禁煙外来の成功率

禁煙補助薬「チャンピックス」を使った「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-50.html" target="_blank" title="禁煙外来">禁煙外来</a>」を、当院で行っています。

計5回の通院により、12週間にわたって内服を継続する治療です。

毎年7月に、前年度に禁煙外来を受診した患者数と、禁煙成功率を、厚生局に報告することになっています。

このたび報告した当院での成功率は、74%でした。

では、なにをもって「禁煙に成功した」と判定するのか。厚生局に「成功」として報告する際の基準は、

(1)計5回の禁煙治療の終了時点で、4週間以上の禁煙に成功している者

(2)5回の指導を最後まで行わずに治療を中止した者のうち、中止時に禁煙していた者

まず(1)の方。いちおう禁煙成功と言えますが、治療終了後に喫煙を再開する方も、少なくありません。

まあしかし、(1)が禁煙外来における禁煙成功の定義というのなら、それでいいでしょう。

問題は(2)です。5回目までは来院されず、4回目までのどこかの時点で、治療を中断してしまう方。

最終来院時点で禁煙できていれば、成功と判定するという規則ですが、それでは過大評価しがちです。

なぜなら(2)には、2パターンあると考えられるからです。

(2-A)禁煙成功を確信したので、これ以上の通院は医療費のムダと考え、自己判断で治療を切り上げた

(2-B)最終来院後に喫煙してしまったので、禁煙治療の継続を諦め、その次の予定日に受診しなかった

さらに言うなら、(2-A)の方でも、禁煙成功とばかりは言えません。

(2-A-a)禁煙成功を確信して、自己判断で治療を切り上げ、その後も禁煙を継続している

(2-A-b)禁煙に成功したと思って通院をやめたが、結局その後、また喫煙を再開してしまった

集計すると(1)よりも(2)の方が、圧倒的に多い。はたして皆さん、本当に禁煙できているのかどうか。

あとで電話で問い合わせて、確認してもよいのですが、なんか禁煙を疑っているようで、気が進みません。

多数決と民主主義

「衆院で(与党が)2/3の議席数を占めているにもかかわらず、なぜ『強行採決』なる言葉が使われるのか」

元米国外交官のケビン・メア氏の発言。おっしゃる通りですけどね。まあ、外国人にはわからないでしょう。

日本は「和を以て貴しと為す」の国なので、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1380.html" target="_blank" title="今回の法案">今回の法案</a>に限らず、杓子定規な<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1269.html" target="_blank" title="多数決">多数決</a>にはなじめないのです。

とは言え、議会制民主主義(間接民主主義)である以上、国政は国会議員の判断にゆだねるしかありません。

そもそも、自分たちが選んだ議員による多数決に賛同できないというのも、おかしな話なのです。

それがどうしても不満なら、次の国政選挙のときに、意思表示するしかありません。

間接民主主義がいやなら、直接民主主義という手もあります。国民投票です。

しかし、重要なことを国民が直接判断することなど、日本人の不得意な分野です。何も決まらないでしょう。

まれには、熱病に冒されたかのように、ひとつの方向に国民が突き進む場合もあります。戦前のように。

「もともとあのスタイルは嫌だった」

新国立競技場計画の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1382.html" target="_blank" title="白紙撤回">白紙撤回</a>を受けての、森元首相の発言。ていうか、いま頃それ言いますか。

