ビールごくごくCM禁止

ビール業界は、テレビCMにおける「ごくごく」飲む効果音やのど元のアップを、やめることにするとのこと。

「アルコールを我慢している依存症の患者には苦痛」という声に配慮したといいます。そうかなあ。

ごくごく飲む音が苦痛なら、タンブラーに注がれた冷たいビールの映像だけでも、じゅうぶん苦痛でしょうに。

それに、ドラマや映画は飲酒シーンだらけなのに、CMだけ規制して、意味ありますか。

このような自主規制は、業界のアリバイ作りのようなものです。「言葉狩り」にも似た違和感も感じます。

「ビールごくごく」がダメなら、糖尿病で糖質制限をしている人に配慮して「ご飯パクパク」も規制しますか。

業界の今回の取組みは、先月行われた「第7回アルコール健康障害対策関係者会議」の意見に従うものです。

その会議が指摘した問題点のうち、酒類業界に関連するものは次の5つ。

(1)CMでの飲酒シーンの描写が飲酒欲求を煽(あお)る

(2)アルコール代謝に関する日本人の体質的な特徴を踏まえた、広告や注意表示等が今後必要ではないか

(3)女性がターゲットにされている

(4)ジュースと見間違えるような外観でアルコールが売られている

(5)日本でもラベルにアルコールの単位表示があると、飲酒量が把握できていい

このうち(4)(5)はともかく、(1)(3)は言いがかりのようなものです。(2)も疑問だし。

どのような食料品であれ、その飲食を煽るのがテレビCMだと思っていましたが、酒類は例外になりそうです。

ただ淡々と、そのビールの存在だけを告知せよというわけです。それが美味いと言ってはいけないのです。

チビチビと、無表情で、ノドが見えないようにタートルネックを着て飲むのなら、OKなのでしょうか。

タバコのCMと同じ道をたどるとすれば、酒類メーカーはそのうち、マナー広告しか打てなくなるでしょう。