東大理科三類が、2年後の入学試験から、面接を導入する方針だと報じられました。
「医師になるのにふさわしい資質のある学生を、学力だけでなく多面的に選抜するため」だといいます。
良い話みたいに聞こえますが、ツッコミどころ満載です。
(1)これまでの選抜法ではダメだったと、東大が認めたのか
つまり、いま東大病院には、医師になるのにふさわしい資質のない医師が、うじゃうじゃいるわけですか。
(2)面接で、医師の適性は見抜けるのか
面接で見るのは、第1にコミュニケーション能力。たしかにそれは、医師としての必要条件かもしれません。
しかし十分条件ではないはず。面接内容が学力試験の結果よりも優先する、なんてことはないでしょう。
東大は、「医師になるのにふさわしい人物」を選ぶ目的で面接を行うつもりは、さらさらないのです。
たぶん、「医師になるのにふさわしくない人物」を選別して落とすために、面接をしたいのでしょう。
一般的に面接試験には、そのような側面があります。
東大理三は、1999年から2007年まで、面接試験を実施していました。
それをやめたのは「臨床研修制度によって人物評価ができる」という理由からでした。
再導入する理由は「臨床研修制度では人物評価ができなかった(または手遅れだった)」からなのでしょうね。
しかし理三ともなると、医師には不向きでも、研究には驚くべき能力を発揮する天才がいるかもしれません。
そのような逸材を引き受けるのが、東大医学部の役割であるのなら、面接は止めた方が良いと思うのですが。