着火してガスが出て膨らむわけです。

【感知→判断→点火→ガス発生→膨張】簡単に言えば、こんな流れ。これが20〜30ミリ秒で完了すると。

だいぶ異なりますが、北朝鮮からミサイルが発射されたときに警報を出す「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-193.html" target="_blank" title="J-ALERT">J-ALERT</a>」を思い出しました。

【感知→判断→送出】を1分以内に完了するものですが、前にも書いたように、うまくいきませんでしたね。

なにしろ、判断するコントロールユニットが「官邸」というのがネック。律速段階となりました。

自転車で以前、転倒したことがあるので、自転車用のエアバッグには興味があります。市販されています。

マフラー型で装着は簡単。地面などに頭部をぶつける時までには、頭頸部全体をエアバッグが覆ってくれます。

ちょっとした転倒でも、すぐ作動するようです。うかつに作動させたら、恥ずかしいことになりますね。

一度作動したら再利用不可。税込5万4千円也。つまり、転倒1回に付き5万4千円の出費です。さあどうする?

ニホニウム

「ニホニウム(nihonium)」・・・そう来ましたか。

理研の森田氏ら、日本人が初めて発見した「新元素」の名称(案)は、少し意外でした。

「ジャポニウム(japonium)」かと予想していましたが、 “Japan” が日本語ではないので避けたようですね。

日本にこだわりたいから、「ジャパン」よりも「ニホン」なのだと。たしかに「ニホン」の方が日本的です。

ただ、「日本国」の中国読みが「ジパング」の元になった経緯を考えると、ジャパンもニホンも元は同じかも。

「ニッポニウム」は、1902年に日本人が発見して、後にその存在が否定された「幻の元素」名です。

混乱を避けるため、一度使用された名前は二度と申請できない、というルールがあるとのこと。

これはとても重要なことだと思います。科学の進歩によって、これまでの常識が覆る可能性があるからです。

たとえば、1902年のニッポニウムの実在があとで証明されたら、ニッポニウムが2つになってしまいます。

元素名はラテン語読みが基本。となれば<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-931.html" target="_blank" title="ローマ字">ローマ字</a>とほぼ同じ。日本人にとっては、読みやすくて好都合です。

でも米国人は、 “nihonium” を「ナイホニアム」と読みそうな気がします。Nikonを「ナイコン」と言うし。

113番のニホニウムの他に、今回3つの元素の名称が提案され、ニホニウム同様、意見公募期間に入りました。

115番 “moscovium”:「モスコビウム(モスコヴィウム)」と読むのでしょうか。モスクワ由来ですね。

117番 “tennessine”:由来はテネシー。読みがわかりません。「テネシーネ」?「テネジーン」?

