インフルB型流行中

当院で本日診断したインフルエンザは、A型よりもB型の方が多いという、珍しい事態でした。

このようなB型インフルエンザの流行は、私の開業8年間の経験では初めてのことです。

国立感染症研究所の、ウイルス分離報告を見ても、今シーズンの流行はかなり特異的です。

まず、現在の流行の約6割が、2009年に流行した、元「新型」インフルエンザ(A型(H1N1))です。

昨年の主流だった、いわゆる「季節性」インフルエンザ(A型(H3N2))は、今ほとんど検出されていません。

つまり、昨年A型インフルエンザに罹患した方でも、今年またA型に罹患する可能性があるということです。

B型が多いのも特徴。過去3年間は「山形系」主体だったのに、今期は「ビクトリア系」が拮抗しています。

つまり、この数年B型インフルエンザに罹患した方でも、今年またB型に罹患する可能性があるということ。

従来、A型に比べて比較的軽症と思われてきたB型ですが、今年のB型は重症が多い印象があります。

もしかすると、「ビクトリア系」は重症なのかもしれません。

ところで、来院する発熱者がすべてインフルエンザとは限りません。その他の感染症の方もたくさんいます。

南米帰りの方であれば、ジカ熱も疑うべきなのでしょうね、これからは。

先日、川崎市の高校生がジカ熱を発症しました。ブラジルに10日程度滞在し、帰国した後の発症です。

入国前に38度の熱が出ていたものの、空港では下熱、その後また発熱し医療機関を受診したようです。

発熱者を診た医者が、ジカ熱を疑うかどうかがカギ。海外渡航歴だけは、聞き漏らさないようにしなければ。