煮詰まってあんこ

わが家のぜんざいは、何度も火を通すうちに煮詰まって、あんこ状になっていきます。それがまたいいのです。

以前、来客時に、そのあんこに途中で水を足したことがありますが、味がぼやけてしまい後悔しました。

それ以来、どれほど煮詰まっても、途中で水は足さないのが、わが家のぜんざいの掟です。

「煮詰まる」には、「議論や考えなどが出つくして、問題点が明瞭な段階になる」という意味もあります。

ところが文化庁の調査によると「(議論が)煮詰まる」を、本来とは逆の意味で使う人が増えているようです。

(1)「(議論や意見が十分に出尽くして)結論の出る状態になること」(平成19年56.7→平成25年51.8%)

(2)「(議論が行き詰まってしまって)結論が出せない状態になること」(平成19年37.3→平成25年40.0%)

言葉のゆれには色々なパターンがありますが、このように正反対の意味になると、意味の取り違えが心配です。

30代以下では(2)の意味で使う人が大半とのこと。これでは異世代間の会話が、コントになり兼ねません。

上司「例の計画は、煮詰まったかね」

部下「もう、煮詰まっちゃいました」

わが家のぜんざいの場合、「煮詰まる」の意味は(1)でも(2)でもありません。しいて書くなら、

(3)「(意見が完全に出尽くして)まったりとした状態になること」