来年度の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1523.html" target="_blank" title="診療報酬">診療報酬</a>の改定方針が決まりました。
本体部分(医師の技術料相当)を0.49%引き上げる一方、薬価は1.22%、医療材料は0.11%の引き下げです。
診療報酬全体としてはマイナス0.84%で、「8年ぶりの引き下げ」と報じられています。
ちょっと待ってください。「8年ぶりの引き下げ」って言われるのには、少々違和感があります。
<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-813.html" target="_blank" title="前回">前回</a>(2014年4月)の診療報酬改定額は、たしかに小幅(全体改定率 +0.1%)引き上げでした。
しかし同じタイミングで消費税も5%から8%に引き上げられたのに、医療費の引き上げは0.1%だったのです。
医療費(保険診療)は非課税ですが、患者サイドからすれば、税込なのかどうかは関係ありません。
消費税が3%分上がったのに、窓口で支払う医療費の値上げは、わずかに0.1%だけだったということです。
患者負担からすれば、他の物はみな増税したのに、医療費だけほとんど値上がりしていないという感覚です。
その意味で、前回の診療報酬改定は、引き上げではなく、実質的な引き下げだったのです。
そればかりではありません。上げ下げでいうのなら、その幅(絶対値)にも、きちんと目を向けるべきです。
2000年の改定率から、2016年の改定(予定)率までを、順に書き並べてみると、
+0.2 ー2.7 ー1.0 ー3.16 ー0.82 +0.19 +0.004 +0.1 ー0.84%
こうしてみると、上げるときは小幅、下げるときは大幅、というパターンなのがよくわかります。
来年度の改定を「8年ぶりの引き下げ」というのは、間違いではありませんが、本質を見誤った表現なのです。