新聞記事を斜め読みしていたら「大ナタ」「止血」という、物騒な文字に目が留まりました。経済記事です。
東芝の経営再建は、国内外の拠点再編・人員削減などのリストラ策による、一時的な「大赤字」が前提だと。
大ナタをふるってあちこち切り捨て、大出血させた後、止血し、体質を改善しようということのようです。
生き延びるために、機能の低下した患部を切り落とすような、そんな容赦の無い大手術になるのでしょう。
しかし、いったん切り落とした部分は、もう生えてきません。憂慮するのは、テレビ部門からの撤退です。
わが家のリビングには、きわめて高度でマニアックな機能を有する、東芝製のテレビが鎮座しています。
録画機も、東芝の製品からはオタク臭が漂うので好きです。家電と言うよりも、パソコンに近いイメージ。
過去には他社のテレビも買って来ましたが、もうこれからは東芝一筋で行こうと、そう思っていた私です。
ところがその東芝が、テレビ事業から完全撤退するかもしれないと、日経の記事にはあります。
少なくとも事業は大幅に縮小されるようで、東芝のテレビの魅力は今後失われるでしょう。悲しいことです。
数年前のNHKスペシャルで、東芝のテレビ開発者が、こう言っていました。
「(日本のものづくりはどこへ向かうべきかと問われて)職人芸の方にいくしかないでしょう」
そのおかげで、私の好きなオタクなテレビができたのですが、企業経営的には、難しかったようです。