インフルエンザワクチンは、例年10月下旬から11月にかけて、接種のピークを迎えます。
今シーズンは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1440.html" target="_blank" title="接種料金">接種料金</a>が上がったり化血研の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1470.html" target="_blank" title="出荷停止問題">出荷停止問題</a>があったりと、全体的には逆風が吹いています。
<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1338.html" target="_blank" title="前にも書いた">前にも書いた</a>ようにインフルエンザワクチンは、昨年までの「3価」から、今年は「4価」になりました。
「4価」ワクチンには、A型2つとB型2つの、4つの株(型)のウイルス抗原が含まれています。
ウイルス抗原というのは、ウイルスの成分タンパクであり、異物です。体内に注射すると免疫反応が起きます。
この免疫反応をからだに覚え込ませ(=免疫獲得)、本番(=本物のウイルス感染)に備えるわけです。
日本の「生物学的製剤基準」では、注射液1ml当たりのタンパク量は240μg以下、という制限がありました。
副作用を防ぐための基準です。従来の「3価」ワクチンは、最大で210μg程度のタンパク含有でした。
これが「4価」になると、単純計算ではタンパク量が3分の4倍に増えるので、基準を満たせなくなります。
かといって「1価」当たりのタンパク量を減らすと、ワクチンの効果が減弱することがわかっています。
そこでこのたび、製剤基準が緩和され、注射液1ml当たりのタンパク量の上限が400μgまで増えました。
さて、タンパク量すなわちウイルス抗原量が増えて、良いことばかりかと言うと、デメリットが2つあります。
(1)製造コストが上がり、ワクチン代、ひいては接種料金が上がった:これは前に書きました
(2)接種部位の局所反応(痛み、腫れなど)が強まる可能性がある
治験時において、接種翌日の腕の腫れは、4価の方が明らかに(統計学的に有意に)大きかったそうです。
私も接種を受けましたが、注射中の痛みが、前よりも強かったような・・・いや、気のせいでしょう。
安心のために言っておきますが、接種翌日の腕の腫れも、それほどひどくはありませんでした。