水銀血圧計の行方

水銀血圧計や水銀体温計は廃棄する方向に向かっている、と書いたのは<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1527.html" target="_blank" title="半年前">半年前</a>のこと。

当院が保有していた水銀血圧計も、今年1月に、医師会による回収事業を利用して処分しました。

血圧計1台につき2,300円ほどかかる回収費用のうち、半額を県が補助するという、お得なプランでした。

申し込んだ後になって、県が補助率を3割に引き下げてきたのにはムッとしましたが、まあ、しょうがない。

熊本県内ではこのたびの事業で、3,646台の血圧計と、8,428本の体温計が回収されたそうです。

当院の水銀血圧計の処分が、無事完了したと、先週報告書が届きました。

産廃業者S社が引き取った後、日通とJR貨物によって運搬され、野村興産イトムカ鉱業所で処分したとのこと。

イトムカ?

漢字で「伊都向」だと、九州にありそうな地名ですが、カタカナで「イトムカ」なので、北海道っぽいですね。

調べたらやはり、北海道の北見市にありました。当院の血圧計も、なかなか長旅をしたものです。

九州の水銀血圧計を、わざわざ北海道まで運んで処分した理由は、イトムカにありました。

イトムカとは、アイヌ語で「光り輝く水」の意味だとか。それって「水銀」のことじゃないですか。

イトムカ鉱業所は、かつては東洋一の水銀鉱山だったそうですね。いまは大規模な水銀リサイクル工場です。

日本国内で現在、鉱山からの水銀産出はなく、蛍光灯などに使う水銀はすべて、リサイクル水銀です。

年間消費量が10トン以下なのに、リサイクルで得られる水銀が、約100トンあるそうです。

ところが1960年代には、世界の水銀生産量の2割以上、年間2000トンも、日本が消費していたとのこと。

高度成長期の日本って、けっこう無茶やってたんですね。

父の日

「父の日」に関連して昨日、実家の父と電話で会話したからなのか、昨夜見た夢にも、父が登場しました。

昨夜はまた、そこそこに揺れた余震があり、さらに未明からは、ひどい雷鳴と共に大雨が降り出しました。

「地震・雷・火事・親父」のうち3つまでが、一晩の間に登場した格好です。「火事」は必要ありません。

4つ目の「親父」は「大山風(おおやまじ)」で台風の意味だ、という説もありますが、私は採用しません。

恐ろしいモノのトップ4を並べたこの表現の、用例を探して辞書を引くと、太宰治が出てきました。

「地震雷火事親爺、それ以上に怖い戦争が起ったなら先づ山の中へでも逃げ込まう」(『思ひ出』1933年)

ちょうど今日、6月19日は「桜桃忌」。太宰の遺体が発見され、それが奇しくも太宰の誕生日だった日です。

太宰の時代に恐怖の対象だった戦争は、いまだとテロでしょうか。

地震など、ちょっと前までは他人事で、私はあまり怖れていなかったのですが、いまや断トツの恐怖です。

雷は、子どもの頃には単純に怖かったものの、いまは電子機器への影響や停電が怖いですね。

火事には遭ったことはありませんが、怖ろしいことはよく知っています。

さて親父はどうでしょう。自身が親父になって四半世紀以上経つのに、怖れられるような自覚がありません。

そういえば波平も、昔よりも優しくなったような気がします。いまの親父など、そんなものかもしれませんね。

1日1食生活

1日1食生活を始めて、10年以上たちます。

最近は、ついつい昼にグラノーラとかを食べていましたが、いけませんね。油断してました。

以前も書いたように、私の1日1食はもともと、「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-413.html" target="_blank" title="BOOCSダイエット">BOOCSダイエット</a>」の一環です。