見た目はタヌキおやじなのに、まるでイソップのキツネのような負け惜しみじゃないですか。

私も、あのヘルメットは嫌いでした。そもそも、日本人全体のコンセンサスは、得られていたのでしょうか。

審査委員長だった建築家の安藤忠雄氏はすごい人なのに、最近の報道を見れば見るほど、ガッカリしてきます。

出直しプランの最終選考は、国民投票で決めてみてはどうでしょう。デザインも建設費用も込みで。

とは思ったものの、国民投票を1回行うのに、850億円の経費がかかるとのこと。それじゃ本末転倒ですかね。

子連れ出勤

少子化対策のためには、育児世代の労働環境を改善する工夫が必要です。「子連れ出勤」もそのひとつ。

子連れでそのまま勤務できる職場なら、託児所を作らなくてもよいので、導入は比較的容易です。

ただしそのためには、職員みんなの理解が必要です。業種によっては、なかなか難しいかもしれません。

当院は、子連れ出勤を奨励しています。幼児・児童のいるスタッフが、土日などに子連れ出勤します。

小児科診療を行っている当院で、誰かの子どもがチョロチョロしても、たとえ泣いても、違和感はありません。

子連れスタッフ(つまり母親)は、多少手が取られるので、業務が100%円滑に行われないかもしれません。

しかし、欠勤や遅刻・早退が回避できるので、職員本人も私も他のスタッフも、それぞれ助かります。

最近、ある報道番組が子連れ出勤を特集して、事実とはやや異なる報じ方をしたことが、問題になっています。

取材を受けたその会社では、職員の子どもが遊ぶのを、他の職員が迷惑しているように描かれていたそうです。

しかし実際には、職員の理解もあって、職場に子ども達がいても、みな慣れて平気とのこと。

放送を見たその会社の社長が、番組内容や趣旨が事実とは異なることに驚き、ブログで訴えたのででした。

子連れ出勤の問題点が、過剰に浮き彫りにされるように、番組は意図的に編集されていたというわけです。

「子連れ出勤には課題も多く、現状のままでは導入は進みにくい」と、問題提起したかったのでしょうか。

ただそれを言うにしても、捏造まがいの編集をするのはルール違反。サンゴ事件と同じです。

芥川賞と本屋大賞

又吉直樹の『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1354.html" target="_blank" title="火花">火花</a>』が、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-165.html" target="_blank" title="芥川賞">芥川賞</a>を受賞しました。まさかとは思っていましたが、驚きましたね。

よく考えてみると、芥川賞受賞作を受賞決定前に読んだのは、『火花』が初めてかもしれません。

もう1人受賞した羽田圭介の「スクラップ・アンド・ビルド」も、ぜひ読んでみようと思います。

問題は、古舘伊知郎氏でしょう。2日前の報道ステーションでのコメントが、批判を浴びています。

「芥川賞と本屋大賞の区分けがだんだん無くなってきた気がするんですけどね」

「僕なんかの年代は『あれ?』っていう感じもちょっとするんですけどね」

何それ。「あれ?」って言いたいのは、こっちの方ですよ。もちろん、あなたに対して。

世間は「又吉に失礼」とか「本屋大賞に失礼」とか「『火花』読んだのか」などと、古舘氏を非難しています。

しかし私の考えは異なります。

芥川賞は、著名な選考委員が選ぶ、純文学の新人賞。本屋大賞は、全国の書店員が選ぶ、いちばん売りたい本。

2つの賞は、趣旨も違えば選考者も違います。区分けの有り無しをいうこと自体が、ナンセンスです。

それぞれの選考基準にかなえば、ひとつの作品が両方の賞を獲ることだって、あり得るわけですから。

それよりも糾弾されるべきは、古舘氏がしばしば口にする、わかった風な皮肉です。いつもムカつきます。

それでも私が毎晩報道ステーションを見ているのは、私とは異なる考えの人の意見も聞いてみたいからです。

ムカつきながら視聴するスタイルが、私は好きなのかもしれません。

競技場白紙撤回へ

ほらね。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1378.html" target="_blank" title="4日前">4日前</a>に予言したとおり、「週末に白紙撤回」という展開となりました。

整備費が2,520億円に膨らんで、国民の大多数が批判的になっている、新国立競技場のことです。

安倍首相は「現在の計画を白紙に戻し、ゼロベースで計画を見直す。そう決断いたしました」と述べました。

ザハ案の修正や縮小ではなく、白紙に戻して見直すとは、予想以上に潔い判断です。

1か月ほど前から検討を進めてきたそうですが、白紙撤回の表明は、まさに今日のタイミングとなりました。

低下した安倍政権の支持率を、少しでも回復させるためだと報じられていますが、それは少し違います。

政権支持率が下がることがわかっていたからこそ、このタイミングまで白紙撤回を温存していたのです。

これがもしも、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1380.html" target="_blank" title="安保関連法案">安保関連法案</a>の強行採決よりも前だったら、逆効果になるところでした。

