接種料金と接種者数

インフルエンザワクチンの価格が上がり、接種料金も軒並み値上げされていることは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1451.html" target="_blank" title="前にも書いた">前にも書いた</a>通りです。

4価ワクチンとなり「よく効く」ようになりましたが、値上げされればどうしても、接種希望者は減ります。

それを見越して、ワクチンの供給予定量は2,973万本と、昨シーズンよりも11.5%ほど減らされています。

昨シーズンの使用量が2,649万本と推計されているので、もともと供給過多だったようです。

さて、接種数は現実にはどうなっているのか。当院だけの数値では何とも言えませんが、集計してみると、

昨シーズン:10月377人、11月589人、今シーズン、10月303人、11月561人。

やはり減っていますね。あるいは、出足が遅いようです。その原因として考えられるのは、

(1)接種料金の値上げ(前述した通り、ほぼ全国的に値上がりです。もちろん、当院も)

(2)予約方法の変更(実質的にネット予約限定にしました。これは当院だけの事情です)

(3)定期接種の負担金の値上げ(2年前までは無料、昨年は1000円、今年は1500円。熊本市の事情です)

(4)先週までは、やや暖冬気味だったので、出足が遅い(この数日、急に寒くなってきましたが)

(5)化血研の出荷が出遅れた(化血研占有率の高い熊本では影響が大きかったようですが、当院は無関係)

今シーズンから4価ワクチンとなったので、ワクチン自体の予防効果は、増強するだろうと期待されています。

しかし一方で、接種人数が減ることにより、インフルエンザ患者数はむしろ増えるかもしれませんね。

さて、どうなりますやら。

生活習慣改善の指導

「生活習慣の改善が必要ですね」と毎日何度も口にしている私ですが、それは自分への戒めでもあります。

1日1食という、いびつな食生活も、決して好ましいとは思っていません。

しかし2食以上食べると、それに比例して摂取カロリーが増えることがわかっているので、できないのです。

運動は、ひところは、バカみたいに自転車で遠乗りしたりしていましたが、最近はパッタリです。

寒いので自転車通勤自体が、ほぼ途絶え気味。せっかく新しいダウンジャケットを買ったというのに、です。

筋トレやろうと計画したことは何度もありますが、3日坊主まで行けば良い方。たいていは計画倒れ。

「RIZAP(ライザップ)」のCMを見るたびに思うのは、

(1)RIZAPのプログラム通りにやっていくこと自体が、通常の減量法よりもずっと厳しそう

(2)やめたら即、リバウンドしそうな気がする

(3)お金がかかりすぎ

このうち(3)については、お得な情報が出てきました。どうやらRIZAPの料金は、経費にできそうです。

某民主党議員によると、以下の目的でなら、RIZAPの料金が政治活動の一環として支出可能とのこと。

「RIZAPの肉体改造がどのようなものか体験して見識を高め、スポーツ振興に役立てる」

良かった、そのような解釈がOKなんですね。ならば私も、

「RIZAPの肉体改造がどのようなものか体験して見識を高め、患者指導に役立てる」ことにしましょうか?

