村上春樹氏の自伝的エッセイ『職業としての小説家』が、9月10日に発売されます。
その初版10万冊のうちの9万冊を、紀伊國屋書店が出版社から買い取るというニュースに、驚きました。
じゃあ、紀伊國屋に行かなければ手に入らない、レア本になるのでしょうか。調べてみると目次には、
「さて、何を書けばいいのか」「どんな人物を登場させようか?」「誰のために書くのか?」
などと、そそられる言葉が並びます。コレさえ読めば、ブログなどスイスイ書けそうな気がしてきました。
紀伊國屋は9万冊のうち3,4万冊を自社で売り、残りを他社の書店に供給する予定とのこと。しかも、
「初版の大半を国内書店で販売しネット書店に対抗する」
と明言しているそうで、Amazonに対する敵意がむき出しです。
Amazonが扱うことができるのは、残り1万冊のうちの一部だけになりますが、サイトを見ると、
「ただいま予約受付中です」
と、いつも通りの平然とした態度。大量仕入れのあてでもあるのか、それともただの強がりか。
一方で、出版元の「SWITCH PUBLISHING」のサイトを見ると、次のようにアナウンスされています。
「紀伊國屋書店さまが幹事となって(略)他社の書店の配本部数をとりまとめていただけることになりました」
「弊社は(略)ネット書店とも流通の協力を得て、今後も雑誌、単行本の発行発売を続けていく所存です」
なんか微妙。紀伊國屋を持ち上げつつも、ネットを敵には回したくない雰囲気です。
どうなってるんでしょうね、今回のいきさつって。紀伊國屋が、一人で息巻いているようにも見えますが。