被災したために当院に来院できない患者さんの中には、生活習慣病などの薬が切れる方が、たくさんいます。
このような場合、代理人が当院で処方箋を受け取り、薬局で薬をもらうことができます。
その処方箋すらなくても、自宅や避難所近くの薬局で薬をもらうことが、今回は認められています。
厚労省から、熊本地震に関連した特例が、これまでに通知されています。当院に関係あるものとしては、
(1)保険証がなくても保険診療を受けられる:住所・氏名・生年月日・電話番号などを言うだけでOK
(2)処方箋がなくても保険調剤が受けられる:処方箋は後日発行すればOK
とくに(2)は、なかなか太っ腹な特例です。ただしこれには、条件が付いています。
(A)交通の遮断など、医師の診察を受けられない客観的理由があること。
(B)医師のメモやお薬手帳や薬の包装等によって、処方内容が確認できること。
お薬手帳さえあれば、近隣の薬局で処方を受けられるわけです。ようやく、お薬手帳が役立つ時が来ました。
ところが、この数日の診療では、お薬手帳どころか保険証も何も見つからない、という方にも遭遇しました。
こういった方の、処方薬を継続する方法って、何かないのでしょうか。
マイナンバーカードで処方薬情報を集約しよう、なんて話もありましたが、カードだって紛失しますから。