台風は縦断か横断か

台風12号は、九州の西側をかすめた後、熱帯低気圧に変わりました。今後さらに東向きに進むようです。

今朝のNHKニュースでは、台風が日本海に抜けた後、中国地方を「横断」する可能性もあると言ってました。

でもそれは、「横断」じゃなく「縦断」ではないの?、というのが今朝からの疑問。

中国地方は、西端に山口県、その東に広島・島根、その東に岡山・鳥取、という、東西に細長い形です。

台風が西側から中国地方に上陸するとすれば、おおむねその長辺に平行に進んでいくと考えられます。

これは「縦断」と呼ぶべきです。「横断」というのは、長辺に垂直に通過する場合の表現だからです。

たしかに、中国地方を台風が「横断」することも、ときどきあります。

たとえば、日本の南方から四国に上陸して瀬戸内海に抜け、中国地方に再上陸して日本海に抜ける場合です。

この場合は、四国地方と中国地方の両方を「横断」したということになります。

もしも台風が、日本海側から中国地方を「横断」するとすれば、瀬戸内海に抜けなければなりません。

そんなおかしな動きを、NHKは予想していたのでしょうか。そうではありません。

日本列島は弓なりですが、おおむね南北が「縦」で、東西が「横」というイメージがあります。

だからNHKは、中国地方に西から接近する台風のことを、うっかり「横断」と言ってしまったのでしょう。

しかし東西に長い中国地方は、東西が縦なのです。そこのところを、忘れないでもらいたい。

元中国人(中国地方人の意味)として、ひとこと言わせていただきました。