若い女性の盗撮

「遊び心では許されない…若い女性の中高年盗撮」というニュースの見出しが目に留まり、驚きました。

私はてっきり、若い女性を中高年が盗撮したと思って記事を読んだら、若い女性が中高年を盗撮したのでした。

しかしそれなら「若い女性による、中高年の盗撮」とか「若い女性が中高年を盗撮」などの表記にしてほしい。

普通、「若い女性の盗撮」と言えば女性が被害者、「中高年の盗撮」と言えば中高年が加害者と考えます。

なんとも不公平な話ですが、この固定観念に反する記述をする場合には、特段の配慮が必要なのです。

そもそも、助詞の「の」の意味が、見出し程度の文脈ではわかりにくいのが問題です。

若い女性が加害者なら、「若い女性の盗撮」の「の」は、主格です。「が」で置き換えた方がよいでしょう。

ところで、若い女性が被害者なら「若い女性の盗撮」の「の」は所有格?自信が無いので、辞書を引きました。

その結果、ひとくちに所有格といっても、その中にも、さまざまな使われ方があることを再認識したのでした。

大辞泉の記載をそのまま紹介するのもアレなので、私なりの用例に置きかえて、書き並べてみます。

(1)所有「私の家」、(2)所属「家の庭」、(3)所在「庭の客」、(4)行為の場所「家のBBQ」、(5)時「秋のBBQ」、(6)作者・行為者「私のBBQ」、(7)関係・資格「趣味のBBQ」、(8)性質・状態「高温の炭」、(9)材料「樫の炭」、(10)名称・人名「BBQの神」、(11)数量・順序「多くの炭」、(12)対象「炭の着火」、(13)目標「行楽のBBQ」、(14)比喩「夢のBBQ」

というわけで、答は(12)でした。え、何の答かって?