おたふくワクチンの問題

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-626.html" target="_blank" title="おたふくかぜワクチン">おたふくかぜワクチン</a>は、近い将来(2,3年以内?)定期接種ワクチンに組み込まれることになっています。

ワクチンの有効性と安全性は明らかです。だからこそ、日本以外の多くの国で、定期接種が行われています。

かつて日本でも、1989年から93年までの4年間、おたふくかぜワクチンの定期接種が行われました。

諸外国と同様に、生ワクチンを3つ混合した、麻しん/おたふく/風しん混合(MMR)ワクチンの形での接種です。

生ワクチン接種後には、自然感染(病気としてのウイルス感染)と同様の症状が起きる場合があります。

これが<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-264.html" target="_blank" title="副反応">副反応</a>として捉えられます。おたふくかぜワクチンでは、最も問題となる副反応が、無菌性髄膜炎です。

接種3週間後ごろに、高熱・頭痛・嘔吐などの症状で発症しますが、その経過は比較的良好です。

しかし、日本のMMRワクチン接種後の髄膜炎発生率は、1000に1人程度と、欧米の100倍以上でした。

この無菌性髄膜炎の多発が社会問題となり、MMRワクチンの定期接種は中止されました。

某メーカーは、きわめて副反応の少ないデータを出しましたが、ワクチンのすり替え疑惑などが発覚しました。

そうでなくても副反応に過剰に反応する日本人ですが、メーカーの不祥事が火に油を注いだわけです。

ワクチン後進国と揶揄されている日本が、先進国の仲間入りできるとすれば、MMRの再開がカギでしょう。

まずは、現在任意接種で行われているおたふくかぜワクチンの、安全性を再確認して、社会に示すことです。

先月より、おたふくかぜワクチン接種後の副作用調査が、全国規模で始まっています。当院も参加しています。

おたふくかぜに罹れば、数%の率で髄膜炎を発症します。睾丸炎や難聴などの合併症を起こす場合もあります。

子どもの難聴が日本に多いことについて、なぜ予防しないのかと、海外の学者はあきれているそうです。

ワクチンの副反応を無視することはできませんが、おたふくかぜに罹るよりもずっとマシなのです。

こうのとり打ち上げ成功

無人補給機「こうのとり」5号機を載せた「H2Bロケット」が、無事打ち上げられました。

米国やロシアの打ち上げ失敗が続いていただけに、世界中が見守る中での成功でした。

国際宇宙ステーション(ISS)で暮らしている油井亀美也さんたちも、ホッと胸をなで下ろしたことでしょう。

こうのとりが運んだのは、まず、食品や衣類、シャンプーなどの日用品。これで油井さんの髪もサラサラです。

尿を処理して飲料水にするための「水再生システム」のフィルターも届けられるそうです。助かります。

こうのとりは本来、シャンプーやフィルターではなく、赤ちゃんを運ぶとされる鳥です。

5年前に公募によって、「大切なものを運ぶ」というイメージのある、その名前が選定されました。

こうのとり提案者217名の中から、毎回1組ずつ、種子島の打ち上げ見学に招待されるそうです。いいなあ。

さて、こうのとりを題材に、プロはどんな文章を書くのか。後学のため、今朝の新聞コラムを見てみたところ、

編集手帳(読売):中学生の殺害事件

春秋(日経):タイの爆破テロ事件

産経抄(産経):タイの爆破テロ事件

余録(毎日):赤とんぼ激減

天声人語(朝日):灯火管制解除から70年

各紙とも、こうのとりには触れていませんでした。興味ないのでしょうか。

読売は社会問題を、日経・産経は国際問題を取り上げています。

毎日は、なぜ今日書くのか、赤とんぼの減少に警鐘を鳴らし、朝日はいつもの調子です。

ヒゲをこっそり伸ばす

無精ひげは誰からも好かれませんが、きちんと手入れされたひげでも、誰からも嫌われないとは限りません。

なので一般の社会人がひげを伸ばすことは、ある意味チャレンジです。

勤務医時代、私は<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-428.html" target="_blank" title="顔中にひげ">顔中にひげ</a>を生やしていました。顔中とは「くちひげ」「ほおひげ」「あごひげ」全部です。

