外科医の待遇を改善しよう、と叫ばれて久しく、しかしなかなか、具体的な改善策が軌道に乗りません。
日本外科学会がこのたび、特別企画の中で掲げた「処遇改善計画」というのが、次の3つ。
(1)連続勤務時間を36時間までとする
(2)2週間に1日以上休暇を取る
(3)時間外勤務、手術手当を支給する
連続勤務36時間までは認めることがすでに、弱気です。
しかしこれでも、朝の8時から勤務している者は翌日の夜8時には帰宅できる、という夢のような提案です。
月に1日も休めないようなことは、私も勤務医時代に何度も経験しました。それから考えると2週に1日は贅沢。
それに、休んでいる間の手術や術後患者の状態が気になるのが外科医。休日を堪能できない商売なのです。
現実的で効果的なのは「手術手当」でしょう。これには、佐賀大学附属病院の成功例があります。
佐賀大学では、手術の執刀医には、診療報酬の手技料(技術料)の7%が入るそうです。やる気が出ますね。
助手や看護師にも、それぞれ手当があり、その総計は年額3億円だそうです。
この制度を作ったのは、当時の病院長だった宮崎耕治先生(現学長)。個人的に、よく存じている方です。
「医療者の労力は、使命感と感謝、そして報酬で報いるべき」。これが宮崎先生の持論です。
もちろん、第一に認められるべきなのは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-499.html" target="_blank" title="時間外手当">時間外手当</a>です。でもまっとうに支払ったら、病院が破綻します。
<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1364.html" target="_blank" title="中央官僚">中央官僚</a>自身が長時間のサービス残業をしているこの国で、勤務医が正当な残業手当を望むのは無理なのかも。