来年度予算に関連して、診療報酬を削減するかどうか、2年に1度の恒例の議論が行われています。
今回は「薬価」だけではなく、「本体部分(=医師の技術料にあたる)」も下げようという動きがあります。
厚労省が要求する社会保障費は、今年度と比べて来年度は、6700億円もの増額を要求しているようです。
ところが財務省は、伸びを5000億円に抑えろと、つまり1700億円削れと、そう言っています。
年金制度などに大きな制度改革がないので、この1700億円はほぼ、医療費から捻出しなければなりません。
確認しておきますが、社会保障費が増えているのは、高齢化が原因です。
病気になりやすい人の数が増えれば、医療費も増加します。けっして医者の過剰医療が原因ではありません。
ところがその問題を、医療の単価(=診療報酬)を下げることで解決しようというのが、今回の動きです。
医者は増えた仕事をこなしているだけなのに、働き過ぎだから単価を下げます、と言われるようなものです。
幸か不幸か、診療報酬は公定価格。国が自由に決められます。削ろうと思えばすぐ削れます。
そして、いくら医師の診療報酬を削っても、マスコミや世論は反発しないどころか、むしろ歓迎するのです。