人間というものは、「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1280.html" target="_blank" title="善人の悪行">善人の悪行</a>」には厳しく、「悪人の善行」には好意的なのです。

昨日まであれだけ大騒ぎした安保関連法案について、今日のニュースではあまり報じていませんでした。

ま、結果オーライです。どうせ見直すなら、この際きっちり1,300億円で済ませてもらいたいものです。

フタを開けてみたら、結局2,200億円、なんてことはナシですよ。

粛々と、しっかりと

安保関連法案が、衆院本会議で可決されました。この件を2日連続で書きたくもないので、別の話題を。

政治家などが使う、独特の無味乾燥な言い回しを、考察してみました。

昔からあるのは、「前向きに検討する」とか「善処する」などの、「後ろ向き」な表現。

しかし最近は、取り組みの質や迅速性を表明する言葉が目立ちます。

【粛々と】

一見誠実そうで、「厳粛に」といったイメージですが、問答無用で突き進むニュアンスもあります。

沖縄県知事から「上から目線」だと叩かれたことは、記憶に新しいところです。

【スピード感をもって】

スピードはないけれど、スピーディーに成し遂げたい気持ちだけは汲んでください、的な言葉。

急ぐつもりがないときに使います。

【しっかりと】

それなりにやりますけど、結果は期待しないでね、というニュアンス。最近いちばんよく聞く言葉です。

「頑張ります」ぐらいの意思表示です。

政治家は、言質を取られないように、物事を確約する表現を避けて、努力する態度だけをアピールします。

この数年、国会で何か具体的に約束して、しかも確実に守ったのは、野田前首相の解散表明ぐらいでしょう。

安保関連法案委員会可決

安保関連法案が本日、衆議院の平和安全法制特別委員会で採決され、与党単独の賛成多数で可決しました。

審議では民主党議員がまず「国民の皆さまの理解が、全く進んでいると思われない」とジャブをかまします。

すると安倍首相は「現在まだ、国民のご理解が進んでいないのも、事実であります」と、あっさり認めます。

それでも採決を行うのは、最終的な法案成立までに国民の理解が進めばそれでいいのだ、という考えです。

そして強行採決。野党議員は総立ちで委員長席に詰め寄ったり、マイクを奪ったり、プラカードを掲げたり。

委員長「賛成の諸君の起立を求めます」→与党議員起立→「起立多数、賛成多数をもって成立されました」

これを何度か繰り返します。

起立した与党議員と、元々立っていた野党議員。全員が立っているので、あたかも「全会一致」の様相です。

この画像がネットで、「まさかの全会一致」などと、面白おかしく拡散しているのが笑えます。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-785.html" target="_blank" title="前にも書いた">前にも書いた</a>ように、採決時の「起立」は、「着席状態から起立」することによってカウントされるようです。

「立ちっぱなし」は、ノーカウントなのです。

文頭の「なので」

文頭に「なので」を持ってくるなど、数年前までは許せないと思っていました。でも、慣れますね。

なので最近は、私も使います。ただし、話し言葉で使うのにはまだ、抵抗があります。使うのはブログだけ。

少し古いですが、2008年のNHKの調査によると、「文頭なので」を使うのは、30代までのようです。

それから7年経ったので、おおむね40代までは、この言葉を違和感なく使っているはずです。

「なので」は、「だから」とか「したがって」とか「そういうわけなので」と、置き換えることができます。

その意味で、使い方にバリエーションはなく、意味を取り違えることもなさそうです。

とは言え、若者言葉はどんどん応用範囲が広がり、元の意味を超越していきます。

文頭で使うはずもなかった「ていうか」も、すでに若者言葉として定着しています。用法を挙げてみると、

(1)換言:「あまり好きじゃない。ていうか嫌い」・・・「むしろ」の意味。

(2)反論:「ていうか、お前こそどうするんだよ」・・・「それよりも」の意味。

(3)転換:「ていうか、お腹すいてない?」・・・「ところで」の意味。

私がブログで使うのは(1)です。会話なら(2)もあるかもしれません。でも(3)は無理。

ところがそれどころか、なんの脈絡もなく、会話を「ていうか」で始める用法もあるとか。

ブログを、いきなり「ていうか」から書き始めるようなものです。いつか、実験的に使ってみようかな。

競技場白紙撤回する?

