風邪と辞書

「インフルエンザに罹りました」と言う人はいても、「インフルエンザを引きました」と言う人はいません。

ところが風邪の場合は『引く』が普通で、「風邪に罹りました」と言われると、微妙に違和感があります。

インフルエンザとは異なり、風邪においては、何らかの感染症に罹患したという意識が希薄なのです。

「運動会で疲れた」とか「湯冷めした」とか「汗をかいたのに着替えなかった」ことで、人は風邪を引きます。

つまり風邪は感染症ではなく、体調の不具合だというニュアンスですが、あながち間違いでもありません。

ウイルスに感染して、それを排除する体力(免疫力)がないとき発病する、という意味では正しいでしょう。

『引く』つながりで言うなら、最近は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1400.html" target="_blank" title="辞書">辞書</a>を引くのがマイブームです。(強引な展開で、すみません)

辞書によると、風邪(の原因)を自分の体に吸い込み受け入れることが、「風邪を引く」ことだそうです。

また、辞書の中から、自分の探し求める事項をピックアップすることが、「辞書を引く」です。

「風邪を引く」と「辞書を引く」には、「自分の方に引き寄せる」という意味合いが共通しています。

真の意味で「辞書を引く」のであれば、辞書から引き出した事柄を、自分の中に取り込まなければなりません。

辞書の引きっぱなし、本の読みっぱなし、ではダメなんですね。肝に銘じます。