強制アップデート問題

Windows 10への「強制アップデート」問題。外野(Macユーザー)から見ても、変なことになってますね。

とくに問題なのが、アップデート画面を「xボタン」で閉じても、アップデートされてしまうという点です。

Microsoftは、ようやくこの点を改善して、xボタンでキャンセルができるようにするみたいですね。

そりゃそうでしょう。xボタンはもともと、そのソフトを終了するときに使うんでしょ?

そのWindowsのウインドウ右上の赤い「×ボタン」に相当するのが、Macでは左上の赤い「丸ボタン」です。

Windowsでは事実上の終了ボタンですが、Macでは、ソフトは終了せずに作業中のファイルだけが閉じます。

その点に、WindowsとMacの設計思想の違いを感じます。Macでは、作業ファイルの独立性が高いのです。

などと言ってる私も、ときどきWindowsを使うので、つい先日、強制アップデート画面に見舞われました。

キャンセルしようとして、あちこちクリックしているうちに、ついにアップデートが始まってしまいました。

諦めて眺めていると、しばらくして、「このPCではWindows 10を実行できません」との警告画面が出現。

私の場合、Mac上で起動しているWindowsなので、きっと何か不都合が起きたのでしょう。

勝手にアップデートを始めて脅かしておきながら、実行できませんと文句を付けてくるとは、ふざけた話です。

アクセント新辞典

NHKでは、放送におけるアクセントの取り決めとして、「NHKアクセント辞典」というものを作っています。

アクセントの統一は、全国の全世代の人たちの、なるべく多くの方が、聞いてすぐ理解できるのが目的です。

辞典の初版が発行されたのが昭和18年。今回は18年ぶりに5回目の改訂が行われ、第6版が発行されました。

税込5,400円。NHKのサイトを見るとなんと「入荷待ち」。「増刷中につき7月末頃のお届け」とのこと。

ならばAmazon、と思ったのにこちらも「一時的に在庫切れ;入荷時期は未定です」と。

中古品ならありましたが、最安値の店でも送料込みで6,547円。高い店だと12,000円以上。ひどい話です。

全国のNHKと民放のアナウンサーが買うかもしれない辞典ですよ。次の改訂はどうせ、10年以上先ですよ。

最初から、もうちょっと多めに刷ったって、いいんじゃないの?、NHKさん。

しょうがないので、注文するために近所の紀伊國屋書店に行ったところ、なんと、1冊ありました。

熊本での売れ行きは、あまり良くないようです。

さて、真っ先に確認したのが「電車(デンシャ)」のアクセントですが・・・

予想通り、最も推奨する(第1)アクセントは平板型「低高高」でした。頭高型「高低低」は第2アクセント。

2年前に第2版が出た金田一春彦の「日本語アクセント辞典」(三省堂)ではまだ、頭高型が第1だったのに。

昭和の発音が、どんどん消えていきますね。しょうがないけど。

国民投票の信頼性

英国では国民投票の結果、EU離脱が選択されました。投票率72.2%、離脱51.9%、残留48.1%。僅差です。

残留派は投票結果に不満だし、離脱に投票した人たちも含め、多くの国民が後悔しているという後味の悪さ。

投票結果は絶対のはずですが、国民投票のやり直しを求める署名はすでに、395万を超えています。

タカをくくって投票に行かなかった残留派や、深く考えずに離脱に投票した人たちも大勢いるのでしょう。

やり直したら、結果が変わるのでしょうか。もしそうなら、もはや国民投票に信頼性など無いようなもの。

衆愚政治とまでは言いませんが、それにしても、国民投票というものの怖い側面を見た気がします。

「大阪都構想」の是非を問う昨年の大阪市の住民投票は、賛成49.6%、反対50.4%。投票率は66.8%でした。

大阪では、既成政党(自民・公明・民主・共産・社民)がこぞって反対し、賛成派は大阪維新の会のみ。

各政党支持者の投票率は高かったと推測されるので、投票しなかった市民の多くは、無党派層でしょう。