3カ所すべて「ひげ」ですが、漢字で書くとみな違います。面白いことに、英語でも別の単語を使います。

(1)くちひげ:髭(し)、moustache

(2)ほおひげ:髯(ぜん)、whiskers

(3)あごひげ:鬚(しゅ)、beard

中国最古の漢字字書(ということは、世界最古の漢字字書)である『説文解字』によれば、

(1)髭:口上の須(ひげ)なり

(2)髯:頬の須(ひげ)なり

(3)鬚=須:面の毛なり

どうやら、ひげを全部ひっくるめて「須」のようです。さらに言うなら、「彡」がひげを表すようです。

よく見ると「鬚」の字は、「彡」を2つ含んでいるじゃないですか。

日本では、いつ頃から使われている漢字だろうと調べたら、日本書紀に記載があるそうです。

素戔嗚尊(スサノオノミコト)が、『乃拔鬚髯散之 即成杉』(ひげを抜き散らしたら杉になった)と。

ちなみにその後、胸毛や眉毛や尻毛も抜いて、それぞれ樹木を生み出しているようです。

スサノオの絵(想像図)を見ると、顔中ひげだらけですが、くちひげ(髭)は使わなかったのでしょうか。

考えてみると、古代の歴史上の人物(男性)はみな、顔中にひげをたくわえています。大国主命も神武天皇も。

ならば日本人においては、髭・髯・鬚すべてを生やすことこそ、正装ではなかろうかと、考えたりもします。

しかし、ダンディーでありながら不潔感のないひげ面というのは、なかなか難しいものです。

現在私は髭(くちひげ)を生やしていますが、他の部位のひげも伸ばそうかどうしようかと、思案中なのです。

とりあえず、日頃マスクに隠れる範囲だけ、髭のほかに鬚をこっそりと、伸ばしつつあるところです。

IKEAが来るけど

「IKEA熊本」が、今秋にもオープンすると報じられました。しかも、当院のすぐ近所です。

出店するのは、いまは「雑貨屋ブルドッグ」と「ブックオフ」がある場所のようです。

いまごろ、閉店セールでもやってるかもしれないと思い、あわてて行ってみたら、すでにもぬけの殻でした。

IKEA熊本は、国内初の「ピックアップポイント」という業態で、他の店舗から商品を取り寄せる方式だとか。

それって、現物を見ないで買うという意味では、通販みたいなものですか。なんか、つまんないかも。

そもそも私は、IKEAがあまり好きではありません。あのテーマ別モデルルーム形式に、馴染めません。

目的とする家具を、じっくり見比べて選ぶことができないからです。

ちょうど、IKEA出店予定地のすぐ近くに、「ニトリ」があります。これはこれで、私の好みではありません。

近所の「アウトレットX」も、あまり行く店ではありません。ただし院長室のソファーは、そこで買いました。

「ビッグウッド」には、怖いモノ見たさで1度行きました。大地震が起きたら大変ことになりそうな店でした。

自宅近くには、その名も「家具YA」という家具屋があります。夏に行くと、地獄のように暑いです。

家具を吟味して買うときは、やはり安値をウリにしている店では、なかなか納得できる品がありません。

逆に、安さ重視で棚などを購入するときには、通販の方が手軽です。

IKEAのピックアップポイントは、通販の手軽さと、持ち帰りの安さとの、いいとこどりになるのでしょうか。

それとも、現物は無いわ、持ち帰る必要はあるわの、中途半端な店になるだけなのか。

プリンタを修理に出す

プリンタが故障したので、新たにキヤノンのA3プリンタを購入したいきさつは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1393.html" target="_blank" title="前に書いた">前に書いた</a>とおり。

