叩く

高熱で腰痛を訴える女性の方で、わりと多いのが急性腎盂腎炎です。尿検査をすると、膿尿や血尿を認めます。

腰の少し上を叩くと、「うっ」と痛みます。これを「肋骨脊柱角叩打痛」とか「腰部叩打痛」といいます。

「叩打痛」は「こうだつう」と読みます。叩くと痛むという意味です。英語では “knock pain” です。

「叩く」と書いて「はたく」とも読むことを、最近知りました。「有り金をはたく」の時はこの字なんですね。

さて、「叩」と言えば「命」です。ゴルゴ松本に言わせるなら、「命」=「人屋根に一叩き」だと。

「母体内にいるときから、トックントックンと、一叩き、一叩きの連続が命なのだ」と。いい話です。

ただし漢和辞典によれば、「命」=「口」+「令」であって、「人」+「一」+「叩」ではないようです。

もちろん<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-324.html" target="_blank" title="前にも書いた">前にも書いた</a>ように、漢字を使った例え話には、学術的正当性など必要ありません。

例え話というのは、聞き手がなるほどと思えるように上手くできていれば、それでいいのです。

「叩」の旁(つくり)の「卩」は、人がひざまずいた姿を表す象形文字とか。今風に書けば「orz」でしょう。

いかにも、頭を叩いてください、てな感じ(漢字)。

しかし私は「卩」を見ると、「布団叩き」か「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1459.html" target="_blank" title="ハエタタキ">ハエタタキ</a>」に見えてしかたがありません。

だから「叩」の字は、「口」でののしりながら「卩」のような形のもので打つ、というのが私のイメージです。