訛なつかし診療所

日々の診療の仕事をまとめるなら、少なくとも私の場合、診て、話して、書く、の3つが基本です。

(1)診る=見て(視診)、聞いて(問診)、聴いて(聴診)、触れる(触診)。検査も含む。

(2)話す=私の思うところ(診断内容や治療計画、見通しなど)を伝える。世間話も含む。

(3)書く=診療内容を記録する(電子カルテとミニカルテに)。登園許可証などの書類も含む。

毎日毎日、個人面談してるみたいなもんだなあ、とも思います。そしてその人数は、年間2万人を超えます。

元来私はおしゃべりな人間ではないし、むしろ寡黙な方なのですが、どういうわけか、今は面談が仕事です。

考えてみたら、朝から晩までしゃべり続けてます。

あるとき患者さんに、「先生、山口のご出身でしょう?」と、当てられてしまいました。

その方も、山口県人でした。どうやら私のイントネーションが、同郷の人には「わかる」ようです。

当院の隣には「ゆめタウン」があり、道路の向かいには「デオデオ(今はエディオン)」があります。

いずれも、広島に本社・本店のある企業なので、従業員には広島出身の方も多いようです。

ご近所なので、従業員の方が、当院を受診されることもしばしばあります。

そのような方と話していると、まるで実家の親と会話しているかのような、懐かしい気持ちになります。

広島県人と山口県人って、同じ中国人(中国地方人)どうし、イントネーションがよく似ているのです。

もしかすると患者さんの方が、「ふるさとの訛なつかし診療所」に、来てくれているのかもしれません。