「イソジン」の製造販売が、明治(Meiji Seikaファルマ)から塩野義製薬に移管されることになりました。
「イソジン」は消毒薬の商品ブランド名。成分は「ポビドンヨード」。ヨード(ヨウ素)化合物です。
オランダのムンディファーマが開発した薬で、これまでは明治が、日本での製造販売権を持っていました。
明治は、イソジンの名は失うものの、イソジンのジェネリックを製造販売するようです。なんのこっちゃ。
一般の消費者にとっては、商品名が「イソジンうがい薬」から「明治うがい薬」になるだけの話。
しかも「カバくん」のキャラクターは明治が保有するので、商品の見かけは、ほとんどイソジンでしょうね。
このさい商品名も「イソジソうがい薬」にしてはどうか。(「ン」ではなく「ソ」です)
イソジンは、うがい薬だけではありません。医療、とくに手術の際には、いちばんよく使われる消毒薬です。
研修医のとき、某科で手術の時に皮膚に塗っていた消毒薬はしかし、ヨーチンでした。当時としても古風です。
90年頃、当直のバイト先の某病院で、緊急手術の際に院長が赤チンを使っていたのには、さらに驚きました。
いまどきヨーチンは使わないし、赤チンなどあり得ない。手術のときに皮膚を消毒するのは、イソジンです。
そのイソジンにもジェネリックが登場し、市民病院でも全面的に、ジェネリックに置き換わりました。
でもジェネリックって、やっぱり少し違うんですよね。イソジンの方が明らかに、塗ったあとの感触がいい。
なので無理を言って、私の所属する科だけ例外的に、イソジンを使い続けられるようにしてもらいました。
そような私たちのワガママに対して、ある日、看護師がクレームを付けてきました(実話です)。
看「イソジンを特例で使うのって、どこに話を通してるんですか。薬剤部ですか、総務ですか?」
私「イソジンのことなら、用度係(ヨード係)でしょう」(←自分で言うのもなんですが、気に入ってます)