衣類紺印譚

今週は、ひどく寒い日が続きますね。来週のはじめにかけて、もっと寒くなるようです。

自転車通勤は、寒くなってからずっと中断してます。なにしろ寒すぎます。

せっかく新しいダウンジャケットを買ったのですが、いまは自転車で通勤しようという気になりません。

車でさえ、朝の車内は寒くてたまりません。クリニックの朝の清掃も、風が強いときには凍える思いです。

自転車用として買った、お気に入りのベージュのダウンジャケットは、もっぱら日常用になっています。

気がつくと、ジーンズの染料が色移りして、ダウンジャケットの裾が紺色に染まってます。ガッカリな話です。

これを「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1568.html" target="_blank" title="衣類紺印譚">衣類紺印譚</a>(いるいこんいんたん)」というのは、こじつけすぎですが、思いついたので書きました。

冬の自転車で寒いのは、手足と顔面、とくに鼻と耳です。いくら防寒具を使っても、冷気がしみこんできます。

ランニングやジョギングと違って、自転車はあまり体が温まらないのに、もろに冷たい強風に晒されます。

手の感覚が麻痺し、足先が痛み出し、耳がもげそうになり、鼻水が垂れ、メガネがくもります。

こうなると事故が心配です。だから自転車通勤は中断しているのです。寒さに負けたのではありません。

ただしこのままでは、運動不足。そこで、ジョギングを始めることにしました。

例によって、まずはカタチから。ウエア一式を買いました。これで準備万端。あとは、いつ始めるか、です。

年賀はがきのお年玉

お年玉つき年賀はがきのお年玉は、どうせたいしたものは当たらないと思うと、近年、興味が薄れています。

かつては楽しみにしていたのですが、去年と一昨年は、当せんはがきの確認すらしていませんでした。

その<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-69.html" target="_blank" title="抽せん">抽せん</a>が、今年もいつのまにか行われていたようなので、昨日は暇つぶしに、確認作業を行ってみました。

ちなみに、宝くじの「当せん」は、選挙で選ぶ「当選」ではなく、籤(くじ)に当たるの「当籤」ですね。

「籤」が常用漢字じゃないので、やむを得ず「当せん」、ときに当て字で「当選」と書かれるようです。

昨年の熊本市議選挙で、同じ得票数だった2候補が、くじ引きで当落を決めたことがありました。

公職選挙法第95条第2項の規定によれば、

「当選人を定めるに当り得票数が同じであるときは、選挙会において、選挙長がくじで定める」

とあります。これなどはまさしく、「当籤者をもって当選者とする」ということになりますかね。

かつてわが家では、私と子どもたちが争うようにして当せんはがきを探すのが、正月恒例の行事でした。

ところが昨日は、私ひとりの地道な作業。無言で黙々と、はがきを番号で分別し、当籤番号を探しました。

当たっていたのは、3等が7枚。1等・2等はありません。

暇つぶしで切手シートをゲットできるのだから、こんなにうまい話はありません。

去年と一昨年は、何等が何本当たっていたのか不明。1等をみすみす逃した可能性を考えると、悔やまれます。

異類婚姻譚

芥川賞と直木賞の選考会が行われ、それぞれの受賞者が決まりました。

あの『火花』からもう、半年も経ちましたか。確かにその時の話を、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1383.html" target="_blank" title="7月18日のブログ">7月18日のブログ</a>に書いてますね。

芥川賞受賞作は、本谷有希子氏の『異類婚姻譚』と、滝口悠生氏の『死んでいない者』。

どちらから読もうかと考えたときに、タイトルからくるインパクトは、ほぼ互角。

ノミネートが4回目だった、本谷氏に敬意を表して、今日は『異類婚姻譚』を読んでみました。

こういうものは、読みたいときに読むのがいちばん。なので今回は、電子書籍で購入しました。

今日買ったのはiBook版ではなく、それよりも66円ほど安かったKindel版です。

いまやKindle版の電子書籍も、MacやiPhoneで自在に読めるので、もう、どちらでも良いのです。

「ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた。」

これが書き出し。これ以上は書きません。やっぱり、つかみは大事ですね。

「ある朝、(中略)自分がベッドの上で一匹の巨大な毒虫に変ってしまっているのに気づいた。」

で知られるカフカの『変身』のような、いきなり不条理パターンです。

奇妙な書き出しだけなら、私でも思いつくのですが、問題は、その後の展開力なんでしょうね。

プロの小説家は、その書き出しをとっかかりにして、さらに別のエピソードをいくつも広げていきます。

私だったら、最初に思いついたアイデアに固執して、ひたすらそれを掘り下げていくだけでしょうね。

『異類婚姻譚』を読み終えて、つくづくそう思いました。

ヘイ、シリ!

