9月1日は、関東大震災の起きた日にちなんで「防災の日」、防災意識を高める日です。
しかし、阪神・淡路大震災は1月17日に、東日本大震災は3月11日に起きました。
日本列島においては一年中、防災意識を保ち続けなければなりません。
大地震に伴うさまざまな災害をひとまとめにして、「大震災」と呼びます。
「大震災」は「だいしんさい」と読み、「おおしんさい」と言う人はいません。
しかし「大地震」は、「だいじしん」と「おおじしん」の2つの読み方が、世の中に混在しています。
子どもの頃は「おおじしん」しか聞いたことがありませんでしたが、最近は「だいじしん」が主流のようです。
阪神・淡路の翌年にNHKが行った調査では、すでにその時点で「だい」を使う人が8割近かったとのこと。
それなのにNHKはまだ、放送では「おおじしん」と言う規定だそうです。
かく言う私も「おおじしん」派。「だいじしん」には違和感を感じます。考え方が古いのでしょうか。
ルールはあります。「大+漢語」では「だい」、「大+和語」では「おお」と読むのが原則とのこと。
なので「大御所」「大道具」「大所帯」「大騒動」等で「おお」と読むのは、例外的な慣用読みだそうです。
「大ピンチ」のような「大+外来語」でも「だい」と読むので、よそものには「だい」を付けるようですね。
逆に、漢語のうちでも、日本に入ってすっかり馴染んだものが、「おお」と慣用読みされるのかもしれません。
その「大地震」がまた「だい」に戻ってきたのは、なぜなのか。私は次のように推測します。
「大御所」「大道具」「大所帯」「大騒動」は、「おお」の方が「だい」よりも、発音しやすいからです。
「御所」「道具」「所帯」「騒動」の最初の母音が「オ」なので、「おお」につながった方が、楽に言えます。
一方で、「地震」は最初の母音が「イ」なので、「だい」につながった方が、口の動きが少なくて楽です。
では「大火事」はどうか。「火事」の最初の母音は「ア」です。「おお」の方が「だい」よりも少し楽かも。
今後「おおかじ」が「だいかじ」に変わる理由はなさそうです。
ただし「大火事」自体がすたれるかもしれません。やはり今風には、「大火災」でしょうから。