118番 “oganesson”:ロシアの科学者の名にちなんだようです。「小金さん?」

これによって、元素周期表にあった欠番が埋まり、連続118番までの元素が揃いました。

当然、理研の次の目標は、119番元素の発見(作ってから観測して立証する)ということになりますね。

名前は「ショーボシウム」か「キューキュリウム」あたりでいきましょうか。

アマリリス

地震の少し後、わが家には新しい家族、フレンチブルドッグの「花」ちゃんがやって来ました。

子犬なので、やたらとはしゃぎ回ります。ジャンプしまくりです。ときどき二足歩行します。何でも噛みます。

噛ませるために与えたオモチャ以外のものを、おもに噛みたがります。カーテンとか飼い主の手などです。

最近は、やっと芽を出したばかりのアマリリスの、その芽を噛んだので、アマリリスは疎開させました。

「花」の話は後日書くとして、今日はアマリリスです。しかも歌の方。あの、ルイ13世が作曲したってやつ。

子どもの頃に習ったアマリリスの歌は、あまりにも単純すぎて、忘れようもありませんね。

フランス国王・ルイ13世って、調べてみたら、17世紀のヨーロッパに「かつら」を広めた人物らしいですね。

一説には、心痛のため脱毛症になってしまったのを隠すため、かつらをかぶったとか。

その国王の心情を察して、家臣たちもみなかつらをかぶり、次のルイ14世がさらに広めていったとのこと。

18世紀にはヨーロッパ中の貴族たちが使うようになったものの、フランス革命後は、廃れていったそうです。

音楽室の肖像画を思い出すと、バッハやヘンデルはロン毛のかつら、モーツアルトは短いかつらでした。

モーツアルトの頃が、ちょうどかつらの衰退期だったのでしょうか。作曲家の髪型も、時代を反映しています。

そのヘンデル級のロン毛かつらを、英国の裁判官たちがいまだに使い続けていることには、まったく驚きます。

さすがに2008年から、かつら着用は縮小されたとか。理由は「時代遅れ」。ウケる。

ただし刑事法廷では、いまだにかつら着用中。被告が裁判官の人物特定をできなくするためだと。なるほど。

(註記)今日も話題がずれましたが、これが私のスタイルなので、ご容赦願います。

ら抜き言葉へのシフト

「離乳食は食べれてますか?」診療中の問診で、私がよく使う「ら抜き」表現です。

「離乳食は食べられてますか?」という正しい言葉遣いでは、違和感を感じるので使いません。

「ら抜き言葉」は、「可能」と「尊敬」を区別しやすくするための、自然な流れだともいわれています。

私も最近はそう思うので、ら抜きを誰かが使っても、いちいち目くじらを立てたりしません。

たとえば、夕方5時には帰宅したいと思っている従業員が、上司にこう尋ねたとしましょう。

「5時には帰れますか?」「5時には帰られますか?」

前者がら抜き、後者が正式。前者の方が伝わり易く、後者はまるで上司の予定を尋ねているみたいです。

「ミルクは飲めてますか?」これも診療中によく使いますが、ら抜きではありません。

「飲む」の可能形「飲まれる」が縮まって「飲める」になった、可能動詞といわれるものです。

「ミルクは飲めれます」と答える方がときどきいます。文法的には間違いですが、気持ちはわかります。

ら抜きが間違いという思いからか、不要な「れ」を付けてしてしまったのでしょうか。

「ミルクは飲まれます」と言う人は、もうほとんどいませんね。

使いやすい可能動詞「飲める」があると、元々の動詞「飲む」の可能形は、どんどん使われなくなるようです。

「この水は飲まれません」という表現は、まだ使われているかもしれませんが、昭和の臭いがしますね。

6月6日は楽器の日

手の指を折って数を数えるとき、ふつう親指から折り始めますが、私は子どもの頃、違う方式でした。

まず最初に手をグーにして、1で小指を立て、2で薬指を立てる、という順番で、次々に指を立てていきます。

5まで数えると、パーの手になります。で、その次の6は、親指から折り始め、10のときにグーに戻ります。

あるとき友達に、その手順はおかしいと指摘され、以後、最初はパーから始める一般的な方式に矯正しました。

そう言えば、パーから始めて5まで数えて手がグーになると、次の6で親指を立てる友達もいましたね。

その場合、握ったグーの中から親指を引き抜くように立てなければならず、6を数えにくいのが難点です。

標準的には、パーの状態で親指から折り始めて、5でグーになったら、次の6では小指を立てます。

その、6のところで小指が立つことを、「子が自立する」と例えたんですね、昔の人は。

というわけで、6歳から、さらに言えば6歳の6月6日から、芸事を始めると良いと言われるようになったとか。

それから派生して、今日6月6日は、「楽器の日」「邦楽の日」「いけばなの日」になりました。

6月6日の時点で6歳といえば、多くは小学1年生。そりゃ、たいてい何か始めるタイミングでしょう。

ただし4月2日から6月6日までの誕生日のお子さんは、年長さんの時にその日が来るので、注意します。

民法を厳格に遵守するご家庭であれば、明日が誕生日の年長児は、今日すでに6歳なので対象年齢です。