iPhoneのCMで、最近よく見かけるのが、「ヘイ、シリ (Hey Siri)」でしょうか。

ホームボタンを長押ししなくても、「ヘイ、シリ」と声をかけるだけで「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-576.html" target="_blank" title="Siri">Siri</a>」が起動するというアレです。

どうなんでしょう。使う時に恥ずかしくないですかね、「ヘイ、シリ」なんて声をかけるのって。

Siriはどうしても「尻」に通じるので、「ヘイ、シリ」だと私は「屁居尻」なる言葉を連想してしまうのです。

とは思いながらも、このたび遅ればせながら、Siriの設定を「 “Hey Siri” を許可」に変更してみました。

まず、設定段階からしてすでに、恥ずかしい。音声登録のために何度も「ヘイ、シリ」と言わされるからです。

なので人前で設定するのは、やめた方が良いでしょう。

いったん音声登録をすると、Siriさんは呼びかけによく反応してくれます。

何か作業をしながら、声だけでSiriさんを呼び出せるというのは、状況によってはずいぶん便利ですね。

驚いたのは、スリープ状態からでも、「ヘイ、シリ」でSiriさんが立ち上がることです。

画面が真っ暗で、電源が切れているように見えますが、Siriさんはジーッと、聞き耳を立てているわけです。

でも、「ヘイ、シリ」と呼びかけたら瞬時に起動するのではなく、わずかに間があります。

うつらうつらしていたSiriさんが、名前を呼ばれてハッと目覚めた、って感じのタイムラグです。

ガソリン激安

原油安が続き、ガソリン価格もどんどん安くなっています。

私は比較的燃費の悪い車に乗っていますが、なにしろ走行距離が少ないので、なかなかガソリンが減りません。

ガソリン安の恩恵を享受できないのは悔しいので、遠回りして通勤して、ガソリンを浪費したりしています。

本末転倒とは、このことでしょう。

若い頃は、安いガソリンを入れるために、ずいぶん遠くまで給油しに行ったりしてました。

車体が軽いほど燃費が良い、という知識を得て、ガソリンは決して満タンには入れない時期もありました。

重いガソリンタンクを運ぶことが、ムダだと考えていたのです。

スタンドに行っても、よほど遠出する前でもない限り、給油量は20リットル。そう決めていました。

気がつけば燃料はいつもギリギリ。イヤな汗をかきながら、スタンドを探すこともしばしば。

もちろん、ガス欠の経験は何度もあります。街中であれやると、恥ずかしいですね。

たとえば朝の通勤時、バス通りでガス欠になり、車を延々と押して、大学病院の敷地まで運び入れたり。

ガス欠でエンストした時、運良く目の前にガソリンスタンドがあり、惰性で乗り付けたこともありました。

いまはもちろん、余裕を持って給油しています。この歳でガス欠は、絶対に経験したくはありませんね。

道路上で車が動かなくなって、周囲の交通に支障を来すなど、大人としてしてはならないことです。

そういえばハイブリッド車って、バッテリーだけで走れるなら、ガス欠知らずじゃないの?