予算が2520億円にも膨らんだ、新国立競技場問題。このまま強行でしょうか。

計画見直しの声は、世論調査で80%を越えています。

だいたいあのデザイン。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1033.html" target="_blank" title="去年">去年</a>自転車のヘルメット買った時から、なんかオカシイと思ってました。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-212.html" target="_blank" title="イデオロギー">イデオロギー</a>の異なる新聞各紙も、口を揃えて批判しています。社説から拾ってみると、

朝日:このまま見切り発車してはならない。後世に残す国民の財産をめぐる議論はまったく尽くされていない。

毎日:巨大な「負の遺産」となることが誰の目にも明らかなのに本当にこのまま突き進むのか。

日経:これほど無謀な国家プロジェクトがいっさいの見直しもなく進行する事態に、あぜんとするばかりだ。

読売:財源のメドすら立たないまま、建設へと突き進む。あまりに愚かで、無責任な判断である。

産経:総工費は際限なく膨らみ、財源の見通しも立たない。さすがにこの計画は無理ではないか。

政権寄りの産経は「さすがに」という副詞を付けて、微妙に控えめですが、他紙は全面的な批判態度です。

安保法制の整備は、内容といい、やり方といい、必ずしも賛同できることばかりではありません。

それでも安倍首相は、たとえ支持率を下げても、いま成し遂げておきたいという思いなのでしょう。

しかし新国立競技場は、どのイデオロギーをもってしても、誰もがこぞって反対しています。

これこそ、今すぐ白紙撤回すれば、拍手喝采を浴びる絶好のチャンスですよ、安倍さん。

だいいち、新国立競技場のデザインを決めたのは、民主党政権じゃないですか。

もしかすると、いざというときの支持率回復の秘策として、安倍首相はこれを温存しているのでしょうか。

となると、首相が切り札を切るのは、安保関連法案が衆院本会議で採決された直後。今週末か。

7月の民放ドラマ

番組改編の時期です。この7月から、民放各局では新たなテレビドラマがいくつか始まったようです。

日頃、NHKの「花燃ゆ」と「奇皇后」は毎週見ていますが、それ以外のドラマまで見る時間はありません。

がしかし、このたび後学のため、各ドラマの初回放送を録画して、1.5倍速でまとめ視聴してみました。

【デスノート】(日本テレビ、日曜22時半)(関東地区視聴率16.9%)

犯罪者に感情移入できる、ダークなドラマ。若者向け。展開に工夫がなければ、すぐ飽きそうです。

【ホテルコンシェルジュ】(TBS、火曜22時)(9.4%)

昔のドラマ「ホテル」の二番煎じ。ホンワカして、ちょっと泣かせますが、毒にも薬にもなりません。

【花咲舞が黙ってない】(日本テレビ、水曜22時)(14.7%)

池井戸潤原作の銀行モノ。「半沢」の女版。キャストもいいし面白い。マンネリにならなければいいですが。

【リスクの神様】(フジテレビ、水曜22時)(7.0%)

硬派な社会派ドラマ。クセのあるキャスト。視聴率は低かったようですが、私は好きです。期待してます。

【37.5℃の涙】(TBS、木曜21時)(7.2%)

タイトルが気になって見ました。「病児保育士」が主人公というのは珍しい。まあ、それだけ。

【エイジハラスメント】(テレビ朝日、木曜21時)(9.7%)

単なるオフィスドラマと、見くびってましたが、脚本はうまい。内館牧子は、あなどれません。

【探偵の探偵】(フジテレビ、木曜22時)(11.9%)

題材には興味が湧きました。サスペンス? 今後の展開しだいでは、そこそこ面白くなるかも。

2回目も見ようと思ったのは「リスク」と「花咲」。大企業の裏側を描いた、硬派ドラマが好きなのです。

なお、「ど根性ガエル」は見ませんでした。