啓蟄

「啓蟄」と言われても、生活上どのような心構えが必要なのかピンときませんが、今日は啓蟄だそうです。

啓蟄は「二十四節気」のひとつで、「冬ごもりの虫が這い出る日」ということになっています。

ただしこの場合の「虫」は、昆虫のような虫ではなく、蛇や蛙などのことなのだそうですね。

鳥や獣や魚以外の小動物をまとめて「虫」と呼んだ名残は、蛇や蛙という漢字の「虫へん」に見られます。

ま、このへんは全部、林修先生の受け売りです。

二十四節気は、太陽の運行を元に考案された、季節の節目であり、言うなれば、四季を細分化したもの。

そのうちの1つの「啓蟄」は、春分の一歩手前という、微妙な季節感を表現するものなのでしょう。

ところで啓蟄は、雛人形を片付ける日だとされていますが、そこにはどのような理由があるのでしょうね。

雛人形を「片付ける」ことと、虫が「這い出る」ことの対比に、何か意味がありそうな気がします。

もともと「雛祭り」は、古代中国で行われていた、季節の変わり目の邪気払いにルーツがあります。

それが日本に伝わり、「流し雛」を経て、厄払いや子どもの成長を願う行事として、引き継がれています。

元はと言えば、冬から春に向かうこの時期の、人々の健康を願うための儀式が、雛祭りというわけです。

雛人形を片付けるタイミングは、無事に新たな生命(虫)が登場する啓蟄が、ちょうど良いのかもしれません。