中医協(中央社会保険医療協議会)はこのたび、ジェネリック医薬品の価格引き下げを了承しました。
先発品(新薬)の60%以下と決められているジェネリックの価格が、50%以下になります。
ジェネリックの普及率を、現在の46.9%から80%以上に引き上げ、医療費を抑えようというわけです。
このような話が出ると、「安かろう悪かろうでは困る」という反対意見が出てきます。
ジェネリックは、主成分以外の成分や製造工程が異なるため、効果が疑問だし副作用も心配というわけです。
しかし必ずしもそうではありません。ジェネリックの方がよく効いたり、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1295.html" target="_blank" title="副作用が少ない場合">副作用が少ない場合</a>もあり得ます。
あるいは効果が多少弱くても、それを逆手にとって「マイルドな薬」として利用することも実際にあります。
一方で値段の安さでは、ジェネリック普及を促す制度自体が、逆に値段を上げているパラドックスがあります。
保険薬局における調剤基本料には「後発医薬品調剤体制加算」という点数が加算されています。
この点数は、各薬局において調剤した薬剤のうち、後発医薬品の「数量シェア」によって決められます。
「数量シェア=後発医薬品/(後発医薬品のある先発医薬品+後発医薬品)」です。
この加算は、ジェネリックを積極的に扱っている薬局が、調剤基本料を高く算定できるという仕組みです。
大手のチェーン薬局などは、最大の加算点数22点を算定できるような「体制」を整えています。
一方で小規模な薬局では、その「体制」が整わず、この加算が算定できない場合があります。
問題は、薬局が真面目にジェネリック普及に取り組んだご褒美を、患者から請求するということです。
その結果、ジェネリックの取り扱いが多い薬局では、患者が支払う薬代が高くなってしまいます。
逆に、ジェネリックの取り扱いが少ない薬局では、薬代が安くなるというわけです。おかしな話です。