白熱灯・蛍光灯は禁止

白熱灯と蛍光灯の製造と輸入を2020年までに禁止する、と政府が決定しました。

主旨はわかりますが、そこまで強制すべき事なのでしょうか。2020年というのも、急ぎすぎな気がします。

当院の照明は、ほとんどが蛍光灯ですが、一部のダウンライトには白熱灯も使っています。

省エネの観点からは、たしかにLED照明の方が圧倒的に優れているので、いつかはLED化するつもりです。

しかし照明器具が高額なので、電気代の節約分を取り戻すには、何年もかかる。そう考えるから躊躇します。

国は、LED照明を増やしたいのであれば、その購入に何かインセンティブを付けるのが、正攻法でしょう。

すでに補助金制度はありますが、給付条件が厳しくて、個人や小さな事業所はほとんど使えません。

もっと簡単な、たとえばエコポイントのような仕組みを作ってくれませんかね。

しかしそれにしても、従来の白熱灯や蛍光灯を禁止にするなどというのは、安倍首相、ちょっと横暴です。

課税するなど、多少のペナルティを科してでも、白熱灯を製造販売する自由を残して欲しいものです。

このままだと、エコでないものは次々に粛清されてしまいそうです。

やがて、ガソリン車も禁止されるのでしょうか。もちろん、BBQなんて論外でしょうね。

ふるさと納税

「ふるさと納税」については、最近とくに報道番組の特集が目立ちますね。ネットも賑わっています。

今年分の期限である年末が近づき、おまけにメディアが煽るものだから、ふるさと納税は過熱気味です。

わずか2,000円の負担で地方の特産品が手に入る、というお得な話なので、盛り上がるのは当然です。

しかしそこに冷や水を浴びせるように、ふるさと納税の問題点も、詳しく報じられるようになりました。

たとえば、

(1)お礼品合戦になっている:これがなくちゃ、盛り上がりませんけどね

(2)ふるさと納税の主旨を逸脱している:じゃあ名称を「自由納税制度」に変えましょう

(3)住民サービスの受益者負担原則から逸脱する:それがわかっていて、始められた制度です

(4)高額納税者ほど得:それもわかっていて、設計された制度です

(5)お礼品納入業者選定は公正か:ちゃんと入札しているのでしょうかね、あまり話題になりませんが

(6)地方活性化に役立たない:人気のある自治体だけが活性化して、全国的なバランスを欠きますね

ふるさと納税制度では、東京がいちばん損をしているといわれますが、必ずしもそうではないでしょう。

3年前に、尖閣諸島の購入に賛同して東京都に寄付した人は、ふるさと納税と同様の扱いが受けられたとか。

つまり東京都なら、何か大規模なテーマを打ち出して、用途を明確にした寄付金を募るという手があるはず。

すぐ思いつくのは、東京オリンピックのチケット優先購入券(権)でしょうか。

ということで今年私は、縁もゆかりも無い某町に、ふるさと納税を申し込みました。お礼品は・・・秘密です。

睡眠時無呼吸症候群

「睡眠時無呼吸症候群」は、睡眠中の無呼吸や低呼吸によって、さまざまな身体障害を引き起こす疾患です。

当院でも、簡易検査や治療を行っていますが、その原因や治療法についての詳細は、ここでは割愛します。

それよりも、私自身の睡眠中の呼吸は大丈夫なのか。以前から、そのことが気になっていました。

ちょうど最近、手首と指先にセンサーを取り付けるだけの簡易検査装置が発売されたので、試してみました。

結論から言いますと、呼吸がやや乱れた時間帯はありましたが、さいわい、全体としては正常範囲でした。

約6時間の私の睡眠は、前半はとても深く、後半は浅くなってREM睡眠が増え、朝方はREM睡眠だらけ。

REMはからだを休め、non-REMは精神を休めるとすれば、朝方は気の休まる暇もないほどの精神活動です。

ぐっすり眠れたと言う場合、REM睡眠とnon-REM睡眠の、どちらを十分に摂れた場合の表現なのでしょうね。

一般的には、浅い眠りのときにちょうど覚醒すると、心地よく目覚められるといわれます。

しかし、精神的な疲労回復でいうなら、non-REM睡眠が十分摂れれば、それだけでもよさそうな気もします。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1484.html" target="_blank" title="ソニーの大賀氏">ソニーの大賀氏</a>のように、睡眠前半の深い部分だけを、1日に2回摂るような眠り方にも、一理あります。

でも私はイヤ。睡眠後半の浅い眠りで見る、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-341.html" target="_blank" title="奇想天外な夢">奇想天外な夢</a>が好きなので、どうしても6時間は眠りたいのです。