理屈は色々ありますが、以下の条件を全て満たすために私は、1日1食にするしかないのです。

(1)夕食は腹一杯食べたいし、食後には甘いものもタンマリと食べたい。

(2)ビールとかワインなどのアルコール類も、夜は心置きなく飲みたい。

(3)1日の総摂取カロリーは抑えたい。

よく知られていることですが、タモリも、たけしも、Gacktも、福山雅治も、1日1食派です。

同じく1日1食の水谷豊は、「夜には食べたい放題」と言っています。まさに私の言いたいのがこれです。

私の夕食の内容を聞けば、多くの人が「そりゃ食べ過ぎ」と言います。

満腹食べた挙げ句のデザートに、菓子パンとどら焼きとアイスクリームを食べたりするからです。

しかし、以前1日3食を食べていた頃と比べて、夕食の量はそれほど増えたわけではありません。

もともと夕食は、食べ過ぎていたのです。腹八分どころか、言ってみれば、腹十五分ぐらいだったのです。

だから1日1食、夕食だけを摂ることにすれば、朝と昼の食事がなくなった分、摂取カロリーが減るわけです。

このダイエット法は、夜にドカ食いしたい人には、うってつけの方法です。

有名人に1日1食派が多いことが知られるようになって、この方式もようやく、市民権を得つつあるようです。

スマートメーター

九州電力管内の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-698.html" target="_blank" title="電力量計">電力量計</a>にも、ようやくスマートメーターが導入され、切替作業が始まっているようです。

その予備調査のためと言って先日、「九電工から来た」と言う方が来られました。

申し訳ないですが、ここはまず、疑ってかかるべきでしょう。

「消防署の方から来た」というセリフなら、すでに詐欺の定番です。

「九電工の方から来た」とは言わずに「九電工から来た」と言ったのは、うっかりミスかもしれません。

おまけに電力がらみでは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1624.html" target="_blank" title="詐欺の電話">詐欺の電話</a>をすでに、2度受けています。

