来院の理由

「来院の理由は何ですか」

これは、当院を受診された方に書いてもらう「問診票」の、最初の質問。いわゆる「主訴」を問うものです。

「咳」「熱」「腹痛」など、患者さんがお困りの症状のうちの1つ、またはいくつかを列挙してもらいます。

単語だけ書けば良いのですが、なかには、「熱が出たので」などという丁寧な回答も、しばしば目にします。

「理由は何ですか」という質問に対して、「熱」とぶっきらぼうに答えることが、ためらわれたのでしょう。

「熱が出たので来ました」と、きちんと文を完結される方も、たまにいらっしゃいます。恐れ入ります。

「かぜ」と書かれていることも多いです。「来院の理由は何ですか」「かぜ」です。

「かぜかどうかはワシが決める!」などと、昔の医者のように怒り出すことは、私の場合はありません。

来院の理由を「かぜ」と書くのは、「かぜだと思えるような自覚症状がある」という意思表示だからです。

私にとっては、それも重要な情報です。なぜ、かぜと思ったのか、その根拠を探りながら診察すればいい。

当院の初診用の問診票は、かなり細かい質問事項が多数並んでいます。けっこう面倒くさいと思います。

詳しく書いてもらえば、情報量が増えますが、患者さんにはご面倒をおかけします。

簡略化した問診票だと、結局あとで、あれこれ尋ねなければならず、診察時間が長くなるかもしれません。

どの程度詳しく書いてもらうのがちょうど良いのか、なかなか答が出ません。いまだに試行錯誤です。