しかし無党派層の中には、どうせ投票しても何も変わらない、と考えて投票に行かなかった方も多いはず。

ニュースを見ていたら、賛成派なのに投票に行かず「行っときゃ良かった」と悔やんでいる人が出ていました。

これなどは、英国のEU残留派と似たパターン。結局、住民投票を甘く見ていたわけです。

安倍政権は、憲法改正は国民投票で承認するのであり、国会はそれを発議するだけだ、と言っています。

しかしその国民投票は、憲法上「最低投票率」の制限がありません。今それが急に、気になっています。

歩きスマホは危険

「歩きスマホ」が原因の列車事故を受けて、改めてその危険性を、今朝のテレビ番組でも取り上げていました。

でもこれだけ社会問題になっているのに、いまだによく見かけますよね、「歩きスマホ」。

どうかすると「自転車スマホ」の若者もいるし、いい大人だって、ときどき「自動車スマホ」してますね。

運転中にスマホなど、私は絶対にしませんが、考えてみると、似たようなことはしてるかもしれない。

たとえばカーナビとかカーエアコンの操作。あるいはカーステレオ(って、今も言いましたっけ?)。

これらを扱うことも、運転中は最小限にしなければなりません。スマホだけの問題じゃないですね。

NHK放送文化研究所の塩田雄大氏が以前、「スマホ歩き」はなぜいけないか、というコラムを書いています。

これは複合語のお話。「歩きスマホ」は正しいけれど、「スマホ歩き」は間違った表現だというご指摘です。

複合語は、後ろの言葉が主要部で、前の言葉はそれを修飾するものだというのが、塩田氏の説明。

「スマホ歩き」と言うと、歩くための手段としてスマホを使っていることになる、というわけです。

たとえばそれは、2台のスマホを両足裏に装着して歩くようなことだというのです。

う〜ん、賛同できませんね。だとしたら、「歩きスマホ」は、スマホを使うための手段として歩くわけ?

「歩きスマホ」=「歩きながらのスマホ」であり、「スマホ歩き」=「スマホしながらの歩き」ですよ。

危険なのは、スマホしながらの「歩き」であって、歩きながらの「スマホ」じゃないでしょう。

Google検索で分析

日経のコラム「現代ことば考」は、いつも楽しく読んでいます。

今日は、方言にまつわる土産の数の全国分布が、「真ん中が高く、ヘリも高い」、灰皿に似ているという話題。

中央(近畿)と周辺(東北・九州)で多い、というのを「灰皿」に見立てるとは、面白い。

著者の井上史雄氏は、「どうしてだろう」なんて言ってますが、私はそれほど不思議とは思いません。

要は、日本の言葉が東京中心ということでしょう。

方言が面白いのは、標準語との乖離の大きさゆえ。東北と九州は当然、その地位にあります。

一方で近畿地方は、もともとは日本の中心であったとの自負から、言葉も東京とは敵対関係にあります。

だから自ら、標準語とは異なる、本来の日本の言葉を押し出していると、私はそう理解しています。

このような方言や言葉遣いの調査を行うとき、井上氏はしばしば、インターネット検索を使っています。

用例数をカウントしたり、使用頻度を調べたりするわけです。たしかに便利で合理的です。

しかし、民間企業のサービスに、これほどの権威をもたせてよいものか。なにか怖ろしいものを感じます。

NHKもそう。放送用語を決定する<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1583.html" target="_blank" title="放送用語委員会">放送用語委員会</a>で、ネット検索を利用しているのです。

たとえば最近の委員会の議事録に、“chaser” の発音・表記をどうするか、という議論がありました。

“chaser” とは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-583.html" target="_blank" title="ラフロイグ">ラフロイグ</a>をロックで飲むときなどにノドと食道をいたわるための、お冷やのことですね。

