寒くなってきたので、風邪を引く人が増えてきました。RSウイルス感染や溶連菌感染も多いです。
インフルエンザではなくても、風邪などで高熱が出たときにも、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1507.html" target="_blank" title="異常行動">異常行動</a>を起こすことがあります。
「熱譫妄(ねつせんもう)」とよばれる症状で、高熱に伴う幻覚症状です。
このときの脳波は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1514.html" target="_blank" title="REM睡眠">REM睡眠</a>と似たパターンだそうです。では本人は、夢を見ているつもりなのでしょうか。
通常のREM睡眠では、精神活動が行われる代わりに肉体(筋肉)活動が停止して、体は動きません。
しかし、熱譫妄のときには体が動くので、夢を見ながら自由に動ける状態になるわけです。
そのような人を、はたから見れば、どう見ても異常行動にしか見えないでしょうね。
考えてみたら、科学者でも芸術家でも、夢を追い求めている姿は、しばしば異常行動のように見られがちです。
「夢中になる」とは、こういうことかもしれません。
明らかな異常行動を起こすわけではなくても、高熱でうわごとを言ったりすることは、よくあります。
このように、発熱時に「うなされている」ような状態などを、「熱にうかされている」と言ったりします。
「うかされる」熱は、体温とは限りません。現に、BBQ熱にうかされている人間もいます。私です。
文化庁の調査によると、「熱にうなされる」と誤用する人が、かつては多かったそうです。
ところが今年の調査では、「熱にうかされる」と正しく使う人の割合が、6割近くまで回復しているとのこと。
言葉は必ずしも、誤った用法に向かって一方的にゆれていくのではなく、「ゆれ戻し」もあるようです。