快調に稼働していますが、今日はその、後日談です。

故障した古いプリンタを、そのまま放置しておくのはもったいないという、ケチな気持ちが湧いてきたのです。

安く修理できたら、ラッキーじゃないですか。とりあえず、見積りしてもらおうと、電器店に持ち込みました。

その数日後、電器店の本店のサービス部門から電話連絡がありました。

店「メーカーでは修理不能とのことです。新品のプリンタに交換することもできますが、1万円かかります」

私「新しいプリンタを買ったばかりなのです。同じようなプリンタが、2台あってもしょうがないでしょう」

店「それならば、修理は中止とさせていただきます」

そこでいったん、電話を切りました。いくら新品と交換とはいえ、1万円払うのはアホらしいと思ったのです。

ところがよく考えてみると、そのプリンタの実売価格は、安い通販サイトでも2万円以上します。

これが1万円で手に入る機会を、みすみす逃すわけにはいきません。あわてて、私の方から電話しました。

私「先ほどの者ですが、まあ、あれですね、やはり、新しいプリンタに交換してもらいましょうか」

店「もうすでに、新しいプリンタを購入されたとお聞きしましたが」

私「2台あったらあったで、何か役に立つ場合もあると思うんですよ」

たぶん店の人は、ニヤッとしていたでしょう。

ちょうど、「日野の2トン」のCMの、とんかつ屋のリリー・フランキーの、あの表情だったと思います。

訛なつかし診療所

日々の診療の仕事をまとめるなら、少なくとも私の場合、診て、話して、書く、の3つが基本です。

(1)診る=見て(視診)、聞いて(問診)、聴いて(聴診)、触れる(触診)。検査も含む。

(2)話す=私の思うところ(診断内容や治療計画、見通しなど)を伝える。世間話も含む。

(3)書く=診療内容を記録する(電子カルテとミニカルテに)。登園許可証などの書類も含む。

毎日毎日、個人面談してるみたいなもんだなあ、とも思います。そしてその人数は、年間2万人を超えます。

元来私はおしゃべりな人間ではないし、むしろ寡黙な方なのですが、どういうわけか、今は面談が仕事です。

考えてみたら、朝から晩までしゃべり続けてます。

あるとき患者さんに、「先生、山口のご出身でしょう?」と、当てられてしまいました。

その方も、山口県人でした。どうやら私のイントネーションが、同郷の人には「わかる」ようです。

当院の隣には「ゆめタウン」があり、道路の向かいには「デオデオ(今はエディオン)」があります。

いずれも、広島に本社・本店のある企業なので、従業員には広島出身の方も多いようです。

ご近所なので、従業員の方が、当院を受診されることもしばしばあります。

そのような方と話していると、まるで実家の親と会話しているかのような、懐かしい気持ちになります。

広島県人と山口県人って、同じ中国人(中国地方人)どうし、イントネーションがよく似ているのです。

もしかすると患者さんの方が、「ふるさとの訛なつかし診療所」に、来てくれているのかもしれません。

日本のいちばん長い日

天皇陛下は、全国戦没者追悼式において、「さきの大戦に対する深い反省」という言葉を述べられました。

昨日の首相談話よりも、ずっと直接的な表現です。

映画「日本のいちばん長い日」では、戦争終結を決意した昭和天皇とその周囲の葛藤が、描かれています。

70年前の日本で起きたことを再認識するため、終戦の日の今日、この映画を観ることにしました。

同名の映画(67年)を、子どもの頃にも観ました。戦争終結前夜の緊迫したドラマに、驚いた記憶があります。

前作は、玉音放送を巡る攻防が中心の内容でしたが、本作は、終戦までの状況をもう少し長く描いた物語です。

さて、近所の映画館の座席を予約しようとサイトを見ると、あろうことか、この映画を上映していないのです。

ジュラシックやライダーやミニオンズやポケモンやバケモノは、やってるのに。ていうか、カタカナ多いです。

熊本で「日本のいちばん長い日」を観ることは、インポッシブルなのでしょうか。

いや大丈夫。上映している映画館を見つけました。遠いし暑いので、自転車ではなく車で行くことにしました。

もしも、自転車で行って汗だくで館内に入ったら、「日本のいちばん臭い映画館」になるからです。

映画館は久しぶりでした。あの、暗い雰囲気。本編上映前の予告編を見るうちから、ドキドキしてきます。

その緊張感を、「鷹の爪」とか「ロペ」とか「貝社員」とかのアニメが、微妙にほぐしてくれます。

昼ごろ映画が終わりましたが、勢い付いてしまい、次は「ジュラシック・ワールド」を観ることにしました。

豪華2本立てです。おかげで「お尻のいちばん疲れた日」になりました。

戦後70年談話

戦後70年にあたっての総理大臣談話が閣議決定され、夕方の記者会見で、安倍首相自らが読み上げました。

4つのキーワード「植民地支配」「侵略」「反省」「お詫び」は、ひととおり盛り込まれたようですが・・・

(1)「植民地支配」は3回登場。

ただし、そのうち2回は、西洋諸国による、アジア・アフリカの植民地支配の話。これはカウント外です。

あとの1回は、「植民地支配から永久に訣別(略)しなければならない」という、一般論でした。

日本が植民地支配をしたという表現は、出てきません。

(2)「侵略」は1回。

まず、「何の罪もない人々に、計り知れない損害と苦痛を、我が国が与えた事実。」という文が登場。

日本の侵略を意味する表現ですが、侵略という言葉は使っていません。それから6つほど文を挟んだ後に、

「事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も(略)もう二度と用いてはならない」という文章が登場。