ていうか、こういう語呂合わせ的な発想って、日本人は好きですね。たぶん中国人はもっと好きでしょう。

ちなみに私の昔のカウント方式だと、芸事始めは1月1日ということになります。

キクラゲ

NHKの番組「うまいッ!」が、今朝とり上げていたのは、鹿児島・沖永良部島の「キクラゲ」。

好きでも嫌いでもない食材ですが、それは私が、美味しい生キクラゲを食べたことがないからかもしれません。

しかしその当て字「木耳」は、以前から気になっています。まあ、耳(耳介)の形に似てるからでしょうけど。

キクラゲの学名は、Auricularia auriculaです。 “auricle” とは、医学用語で「耳介」つまり耳の意味です。

英語では “Jew's Ear”(ユダの耳)というそうですね。由来は省略。

いずれにしても、キクラゲが耳に似ていることは、世界の誰もが認めていると考えてもよさそうです。

ところが、辞書で「木耳」を引くと面白い。意味は大きく2つ。

(1)キクラゲ。形が人の耳に似ているから。

(2)人の耳。形がキクラゲに似ているから。

いや、おかしいでしょう。

キクラゲが人の耳に似ているから木耳と書き、そのキクラゲに似ているから木耳は人の耳の意味だと。

これじゃあ、卵が先かニワトリが先か、みたいな堂々巡りです。

辞書には(2)の用例として、坪内逍遙の「小説神髄」の、次のような一節があげられています。

「其所見を著者の木耳に聞かしめたまわば」

う〜ん。耳の意味で「木耳」と書くのは、どうも違和感がありますね。しかしこれを「キクラゲ」と書くと、

「其所見を著者のキクラゲに聞かしめたまわば」

ああ、面白い。しっくりくる。つまり(2)の意味では、「キクラゲ」とカナで書くべきなのです。

さらに言えば、馬と木馬とか、刀と木刀のような違いを、耳と木耳にも感じます。なので(2)は、

(2)人の耳。形がキクラゲに似ているから。しばしば、役に立たない飾りの意味で用いる。用例としては、

「てめえら、キクラゲの穴ぁかっぽじって、よーく聞きやがれ」

恋のナンチャラ

「恋の、カビ・プロテクト運転を行います」

もう何年も前から、ときどき洗濯機の方から聞こえてくる、きっと聞き間違えている音声ガイダンスです。

「恋の、カビ・プロテクト運転」って、なんか「恋のマイアヒ」を思い出すような、楽しげな響きですよね。

以前「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1693.html" target="_blank" title="検索しない楽しみ">検索しない楽しみ</a>」があると書いたように、こういう疑問は、解明するのがなんとなくもったいない。

でも先日、正しい音声内容がわかってしまいました。「恋の」ではなくて「ピコイオン」でした。な〜んだ。

東芝が、パナソニックの「ナノイー」に対抗して押し出している、二番煎じか三番煎じのアレですか。

英語の “pico” は、頭にアクセントがあって、「ピーコウ」とか「パイコウ」のように、発音します。

なので「ピ」の部分を聞き逃したりはしません。

ところが日本語の「ピコイオン」は、「カブトムシ」と同じような「中高型」のアクセント。

しかも語頭が「パ行」なので、よけい聞き取りにくく、アクセントのある「コイ」が際立つのでしょう。

そうえいば英語では、語頭の “p” の音を発音しない単語が、よくありますね。とくに医学用語に多い。

心理学 “psychology” は「サイコロジー」だし、肺炎 “pneumonia” は「ニューモニア」です。

しかしドイツ語では、心理学 “Psychologie” は「プシヒョロギー」。語頭の “P” も、律儀に発音するのです。

ついでに「ヒョロギー」のところで脱力しそうになりますが、私はその発音、わりと好きです。

馬力を表す単位「PS」の「P」は、ドイツ語で馬の意味の “Pferd” で、「プフェルト」のように発音します。

“Pf” で始まるドイツ語の単語はけっこう多く、「プフ」を正しく発音するのは、なかなか難しいです。

本当は「プフ」ではなく、「フ」を言う準備をして唇を閉じて「プ」と言う感じ、だとか。できんけど。

人間ドックとコスト

「人間ドッグ」と言う人が時々いますが、間違いです。それでは「人間犬」です。正しくは「ドック」です。

「ドック」は本来、船舶の「製造」や「修理」などを行う場所ですが、人間ドックで行うのは「点検」です。

点検によって不具合(病気)が見つかった場合、必要ならその治療を行うことになります。

しかし生活習慣病については、その基準に<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-943.html" target="_blank" title="異を唱える意見">異を唱える意見</a>が出ており、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1482.html" target="_blank" title="面倒なこと">面倒なこと</a>になっています。