来られた方はしかし、九電工のユニフォームを着て、名札もぶら下げていました。

それにはたしかに「九電工」と書いてあります。「丸電工」でも「九雷工」でも「九電王」でもなさそうです。

いちおうその場で、メーター切替の日程を決めました。

しかしこれで終わったわけではありません。電話確認です。あえて九電工ではなく、九州電力に電話しました。

すると九電の担当者はしらばく調べた後に、「当社(九電)が依頼した工事で、間違いありません」との返答。

残るは、電話回線が乗っ取られていないかどうか、ですけどね。・・・スパイ映画の見過ぎでしょうか。

今日がその、工事日でした。約束の時間よりもずいぶん早く、「九電工の方」が来られました。

彼の手慣れた作業によって、よく見れば丸っこくて味のあるアナログ型電力量計が、淡々と取り外されました。

その替わりに、いかにも角張って今風の、デジタル表示のスマートメーターが、取り付けられました。

電力消費量は、LTE回線を使って無線送信されるので、今後は、検針作業の方の出番もありません。

子どもの頃によく眺めていた、電力計の中でグルグル回る円盤は、もう目にすることもなくなります。

なぜかその光景が、急に懐かしく、昭和のイメージに思えてきました。

家庭教師

「家庭教師のトライ」のCM。アルプスの少女ハイジのシリーズ。最近は少々、おふざけが過ぎませんか。

今やってるのは、トライの割引の大きさに驚いて、おじいさんがあやうく「昇天」しそうになるやつ。

その昇天シーンが面白くて、ハイジが何度も催促するという、まことに不謹慎なCMです。

そんなCM流すから、社長の母親が昇天したんじゃないの?、と言いたくもなります。

家庭教師と言えば私も、学生時代に2人ほど教えました。ひとりは中学生で3年間。もう1人は高校生を1年間。

あとで振り返ると、2人とも比較的裕福な家の長女というところが共通していました。

残念ながらその2人に対して私は、成績とか学力を伸ばすという意味では、ほとんど役に立ちませんでした。

カリキュラムなんてないし、教える内容も行き当たりばったり。時間配分は、勉強5割、雑談3割、お茶2割。

ただ、勉強に1週間周期のリズムを付けるという、一種のペースメーカーぐらいにはなったかと思う程度です。

予備校や塾と比較すると、家庭教師ではとくに、その教師個人の、教えること以外の能力が重要だと思います。

生徒との相性だけでなく、その生徒の両親も含めた、家族全員とのかかわりが必要だからです。

なにしろ毎週毎週、家庭訪問をしているようなもの。母親と話をしたり、帰る頃には父親とも顔を合わせます。

ときには家族みんなと一緒に夕食をとり、父親と酒を飲み、休日にはBBQなどに呼ばれます。

さまざまな相談に乗り、とくに進路については、子どもの希望と両親の思いのギャップを埋める努力もします。

このように家庭に介入することも、家庭教師ならではの仕事かもしれませんね。

舛添知事辞職

舛添要一・東京都知事はついに、ていうかやっと、ギリギリで、辞職を決断しました。

実際はホントに、セコい小さな罪ですよ。多くの政治家が、似たようなことはやってますって。

昔から「トーゴーサンピン」て言うじゃないですか。それほど政治家は、金の動きが元々、不適切なのです。

決定的な悪事を働いたとは思えない舛添氏が、辞職に追い込まれた原因は、次の2つでしょう。

(1)知事になる前には、政治とカネの問題をいちばん批判していたのに、腐敗政治家と同じことをやった

(2)法律には違反していないと考え、詭弁を弄して何も説明しない不誠実な態度が、市民を怒らせた

逆に言うなら、1カ月前の不祥事発覚直後には、こう言うべきでした。

(1)自分がいちばん批判していたことに、自ら手を染めてしまい、悔やんでも悔やみきれません。

(2)法に反するかどうかは問題ではなく、これは私のモラルの問題であり、いま猛省しております。

(3)生まれ変わったつもりで知事の職を全うしたいが、民意を問うために辞職することも考えております。

このように発言すれば、まあ辞職まではしなくてもいいんじゃないの、という世論が起きるでしょう。

何度も同じようなことを書いてますけど、ホントに舛添氏って、謝り方で失敗しましたね。

「法律違反はしていない。だから逃げ切れる」と考えたのが浅はかだったのです。

「法律違反はしていない。だからこそ安心して、徹底的に説明と謝罪をしよう」と考えるべきでした。

マッコス登場

Appleのイベント「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1344.html" target="_blank" title="WWDC">WWDC</a>16」が開かれました。毎年6月に行われる、おもにOSについての発表会です。

その中でも、Macの新しいOS「macOS Sierra」(とネコ科の関係)について、今日は書いてみます。

2001年に発表された、Macの10番目のOSは、「Mac OS 10」ではなく「Mac OS X」と命名されました。

バージョン10.0には「Mac OS X Cheetah(チータ)」という「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-171.html" target="_blank" title="ネコ科">ネコ科</a>」のコードネームが付けられました。

以後、「Puma」「Jaguar」「Panther」「Tiger」「Leopard」「Snow Leopard」「Lion」と続きます。

2012年の10.8は「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-294.html" target="_blank" title="OS X Mountain Lion">OS X Mountain Lion</a>」。頭の「Mac」がはずれて、単に「OS X」となりました。

さて、次のネコ科は何だろうと思っていたら、コードネームは唐突に、「地名」シリーズに変更されました。

2013年:10.9「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-616.html" target="_blank" title="OS X Mavericks">OS X Mavericks</a>」:北カリフォルニアの海岸の名前。サーフィンの名所だとか

2014年:10.10「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-973.html" target="_blank" title="OS X Yosemite">OS X Yosemite</a>」:言わずと知れた、カリフォルニア州の国立自然公園

2015年:10.11「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1344.html" target="_blank" title="OS X El Capitan">OS X El Capitan</a>」:ヨセミテ国立公園内にある、有名な巨大な岩の名前

2016年:10.12「macOS Sierra」:たぶん、ヨセミテ国立公園のある、シエラネバダ山脈のことでしょう

今回、地名シリーズは維持されましたが、「OS X」が終了して、こんどは「macOS」になりました。

Appleの他のOS、「iOS」「watchOS」「tvOS」と揃えようというのか、小文字で始まる「macOS」です。

“sierra” の語源は「ノコギリ」。転じて、ギザギザの(鋸歯状の)連山のことを “sierra” と言うようです。

なるほど。「前鋸筋」のことをラテン語で “serratus anterior” と言いますが、あの “serra” とも通じます。

シエラネバダ山脈とは、「雪で覆われた(ギザギザの)山脈」という意味のスペイン語だとか。

ギザギザの山といえば、熊本にもありますね。「阿蘇五岳」のひとつ「根子岳(ねこだけ)」です。

五岳で一番高くなりたくて、頭に土を積んでインチキしたら、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1187.html" target="_blank" title="健磐龍命">健磐龍命</a>に叱られたという、あの山です。

健磐龍命に頭を何度も叩かれて、ギザギザのネコのような頭になったので、名前は猫岳です。

「macOS Sierra」とネコ科の接点があるとすれば、これぐらいですか。

才子策に溺れる

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1701.html" target="_blank" title="舛添都知事">舛添都知事</a>を追究する、しかしそれほど期待はできない、東京都議会の集中審議が行われました。

