医学部をこの春卒業して医師免許を取得した女性が、TBSに入社した、というのが話題になっています。
ほとんど臨床経験の無いまま、研究職や行政職に就く「医師」は時々いますが、テレビ局というのは珍しい。
「もともと医療ドラマが好きで、医者になろうって思ったけど、でも本当に好きなのはドラマだった」
彼女のこのコメントを、どうしても私は理解できません。
「もともと野球中継が好きで、野球選手になろうって思ったけど、でも本当に好きなのは野球中継だった」
極端な話、こういうことでしょう。
「医者って格好いい」と言ってはばからない彼女。そのミーハー根性は、ドラマでどのように生かされるのか。
おそらく、一般ウケの良いドラマ作りに貢献するでしょう。つまりそれは、私の嫌いなドラマです。
たとえば外科医が主人公のドラマでは、緊迫した手術シーンの<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1302.html" target="_blank" title="リアリティー">リアリティー</a>が重要です。
ところが、第一線の臨床医が監修しているはずなのに、妙なシーンが多くて閉口します。
そこへ現場を知らない者が、医者ヅラをして制作に携わるようになったら、もっと変なことになりそうです。
良いドラマを作るために、医学部で勉強して医師免許まで取ったと考えれば、それはたいしたものです。
であるならば、せめて5,6年ぐらい若手医師として、現場で患者と向き合ってからでも遅くはないでしょう。
そのような経験を積んでから、ドラマ作りに転向した方が、よほど重厚な作品ができると思うのですが。