棒グラフと折れ線グラフ

「秋には本は売れないのに、なぜか『読書の秋』」という新聞記事に、目が留まりました。

3月4月や、年末年始や、夏休みなどに比べると、秋は相対的に売れ行きが鈍る時期だそうです。なるほど。

が、その内容よりも、月別の「書籍への支出額」の平均値を比較した棒グラフが、とても気になりました。

支出額が年間最高の12月と比べて、11月はその半分にも満たない、ように見えるからです。

実際には、12月は900円強、11月は700円弱なのに、棒グラフではその差がきわめて強調されています。

なぜなら、縦軸が途中で省略されていて、棒の高さが数値に比例していないのです。

棒グラフは、その長さの絶対値どうしを比べるのが本筋。縦軸は0から始まらなければなりません。

差を強調するために、棒の先っちょの部分だけを切り取って比較するのは、ルール違反です。

テレビや新聞ではしかし、縦軸を操作したインチキグラフをよく見かけます。

ところで、高血圧の方には、毎日朝晩の血圧を測定して、血圧手帳にグラフを描いてきてもらいます。

このように、血圧や体重や体温などの経時変化を記録するときは、折れ線グラフを使います。

折れ線グラフであれば、見たい範囲を強調するために、縦軸を自由に設定できます。

だから血圧や体重のグラフの縦軸が、0から始まる必要はありません。絶対値ではなく、変動を見たいのです。

体温に至っては、その数値は絶対値ですらありません。どうしても絶対値で描くなら、縦軸は絶対温度です。

科学雑誌のグラフにも間違いは散見されますが、テレビや新聞に登場するグラフはひどいのが多い。

縦軸に細工がしてある棒グラフを出すようなメディアは、科学的分析能力を疑わなければなりません。

ロケットの次は人工心臓

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1102.html" target="_blank" title="H2Aロケット">H2Aロケット</a>が、打ち上げに成功しました。カナダの通信放送衛星は、予定の軌道に投入されたようです。

打ち上げ直前に、警戒区域内で船舶が確認されたために、打ち上げが27分ほど遅れたのには驚きました。

だって、2年前の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-711.html" target="_blank" title="イプシロン">イプシロン</a>打ち上げのときと同じじゃないですか。あの時も、船舶侵入で15分遅れました。

警戒の告知や管理が不十分なのか、それとも警戒を無視して故意に妨害する勢力(他国?)があるのか。

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-131.html" target="_blank" title="下町ロケット">下町ロケット</a>」というTBSのドラマが、今週から、新たなステージ「ガウディ計画編」に入りました。

それまでは、ロケット産業という、私の知らない分野だったのに、次は医療機器の話になるようです。

しかも「人工心臓」の主要部品である「人工弁」がテーマです。いきなり、よく知っている分野になりました。

医療分野がテーマになると、どうしても、あちこち気になる点が見えてきます。ガッカリするばかりです。

たとえば、人工弁の開閉する部分(弁葉)が、一枚(一葉)より優れた、二枚(二葉)を思いつくシーン。

画期的なアイデアのように描かれていますが、二葉弁なんて、私が研修医の頃から使われている、普及品です。

ドラマでチラッと登場した試作品も、おそらくその、ごく一般的な二葉弁に見えます。

あるいは、伸展しやすい特殊素材を使うことで、成長に応じてサイズが大きくなる人工弁のアイデアもダメ。

弁の外周がいくら拡大したところで、内部の弁口(血液が通る部分)のサイズが変わらなければ無意味です。

どうしてそのような、あまりに基本的な間違い(勘違い)を、堂々と描くのでしょう。

原作がそうなら仕方ありませんが、ドラマ化する時点で、専門家(心臓外科医等)による監修が必要でした。

どのような業界を描く場合でも、それが専門的であればあるほど、リアリティが重要です。

せっかく面白い人間ドラマなのに、あちこちアラが目立って、感情移入できそうにありません。

勤労感謝よりも新嘗祭

「勤労感謝の日」の今日11月23日は、元はと言えば「新嘗祭」の日でした。

新嘗祭とは、天皇がその年の新穀を神に供え自らも食するという、宮中恒例祭典でも最も重要なものです。

宮中以外に全国の神社でも行われ、今朝不審な爆発事件が起きた靖国神社でも、新嘗祭が行われていました。

「新嘗祭が済むまでは、新米を食べるべきではない」という人もいるようですが、私には関係の無いことです。

近年私は、主食としてのご飯は、なるべく食べないようにしているからです。ただしデザートは食べます。

ではなぜ11月23日なのか。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1226.html" target="_blank" title="建国記念の日">建国記念の日</a>(紀元節)や<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1491.html" target="_blank" title="文化の日">文化の日</a>(明治節)のような由来のある日でしょうか。