さらにガン健診も反論のある分野なのですが、私はやはり、早期発見早期治療を希望します。

そんなわけで今日は久々に、「PET-CT検査」を受けました。ガンを見つける検査ですが、問題もあります。

(1)被曝する

(2)すべてのガンが必ず見つかるとは限らない

(3)高額

こういった検査に否定的な人は、しばしば社会全体の検査コスト、とくに費用対効果を問題にします。

たとえば、人間ドックでガンが見つかった、という人が100人に1人いたとします。総費用は10万円とします。

その1人のガンを見つけるために、10万円x100人=1千万円かかったと、そういう計算になります。

しかし私は、そうは思いません。ガンが見つからなかった人も、安心を得ることができたからです。

医療コストを考えるとき、治療につながらなかった検査は無意味だと考えがちですが、そうではないのです。

現に私はいま、何も見つからなかった検査で、ちっとも損をした気分にはなっていません。

「新しい判断」

久々に「魔法の言葉」を聞いた気がしました。発言の主は、安倍首相です。

まずは、消費税増税の延期を表明した安倍首相の、発言の変遷のおさらいから。

「再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします」という、力強い発言が1年半前。

「景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします」とも言ってたのですが、

「リーマン・ショック級、大震災級の事態にならない限り、予定通り引き上げていく」と例外条項を示し始め、

「リーマン・ショック前の状況と似ている」との判断によって増税延期を決意した挙げ句、

「私が『リーマン前に似ている』との認識を示したとの報道があるが、まったくの誤り」と発言を否定し、

「リーマン・ショック級の事態は発生していない」と昨日は、全体の流れを根底から覆す始末。

「二枚舌」と批判されていますが、安倍首相に言わせれば「新しい判断」だそうです。

増税を再延期しないと決めたのは、1年半前の判断であり、このたび再延期すると決めたのは「新しい判断」。

既定方針に拘泥することなく、常に的確な状況分析を行い、適切な判断を新たに下した、というわけです。

「約束を守れませんでした」と言う必要はありません。「新しい判断を下しました」と言えばいいのです。

誰が考えたんでしょうね、この論法。

接種控え対策

新たな定期予防接種が導入される直前には、そのワクチンを任意接種をする人が減ります。「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-760.html" target="_blank" title="接種控え">接種控え</a>」です。

すぐに無料になるのがわかっているワクチンを、わざわざ有料の時に打ちたくない気持ちはわかります。

しかしそれは、感染予防の観点からは問題。接種が遅れれば、免疫獲得も遅くなってしまいます。

10月から始まる「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1691.html" target="_blank" title="B型肝炎ワクチン">B型肝炎ワクチン</a>」の定期接種の対象は、0歳児。新生児でも接種できるワクチンです。

B型肝炎ウイルスは、保育園・幼稚園などで、唾液・汗・涙などを介して感染することが知られています。

やがて無料になる予定のワクチンを、いったい、いつ接種すべきなのか? 今でしょう(ベタですみません)。

接種控えを防ぐため厚労省は、定期接種開始時における接種対象者に、制限を設けました。

今年4月生まれ以降の赤ちゃんのみを、対象とすることにしたのです。

3月までに生まれたお子さんは、10月の時点でたとえ0歳でも、定期接種の対象ではありません。

じゃあなぜ4月生まれからOKにしたのか、と言えば、厚労省得意の、机上の空論があるからです。

規定では、接種は全部で3回。2回目は1回目の4週間後以降、3回目は1回目の20週間後以降となっています。

接種をテキパキと進めていくと、約5カ月ほどで、3回目の接種まで終えることができます。

4月生まれのお子さんなら、10月から接種を始めればちょうど3月までに完了できる、という計算です。

つまり厚労省は、4月生まれのお子さんが10月まで接種控えをすることを、黙認あるいは推奨しているのです。

これは大問題です。おそらく今後しらばくは、乳児早期の接種が減るでしょう。困ったものです。

こういうものは、やると決めた時点で、即日開始するのが最善。そうでなければ、必ず混乱を招きます。

予算の問題があるんでしょうが、そんなことは、償還払いなどの工夫で何とでもなります。要は、やる気です。