主だった国語辞典の「主見出し」では、「チェーサー」もあるけど「チェイサー」の方が主流のようです。

しかし、同じ発音部分をもつ外来語には、「チェーン店」のような用語例も多い。さて、どうする。

そこでネット検索が登場。結果、「チェイサー」90%、「チェーサー」10%。よって「チェイサー」を採用。

なお、検索においてはトヨタの乗用車「チェイサー」は除いたとの注釈あり。その細かさがウケる。

超迅速代謝者

飲酒して、血中アルコール濃度が上昇すると、「酩酊状態(いい感じ)」になりますね。

そのアルコールが肝臓の酵素ADHにより代謝され、アセトアルデヒドに変わると「不快な酔い」になります。

アセトアルデヒドはALDHによって代謝され、さらに分解されて、最終的には水と二酸化炭素になります。

酵素のこまかい種類は抜きにして、ここは話を単純化し、ADH(A)とALDH(B)の個人差を考えてみます。

(1)Aが強く、Bも強い人:ガンガン飲めて、あまり酔わない

(2)Aが弱く、Bは強い人:酔っ払うけど、楽しく飲める

(3)Aが強く、Bは弱い人:飲んでも酔えず、気分が悪いばかり

(4)Aが弱く、Bも弱い人:飲み始めは楽しく、あとで悪酔いする

医薬品も、それぞれ特定の酵素によって体内で代謝(処理)され、やがて排出されます。

酵素の働きは、アルコールと同様に個人差があります。しばしば遺伝的素因が影響します。

なかには、特定の代謝酵素の力(活性)が異常に高い人がいます。これを「超迅速代謝者」といいます。

医薬品の成分Xが、ある酵素で代謝されてYになる場合、超迅速代謝者ではXがすぐにYに変わってしまいます。

そのため薬物Xとしての作用はきわめて小さくなり、そのかわりに薬物Yの作用が強く現れたりします。

よく問題になるのが、咳止めの成分「コデイン」です。市販の「アネトン」などにも含まれています。

これを「超迅速代謝者」が内服すると、コデインの多くがモルヒネに変わり、副作用が出やすくなります。

午後5時の時報とともに速攻で退社する人は「超迅速退社者」でしょうか。思いついたので書きました。

ホッチキス

生垣の剪定作業後に、汗を流そうと浴室に行ったら、そこはサウナ状態。浴室乾燥機が作動中でした。

かまわずシャワーを浴びたら、よけい汗が出ました。浴室に干してあった洗濯物がどうなったかは知りません。

その浴室乾燥機なんですけどね。メーカーは「MAX」。あの、ホッチキスを作っている会社です。

調べてみたら元々は、戦時中に零式戦闘機の尾翼部品メーカーとして発足した会社とか。幅広いですね。

ホッチキスの歴史だとか、名称についての話も面白いのですが、どうせ受け売りになるので割愛します。

小学生の頃、ホッチキスで綴じてある書類を初めて目にして、上手くできているものだと感心したものです。

表にはスッと直線状の、裏にはカーブの付いた2つの金属片が、顔を出しています。

そのカーブのおかげで、針の先が紙に埋まる方向に向くので、手を傷つけたりすることがないわけです。

ある晩のこと。わが家にもついに、その斬新な事務用品がやって来ました。昭和40年代前半でしょうか。

針が出るところに触ると危ないよ、と親から注意を受けましたが、そう言われると、よけいに興味が湧きます。

よく見ると、針が出てきそうな穴がありますが、どのように針が飛び出してくるのか、その仕組みを知りたい。

もしもその、針の出口と思われる部分を、指で押したら、何が起きるのか。

その好奇心についに勝てず、親指でグイッと押し込んだら、針が根元まで、指に突き刺さったのでした。

とても痛かった。痛かったのですが、その痛みよりも勝ったのが、針の状態への興味でした。

指に突き刺さった針を、おそるおそる抜いてみると、その先端は真っ直ぐなのです。曲がってないのです。

「そうか、針は真っ直ぐに出てきて、紙を突き抜けた後で、反対側の溝にぶつかってクルッと曲がるんだ」

メカ好きの少年としては、大いに満足したのでした。身をもって知るというのは、こういうことでしょう。

シンギュラリティ

ソフトバンクの孫正義社長は、昨日の株主総会で、社長続投を宣言しました。

後継者まで決めて、来年の60歳の誕生日には引退宣言をするつもりだったそうですが、撤回です。

