軽減税率についての議論は、いったい深まりつつあるのか、混乱しているのか。
自民党と公明党、政府と財務省など、あちこちが絡み合っている中で、麻生財務相が時々、混ぜっ返します。
先月は、マイナンバーを使って増税分を還付する、財務省案をぶち上げた挙げ句、
「カードを持ちたくなければ持って行かないでいい。その代わり、その分の減税はないだけだ」
などと語ってブーイングを浴びたり、先日は、
「財務省は(軽減税率は)反対ですよ、本当は(中略)面倒くせえって、みんな言っている」
と、今さらそれ言いますか、とツッコミたくなる発言も飛び出しています。
麻生氏の口も、ますます曲がってきています。財務省の本音に加えて、首相官邸主導への不満もあるようです。
しかし、軽減税率が面倒臭いというのは、誰もが思うところでもあります。
店舗での支払いがややこしくなりそうだし、対象品目の線引きには、利権も絡んでこじれるでしょう。
そもそも、食料品を軽減税率の対象とすることが、はたして格差是正方向に働くのかどうか。
さまざまな要素を勘案しつつ、落としどころを探るわけですが、必ずあちこちに不満は残るでしょうね。
これを昨日の読売は、「バランスをとりながら、連立方程式を解くことになる」と表現していました。
「連立方程式」は言い得て妙です。ただ私は、軽減税率を導入しないという「解」もあると思うのですが。