もともと新嘗祭は、日付は固定されず、陰暦11月の2回目の卯の日(=中卯の日)に行われていたそうです。

最重要な宮中祭典である新嘗祭は、卯(うさぎ)の生命力にちなんで、卯の日が選ばれたといわれます。

子(ね)から数えて4つ目の卯は、方位では東、時刻では午前6時をさすのも、陽気を感じさせます。

日付の十二支は12日周期で巡り、卯の日は毎月2回か3回訪れます。1回目が「上卯」で2回目が「中卯」。

1873年の太陽暦導入時に、ちょうど11月の中卯の日であった11月23日が、新嘗祭の固定日となりました。

国民の祝日の多くが、ハッピーマンデー制度によって固定日を失った経緯とは、正反対の変化です。

しかし、前にも書いたように、歴史的由来のある祝日は、オリジナルの名称や日付を尊重・維持すべきです。

「勤労感謝の日」という、GHQに変えさせられた、ボンヤリした名称には、何の由緒も情緒もありません。

名称は「新嘗祭」に、日付は11月の中卯日に戻してこそ、祭日としての歴史的意義が感じられるというもの。

暦を見てみると、偶然にも、今日が中卯じゃないですか。今年から、元に戻すのはどうですか、安倍首相。

ど見放題

「飲み放題」に聞こえたので、テレビに目をやったら、「ど見放題」でした。ジェイコムのCMのようです。

「ど根性・どストライク・ど見放題、ど素人・ど下手・ど見放題」のように、韻を踏んでいます。

「どシンプル・ど天然・ど見放題、ど遅刻・ど忘れ・ど見放題」のバージョンも、あるようです。

この「ど見放題」に限らず、最近「どM」だの「どS」だのと、品の無い言葉が氾濫しています。

「ど○○」などという言葉は、私が子どもの頃は「ど真ん中」か「ど根性」か「ど近眼」ぐらいのものでした。

あらためて辞書(日国)を引くと、接頭語としての「ど」の意味は2つ。

(1)ののしる意味を込める。近世以来の上方の俗語で、現在も関西方面を主として用いられている。

(2)まさにそれに相当する意であることを強調する俗語。

たとえ(2)の場合でも、どちらかと言えばネガティブな言葉が多いのは、(1)の意味があるからでしょう。

強調の「ど」に似たものに、ずば抜けた規模を表す「超ド級(超弩級)」という言葉があります。

「ドレッドノート級戦艦(ド級戦艦)」を越える規模の戦艦を、「超ド級戦艦」と呼んだのが由来ですね。

その軍事用語が一般化したのは、「超ド級」の「ド」に、強調の「ど」を感じるからではないでしょうか。

もはやいま使われている「超ド級」は、「ドレッドノート」の「ド」ではなく、「ど迫力」の「ど」なのです。

しかし強調表現というのは、徐々に陳腐化するもの。

やがて、「超ど真ん中」のように、二重に強調する接頭語「超ど」も、一般的になりそうです。

白鵬猫だまし問題

大相撲九州場所10日目に、横綱白鵬が「猫だまし」を使った件を受けて、世間が騒々しくなっています。

賛否両論では「否」が優勢ですが、「賛」も負けてない。久々に、面白い議論になっています。

テロだったら誰もが反対するでしょうし、安保法案ならイデオロギーが絡んで楽しい議論にはなりません。

そこへくると「白鵬猫だまし問題」は、みんなが安心して言い合うことのできるテーマでしょう。

反対意見は、「横綱としてやるべきことじゃない」という、北の湖理事長の苦言(遺言?)に代表されます。

つまり、そのような奇策は「横綱らしからぬ行為」であり、白鵬は「横綱の品格に欠ける」というわけです。

映像を見ていると、気になるシーンが4カ所ありました。

(1)猫だまし1回目、(2)猫だまし2回目、(3)勝った後のにやけ顔、(4)懸賞金でガッツポーズ

このうち(2)以降が無く、猫だましを1回試してみただけなら、戦術の探求だったと思えなくもない。

猫だましは、正式に認められている戦法であり、舞の海しか使ってはならないという規則はありません。

しかし「小さい人が変化しても拍手が起きますが、大きい人が変化すると批判される」と舞の海も言ってます。

大相撲は、単なるスポーツではなく日本の伝統文化であり、そこには守るべき礼儀や作法があるわけです。

その意味では、今回は猫だましよりも、その後のにやけ顔とガッツポーズの方こそ問題だと、私は思います。