メディアは「引き際をいつにするか、カリスマと呼ばれる経営者は悩みを抱える」と解説しています。

いやいや、違うでしょう。そんなことは、孫社長にとっては、どうでもいいことなんですよ、きっと。

孫社長は「妙な欲が出てきた」と言ってます。つまり「やりたいこと見〜つけた」ということですね。

「やりたいこと」をやり、「まだやりたい」と思えば続け、「もう十分やり尽くした」と思ったらやめる。

そんな勝手ができるのは幸せな人です。私もそうありたいと願っています。

で、孫社長が「まだやりたい」と「妙な欲」を出したその理由が、「シンギュラリティ」だそうです。

「シンギュラリティ(技術的特異点)」とは、人工知能(AI)が人類を超える時を指す言葉です。

これを境に、AIは加速度的に進化し、もしかすると、AIが人間を支配する時代が来るとも考えられています。

そんな未来は怖いですが、世界中のIT企業等がAIを開発して、結果的にシンギュラリティを目指しています。

最後は、自分たちの首を絞めることになるかもしれないことは承知の上で、もう、進むしかないのです。

この人類史上最大の変革期を、傍観者で過ごしたくない。孫社長はきっと、そう思ったのでしょう。

地球の寿命と人類

「地球の寿命は77億年」という学術論文を紹介した記事が目に付いたので、今日はそこから考えたことを。

この論文では、生命が存在し得る状態での地球、という意味での寿命を、短くて77億年としています。

地球が誕生して、ほぼ生命が存在し得る今の形になったのは45億年前、人類が登場したのは20万年前です。

77億年という地球の寿命を、77歳に置き換えてみると、いま地球は45歳ということになります。

すると人類の登場は、ほんの17時間前という計算になります。地球クンに聞いてみました・・・

「ボク地球です。いま45歳です。気力も体力も充実しています」

「そういえば今朝から、人類とかいう寄生虫が、カラダの表面をモゾモゾし始めて、ちょっと痒いです」

「ついさっきから人類は、汚物を垂らし始めたのに、『地球に優しい』とか言ってます。意味がわかりません」

「どうでもいいけど、今夜中にキレイさっぱり、いなくなってね」

いやいや決して、厭世的な気分になっているのではありません。

ただ、このたびの熊本地震に遭って、どれほど人間が無力なのかと、思い知ったのです。

たとえ人間が、地球に優しい生活を心がけても、地球は何も容赦してくれないことがわかりました。

たぶん、人類の存在そのものが、地球に優しくないのでしょう。

結局、地球にとって人類とは、今朝からモゾモゾしている寄生虫なのです。

スマホがリモコン

よく冷えたビールを飲みたいとき、誰かに頼めなければ、自分で冷蔵庫まで歩かなければなりません。

掃除機は、それを直接手にしない限り、何も操作できません。あ、ルンバみたいなのは別ですが。

一方でテレビやエアコンは、リモコン操作が当たり前になりました。直接本体に触れる機会は減りました。

子どもの頃はしかし、誰かがテレビに近寄って、チャンネルのダイヤルを、ガチャガチャと回していました。

ボリュームの上げ下げも同じ。音量ダイヤルをいちばん最小にして、もっと回すと、カチッと電源が切れます。

親戚の家にある日、リモコン操作のできるテレビが入りました。これには驚きましたね。

その家族全員の視聴スタイルからして、違いました。みんな、テレビから離れて見ているのです。

かようにテレビのリモコンは便利なものですが、それでもこの頃は、不便を感じるようになりました。

そのリモコンが、座っている場所から離れているときです。リモコンのとこまで歩く2メートルが、遠い。

離れたところにあるリモコンを操作するためのリモコンが、欲しいくらいです。

ここで、当然思いつくのは、スマホでテレビのリモコンを操作するアプリ、ということになりますね。

ところが残念なことに、わが家のリビングのテレビは、メーカー純正のアプリに対応していませんでした。

中途半端な「スマート家電」など要りません。外出先から、冷蔵庫の内部が確認できなくても結構。

とりあえず、電源と音量とチャンネル切り替えだけでいいです。リモコンアプリお願いします、東芝さん。