国立感染症研究所・村山庁舎の「BSL-4施設」の稼働について、厚労相と武蔵村山市長が合意したようです。
有効な治療法がなく、とくに致死率の高い病原体を「バイオセーフティー・レベル4 (BSL-4)」に分類します。
エボラウイルスもそのひとつ。これらを扱うことのできる研究施設が「BSL-4施設」です。
この施設の使命は、以下の3つあると考えられています。いずれも重要です。
(1)BSL-4病原体による感染症が発生したときの診断
(2)BSL-4病原体の基礎研究・診断法・ワクチン・治療薬の開発
(3)BSL-4病原体研究者の育成
世界中にBSL-4施設は、41カ所あるそうですが、先進国でそれが稼働していないのは、日本だけだそうです。
建設はしたものの、周辺住民からの反対によって、稼働ができずにいるわけです。
そもそも、日本にわずか2施設しか存在しないこと自体が、何をか言わんやです。しかも稼働していない。
では、他の国々では、住民の反対運動はなかったのでしょうか。そんなことはないでしょう。
施設の意義について、国が住民を説得し、住民が納得したからこそ、その国では稼働できているわけです。
ところが日本では、それができませんでした。住民を納得させられなかったからです。
これはちょうど、HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の勧奨接種の差し控えと同じです。
日本人は、目の前の危険(ワクチンであれば副反応)ばかりが気になって、本来の目的を見失しないがちです。
建設から30年以上を経て、BSL-4施設が稼働に至ったのは、良くも悪くも、安倍政権の力かもしれません。
日本を、感染症のアウトブレイクやバイオテロから守ろうという、ある意味、国防のためとも思えてきます。