厚労省は今日、化血研に対して110日間の業務停止を命じました。そのいきさつは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1521.html" target="_blank" title="前にも書いた">前にも書いた</a>通りです。
「(医薬品)製造販売業許可の取り消し相当の悪質な行為だ」と、塩崎厚労相は厳しく発言していますが、
「(化血研製の)血液製剤やワクチンには、国民の健康確保や医療に不可欠なものもある」とも言っています。
その結果が「業務停止」。他社の製品で代替できるものがない製剤を除いて、販売ができなくなります。
今月18日から5月6日までの110日間は、長いですね。現場ではかなりの混乱が起きそうです。
とくに重大なのは<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-447.html" target="_blank" title="血液製剤">血液製剤</a>なのですが、当院では現在、化血研の血液製剤を使うような診療は行っていません。
当院で日常的に使っている化血研の製剤は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1479.html" target="_blank" title="ワクチン">ワクチン</a>です。その出荷状況は、次のようになっています。
(1)出荷停止のまま:日本脳炎、A型肝炎、B型肝炎、2種混合(ジフテリア、破傷風)、破傷風
(2)必要性があれば出荷する:狂犬病、まむし抗毒素、はぶ抗毒素
(3)必要性がありすでに出荷中:<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1470.html" target="_blank" title="インフルエンザ">インフルエンザ</a>、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1505.html" target="_blank" title="4種混合">4種混合</a>(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)
日本脳炎ワクチンは、毎年春から接種者が増えます。今はまだ豊富に流通していますが、今後どうなるやら。
<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1545.html" target="_blank" title="B型肝炎ワクチン">B型肝炎ワクチン</a>はすでに、流通量が激減しています。ある程度の接種制限も、考慮しなければなりません。
必要性があって(3)を出荷したのは、製剤の安全性には問題がないと、厚労省が認めたからです。
それなら同じ理屈で(1)も出荷すべきでしょう。製造法における問題は(1)も(3)も同じです。
業務停止というペナルティが科される対象は、会社や経営者であって、製品(製剤)の利用者ではないはず。
厚労省は、誰を保護するために製薬会社を監督しているのか。そのことを忘れているような気がします。