集中砲火を浴びた舛添知事ですが、なんとか踏みとどまって、すぐに辞職するとは言いませんでした。

気力が残っているというよりも、未練がましい。最後には、自分の「延命」を申し出ました。惨めです。

舛添「私は知事の職に連綿としてしがみつくつもりはございませんが、どうか少しの猶予をいただきたい」

まさにその言葉は、しがみついている人間の常套句じゃないですか。

舛添「全ての給料をご辞退申し上げて、全身全霊、都民のため、都政のために働きたいと思っております」

なるほど一見、思い切った発言に聞こえますが、リオ五輪が終了までの期限付きだとか。なんだ、小っちゃい。

では、舛添氏にお尋ねしたい。

今後、全身全霊、都民・都政のために働くのに、無給で良いのなら、過去の給与はどうするおつもりですか。

どちらかと言えば、過去の給与の方こそ、全額返金していただきたい。あ、いや、私は都民じゃないですけど。

今夜の報道ステーションで<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1217.html" target="_blank" title="後藤謙次氏">後藤謙次氏</a>が、舛添氏の一連の言動を、「才子才に倒れる」と表現しました。

「才子策に溺れる」とも言いますが、まさにその通りです。今となっては、取り繕う姿がみっともない。

やはり何事でも、謝るときは先手必勝ですね。

メールでパスワード

「怪しいメールが来た」まず何をすべきか

という件名のメールが来ましたが、まず何をすべきでしょうかね。

差出人が日経の関連サイト(のよう)だったので、安心(あるいは油断)してメールを開きました。

多分、大丈夫(のよう)でしたが、これでウイルスに感染したら、いったい私は何を信じればいいのやら。

先日、それこそ怪しげなメールが、3通まとめて送られてきました。

差出人はすべて「厚労省」。件名はいずれも「特定接種(医療分野)の登録等について」となっています。

「新型インフルエンザ等対策」に関連したメールのようです。しかし、なぜ3通。それらの概略はこうです。

1通目:「本メール送信後に、2通(1. 通知本文、2. パスワード)お送りします」

2通目:「申請のありました(略)について、登録した旨を通知する」

3通目:「管理システム用パスワードは、以下の通りとなります」

ちょうど、FAXのノリですね。まず「表紙」、続いて「本文」、最後に「資料」を送ってきたわけです。

しかし、「パスワードを送ります」と言って、そのパスワードを平文で送ってくるとは、いかがなものか。

パスワードを別送したのは、セキュリティー対策のつもりなのでしょうか。まったく無意味な上に不用心。

いつぞやの、年金情報流出問題後も、厚労省のセキュリティ対策はあまり改善していないようです。

健診前はいつも通りに

生活習慣病の方に血液検査をした場合、とくに大きな問題がなければ、翌月の来院時に検査結果を説明します。

この最近の1,2週間は、ちょうど震災後の混乱期に検査をした方々への結果説明が続いています。

多くの方で、糖尿病や高脂血症の数値の悪化が見られました。それを本人に伝えると、

「カップ麺やら炭水化物ばっかり食べよりましたもんねぇ」との返答があり、「ですよね」と私も応じます。

だいだいこのような会話が、このところ毎日繰り返されています。

地震直後の今回は特別としても、通常はこれではいけません。

「いま忙しくて運動する暇がないのです」と言う方は、たぶんこの先も、ずっと忙しいはずです。

「最近残業続きで」と言う方の「残業」は、残念ながら今後も減るとは思えません。

「飲み会が続いてたので」と言う方の「飲み会」についても同じこと。飲み会は、なくなりません。

多忙な毎日を送っている人は、その多忙な毎日における体調こそが、重要です。

不摂生な生活の人は、その不摂生な状況のままで検査をしなければ、正しい評価はできません。

人間ドック等では通常、絶食で検査に臨むため、血液検査も空腹時に行われます。

しかし、異常の早期発見が健診の目的とすれば、食後に検査を行う方が、理にかなっている面もあります。

欧州の学会で最近、中性脂肪など脂質代謝の検査は、空腹時にこだわらない実施が提唱されました。

血糖や血圧など、生活習慣病に関連する多くの検査で、同じことが言えます。

健診の直前の数日間だけ、断酒したり摂取カロリーを控えたりする人がいますが、それでは本末転倒なのです。