と、期待してもダメのようですね。それほど長距離走れるものではなさそう。

しかもバッテリーまで空になると、かなり面倒な充電修理が必要になるとか。

変な裏技を考えず、早め早めの給油でしょうね、やっぱり。

ブリンクマン指数

ブリンクマン指数とは、喫煙歴の程度を数値化するもので、「1日の喫煙本数x喫煙年数」で算出されます。

たとえば肺がんの発病率など、ブリンクマン指数とさまざまな疾患・病態は、高い相関が認められています。

禁煙治療において保険が適用されるためには、この指数が200以上あることが必要です。

禁煙外来受診者の多くは、ブリンクマン指数が200〜600です。例えば20本x20年=400のように。

なかには、40本x50年=2000などという、強者もいらっしゃいます。

あるいは、20本x10年=200という、20代半ばの方もいます。禁煙したい気持ちがあるなら、年齢不問です。

しかしたとえば、18歳から1日20本平均でタバコを吸っている若者は、28歳までは保険が適用できません。

そのような25歳の方が来院して、どうしても禁煙したいと訴える場合、どう対応すれば良いのでしょう。

「あー、あと3年ほど、いまのペースで吸っててください。3年後には保険が利きますから」

こんなバカな話はないでしょう。タバコをやめたい若者がそこに居るのに、なぜ助けてやれないのか。

若者に保険が適用しやすいようにしてはどうか、という動きは<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-856.html" target="_blank" title="以前から">以前から</a>ありました。

しかし前回、2014年の診療報酬改定では結局、要件は緩和されませんでした。

喫煙には「自己責任」とか「自業自得」という考えが、つきまとうからです。さて今年はどうなるでしょうね。

参考までに、昨年10月に行われた中医協(中央社会保険医療協議会)総会での、委員らの言い分はこうです。

健保連「自分の意思で禁煙する人もいる」「予防は保険の給付外だ」(=禁煙治療に保険適用すべきではない)

経団連「タバコを購入する時点で本人の意思が働いている」(=喫煙は自己責任だ)

厚労省「ブリンクマン指数の要件を撤廃すると、125億円ほど医療費が増える」(=財源がない)

医師会「医療には包容力が必要」「喫煙による疾病の重症化予防は重要」(=結果的に医療費も削減できる)

医師会は良いことを言っているのに、なぜか四面楚歌なのです。

日本家電の行方

「シャープ再建、国主導で 革新機構、2000億円出資」と、報じられました。

産業革新機構がまず、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1041.html" target="_blank" title="シャープ">シャープ</a>の液晶事業を分離し、ジャパンディスプレイと統合させようという動きです。

そもそもジャパンディスプレイは、ソニー、東芝、日立の中小型液晶事業を統合して作られた会社です。

その<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1538.html" target="_blank" title="東芝">東芝</a>の中小液晶はもともと、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1048.html" target="_blank" title="パナソニック">パナソニック</a>と統合した会社なので、パナソニックの血も流れています。

そこに、大型ディスプレイも含む、シャープの液晶が加わることになるわけです。

やがては、東芝の大型液晶事業も統合されるのでしょう。

もう、日本の液晶事業は、ほぼ官営の企業である産業革新機構が経営する体制になるかもしれません。

さらに白物家電事業も、シャープと東芝の事業をまとめて、革新機構が再建に乗り出す動きだといわれます。

このように、家電事業を国が経営支援しなければならないほど、日本の競争力が低下したのは、なぜなのか。

価格競争に勝たなければ、市場を制することができないのが、家電の宿命なのでしょうか。

フィリップスやGEがたどったように、日本企業も、家電から家電以外へとシフトしていくのでしょうか。

わが家の白物家電を見回せば、いまのところは、日立とパナソニックと東芝とシャープが目に付きます。

ところが、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1020.html" target="_blank" title="扇風機">扇風機</a>と加湿器と<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1409.html" target="_blank" title="トースター">トースター</a>はバルミューダ製。個性的なデザインと、独自性能を備えた製品です。