さきほどの「我が国が与えた」という記述からは距離があり、一般論として述べる形になっています。

(3)「反省」「お詫び」も各1回。

「我が国は(略)、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました」

過去に何度も反省しておわびしてきたでしょ、ってこと。いまの反省・おわびではなく、あくまで過去形です。

「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」

もう今回で、謝罪は終了するようです。いや今回も、明確な謝罪はしてないかもしれませんが。

(4)慰安婦問題について

「戦場の陰には、深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも、忘れてはなりません」

「戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を、この胸に刻み続けます」

この2つが、慰安婦問題に触れたギリギリの表現です。かなり婉曲です。

キーワードはとりあえず盛り込みました、て感じ。表現が間接的で、どうせまた批判を浴びるのでしょう。

しかし私は、まずまずの出来だと思います。もうホントに、近隣諸国のみなさん、そろそろ前進しましょうよ。

トースターのタイマー

大学の1,2年の頃は、下宿に住んでいました。大家さんの家の2階に、学生用の部屋が6つある構造です。

学生なので夜更かしします。腹が減ると私は、「ブルボンルマンド」などの菓子類を食べていました。

真夜中にしばしば、トースターのタイマーが切れる「チン!」という音が、聞こえてきました。

同じ下宿の奥野君が、食パンを焼いている音です。彼は小腹が空くと、トーストを食べる習慣だったようです。

夜間にラジオやカセットで音楽を聞くときには、階下の大家さんに遠慮して、音量を下げていました。

なので深夜は、他の部屋の物音が良く聞こえるのです。

それから何十年か経ちましたが、哀愁漂うトースターの「チン!」は、いまだに健在です。

ヒーターとぜんまいバネ式タイマーで構成されている、アナログな家電なので、電子音は似合いません。

ぜんまいバネは、遊びが大きいので、ある程度大きく動かさなければ、正確な作動時間になりません。

いったん5分以上などに回した後、1分とか2分とかに合わせ直す必要があるのは、そのためらしいです。

最近「バルミューダ」という会社のトースターが評判です。買いました。新しもの好きなので。

庫内温度の調整が高度にプログラムされている、ハイテクトースターです。タイマー音も当然、電子音。

電子制御なのに、タイマーはダイヤル式。操作が直感的です。こういうところでデジタルでは、ダメなのです。

電子タイマーなので、いったん5分以上に上げる必要もありません。

操作ボタンは最小限、シンプルでむしろアナログなデザイン。これがハイテク家電のトレンドかもしれません。

Appleの研究所

Appleが横浜に、米国外では最大級の研究所を作ろうとしています。来月中旬には着工予定とのこと。

閉塞感のある日本から抜け出したい技術者・研究者からみれば、ちょうど良い受け皿になるかもしれません。

米国企業だけど国内で働けるから、躊躇なく移籍できます。それが日本にとって良いことかどうかは別ですが。

研究所の予定地が、パナソニックの工場跡地に計画されているというのが、いかにも象徴的です。

日本はイノベーションにおいて、少なくとも今世紀はいまのところ、米国におくれを取り続けています。

iPhoneの中には日本製の中核部品がたくさん含まれていますが、完成品は日本の製品ではありません。

勤勉で、器用で、丁寧で、技術には優れていても、飛躍的な発想がなかなか、いまの日本から出てきません。

発明王エジソンは、「発明とは、1%のひらめきと、99%の汗(努力)である」と言いました。

単なるひらめきでは、発明は生まれない。努力が必要なのだと。努力こそが大事なのだと。

しかし考えようによっては、汗(努力)だけでは発明は生まれない、ということもできます。

徹底的に努力した上で、最後に、ひらめきが必要なのだという解釈です。

日本人は勤勉を美徳とし、伝統を重んじ、和を尊ぶがために、個人のひらめきを軽んじる傾向があります。

Appleの研究所が、日本の若者のイノベーションを刺激するものであってほしいです。