人工知能(AI)が創り出した小説が、第3回「日経 星新一賞」の一次審査をパスしたと、話題になってます。
「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」の作品。さっそく、応募作のうち2つを読んでみました。
『私の仕事は』は、意外と面白かった。ありがちな設定なので陳腐化しやすく、何度も使えないでしょうけど。
『コンピュータが小説を書く日』はしかし、ちっとも面白くなかった。いや、負け惜しみじゃなくて。
「星新一賞」といえば、私もその第1回に応募しました。そして敗退した顛末は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-908.html" target="_blank" title="前にも書いた">前にも書いた</a>通りです。
その後、賞の企画者らの内部対立が判明し、嫌気が差したので第2回以降には応募していません。
先日は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1622.html" target="_blank" title="AIが囲碁のプロ棋士に圧勝">AIが囲碁のプロ棋士に圧勝</a>したことが話題になりましたが、小説の場合と共通点がありそうです。
つまり、AIは「総当たり」計算をするのではなく、「創造」をする段階に入った、ということです。
これまでのAIは、膨大な計算を、超高速で処理し、解決策を見つける、いわば「力業」型の知能でした。
これからのAIは、膨大な情報を、山ほど学習して、経験を積んでいく、いわば「応用」型の知能です。
情報を与え、学習させ、経験を積ませ、あとは成長するのを待つ。まるで人間と同じ。
これが本来の人工知能であり、やがて応用力も想像力も創造力も発揮するようになるのでしょう。
ちなみに星新一賞のグランプリは、『ローンチ・フリー』が受賞しました。著者は佐藤実氏。
「宇宙エレベーター」に関する著作などがある、東海大理学部の先生だそうです。実在人物、のはずです。