車中泊生活とトイレ

余震の頻度も強さも、徐々に弱まってはいますが、まだ避難生活をしている方が多いです。

自宅倒壊の危険はなさそうな方でも、余震の揺れが怖い、という理由で、車中泊を続けているようです。

あとで起きた地震の方が本震だったというのが、どうしてもトラウマなのです。今日も震度4が起きました。

車中泊にはエコノミークラス症候群の危険もありますが、問題はそれだけではありません。衛生上の問題です。

学校の体育館など、自治体が指定した避難所はキャパが限られるので、車中泊をしている人がとても多いです。

当院に隣接するショッピングセンターの駐車場にも、2,3日前までは車中泊の車が留まっていました。

広い駐車場があれば、おのずと避難民が集まります。1万人が集まった駐車場もあるようです。

そのような指定外の「事実上の避難所」は、救援物資の供給が遅れるだけでなく、トイレ設備が足りません。

実際に車中泊を経験した、当院の職員や患者さんの話を聞くと、トイレ事情が悲惨です。

仮設トイレの数が、避難者数に比べて圧倒的に少なく、とくに女性にとっては極めて劣悪な環境とのこと。

仮設便器の周囲は想像を絶するほど不衛生で、駐車場周囲の植込にも、至る所に排泄物が見られるそうです。

排便を我慢して便秘になるだけでなく、排尿したくないので飲水も控えます。

「エコノミークラス症候群の予防のために、水分を十分摂りましょう」などと聞くだけ、虚しくなるのです。

今回のような災害があったとき、駐車場が避難所になる可能性は高いです。駐車場の環境整備が重要です。

ある程度の広さの駐車場があるところには、屋外トイレの設置を義務づける、というのはどうでしょう。