戦後70年にあたっての総理大臣談話が閣議決定され、夕方の記者会見で、安倍首相自らが読み上げました。
4つのキーワード「植民地支配」「侵略」「反省」「お詫び」は、ひととおり盛り込まれたようですが・・・
(1)「植民地支配」は3回登場。
ただし、そのうち2回は、西洋諸国による、アジア・アフリカの植民地支配の話。これはカウント外です。
あとの1回は、「植民地支配から永久に訣別(略)しなければならない」という、一般論でした。
日本が植民地支配をしたという表現は、出てきません。
(2)「侵略」は1回。
まず、「何の罪もない人々に、計り知れない損害と苦痛を、我が国が与えた事実。」という文が登場。
日本の侵略を意味する表現ですが、侵略という言葉は使っていません。それから6つほど文を挟んだ後に、
「事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も(略)もう二度と用いてはならない」という文章が登場。
さきほどの「我が国が与えた」という記述からは距離があり、一般論として述べる形になっています。
(3)「反省」「お詫び」も各1回。
「我が国は(略)、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました」
過去に何度も反省しておわびしてきたでしょ、ってこと。いまの反省・おわびではなく、あくまで過去形です。
「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」
もう今回で、謝罪は終了するようです。いや今回も、明確な謝罪はしてないかもしれませんが。
(4)慰安婦問題について
「戦場の陰には、深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも、忘れてはなりません」
「戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を、この胸に刻み続けます」
この2つが、慰安婦問題に触れたギリギリの表現です。かなり婉曲です。
キーワードはとりあえず盛り込みました、て感じ。表現が間接的で、どうせまた批判を浴びるのでしょう。
しかし私は、まずまずの出来だと思います。もうホントに、近隣諸国のみなさん、そろそろ前進しましょうよ。