こういったベンチャー企業が、価格競争では勝負しない日本家電を、どんどん創り出してほしいものです。

休肝日と休診日

アルコール性と思われる肝障害のある方などには、「週に1回、休肝日を作りましょう」と言ったりします。

「休肝日」とは文字通り、「肝臓を休める(休ませる)日」ですが、それはある意味、ウソも方便みたいなもの。

たとえば週に1日でも禁酒すれば、その分、1週間のアルコール摂取量は減るだろうと、その程度の話です。

休肝日によって肝臓が回復するイメージがありますが、休肝日の翌日に2倍飲んだら、意味ないでしょう。

「休肝日」は「休刊日」をもじった言葉。しかし、両者の構造が違うのが、私は昔から気に入らないのです。

(1)休刊日:新聞などの刊行を休む日であり、その結果、販売店の従業員などを休ませることができます。

(2)休肝日:アルコール摂取を休む日であり、その結果、肝臓を休ませることができると思われています。

このように「休む」と「休ませる」の違いがあるのに、同じような使われ方をしているのが釈然としません。

「刊」と「肝」が似ており、造語としての出来がいいので、しょうがないのか。

明日は「休診日」。診療を休むので(1)の用法です。

これを(2)の使い方で書くなら、「休身日」または「休心日」あるいは「休神日」でしょうか。

いや、たとえ診療を休んでも、あれこれ残務があって、なかなか心身や精神は休まらないのですけどね。

加湿器を一新

空気が乾燥するこの季節。室内もひどく乾燥します。当院では加湿器を一新し、新たに3台ほど配置しました。

以前使っていたものは、すべて処分しました。その理由を書くためには、まず、加湿器のおさらいから。

あちこちのサイトでも、詳しく解説してありますが、加湿器には、大きく分けて4種類あります。

(1)超音波式:超音波振動で水を霧に変えて放出します。冷たい霧が、ドンドン吹き出してきます。

(2)スチーム式:ストーブの上のヤカンと同様。そこそこ熱い湯気が出ます。ブクブクと音もします。

(3)気化式:ぬれタオルに扇風機で風を当てるような原理。吹き出すのは風だけ。うるさいし寒い。

(4)ハイブリッド式:以前は(1)+(2)タイプでしたが、最近は(2)+(3)のハイブリッドも。

当院では以前、待合室に超音波式の加湿器を、診察室と処置室にはスチーム式を置いていました。

しっかり加湿してるように見えるのは、超音波式です。しかし大きな欠点があります。衛生上の問題です。

加湿器の内部が汚れてくると、カビやウイルスなどに汚染された霧を、室内にまき散らすことになるからです。

もちろん当院では、毎日必ず、分解して洗浄と乾燥を行っていたので、その心配は無いと思っていました。

ところが最近、気化式の加湿器が増え始め、その宣伝文句とともに、超音波式の欠点が広く知られてきました。

毎日分解洗浄していることなど、誰にもわかりません。超音波式は不潔という風評には、あらがえません。

というわけで当院は、衛生上の疑念を抱かれぬよう、気化式主体の加湿体制に切り替えたわけです。

ビールが最初

最近の話題と言えば、「餃子とラーメンの出された順番に腹を立てた男」の事件でしょう。

餃子を先に、と頼んだのにラーメンが先に来て、キレた男が店に居座り、不退去容疑で逮捕されたという話。

ネットでは、「気持ちはわかる」「店が悪い」「男性も大人げない」などのコメントを寄せられています。

ある人は、「調理時間を考慮して、まず餃子だけを先にオーダーすべきだった」と言います。

つまり、餃子よりもラーメンの方が、短時間で出来上がることを考えて注文しろ、というわけ。なるほど。

しかし、ここに生ビールが加わると、どのように注文しようとも、まっさきにビールから提供すべきです。

もしも、ラーメン→餃子→生ビール、の順で持って来られたら、私でもキレるかもしれません。

正月に某とんかつ店で食事したとき、ビールを頼んだら、「ビールは最初にお持ちしますか」と訊かれました。

そのマニュアル化された質問に、少々ムッときます。ビールをいつ飲むかなど、訊くまでもないでしょうに。

たしかに確認は必要ですが、「ビールはすぐお持ちしますね」と言ってくれたら、ずっと好感が持てたのに。

30年ぐらい前に、東京の某レストランで食事をした時のことを、思い出します。

待っても待っても、注文した生ビールが来ません。ビールはまだかと2,3度言ったのに、先に食事が来ました。

しょうがなく、スープをのみ、サラダを食べ・・・、そこでやっと、ビール登場。

会計のときにクレームを付けて、結局ビール代はタダになりましたが、いま思えば、若気の至りでした。

ビールサーバーの調子が悪かったのかもしれません。今ならもう少し、紳士的態度をとったと思います、多分。