喫煙年齢引き下げの怪

選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げるのにあわせて、飲酒・喫煙年齢も18歳に引き下げようという自民党。

自民党の「成年年齢に関する特命委員会」の、トンデモ提言案です。

「18歳から責任を持てるようにした方がいい」というのが、その理由とか。

まさか、飲酒・喫煙も、社会参加のひとつ、という理屈なのでしょうか。

たしかに、社会人でも大学生でも、違法な飲酒や喫煙が18歳ごろから始まることは、実態としてあります。

しかし、その悪しき現状に、法律の方を合わせることはないでしょう。とくに喫煙は大問題です。

党内外からの反発が強いため、委員会は当初案を撤回しました。そりゃそうでしょう。

ただし、「社会的なコンセンサスが得られるよう、国民にも広く意見を聞く」などと、諦めてはいない様子。

選挙権年齢の引き下げには、大きな社会的意義がありますが、飲酒・喫煙年齢の引き下げの意義は何ですか。

産業界の活性化でしょうか、税収増でしょうか。私には、健康被害促進ぐらいしか、思い当たりません。

先進国は揃って禁煙運動を進めているというのに、喫煙者の拡大につながるようなことをして、どうしますか。

依存性があり、健康を害することがわかっている喫煙を、わざわざ若者に広げる理由など、何もありません。

委員会は「医学的見地や社会的影響について、慎重な検討を加える」としています。

であるならば、喫煙可能年齢など、逆にもっと引き上げてはどうでしょう。25歳とか30歳とか、60歳とか。