「楽しいです」の違和感

「大型書店というのは、具体的な購入目的があってもなくても、ただ本を見て回るだけで楽しいです」

と書くと、「楽しいです」が幼稚な感じがして、「楽しいですね」とか「楽しいものです」にしたくなります。

ほかにも、「大きいです」や「美味しいです」などの表現には共通して、違和感がありますね。

どうしてなんだろうと考えてみたら、「です」は「である」の丁寧語だということに気付きました。

「である」の丁寧語が「であります」で、それが短縮して「です」になったという流れです。

「楽しいである」「大きいである」「美味しいである」、これらはいずれも変です。

しかし「楽しいである」「楽しいであります」「楽しいです」と並べると、だんだん変さ具合が減ります。

調べてみると、この「イ形容詞+です」問題は、だいぶ昔から懸案だったらしいですね。

ついに昭和27年の国語審議会で、「平明・簡素な形として認めてよい」となったようです。

書き言葉としては正式な表現ではないが、話し言葉なら使ってもよかろう、というニュアンスでしょうか。

使用が許容されてから60年以上たった今、まだ違和感を感じている私は、感覚が古いのでしょうか。

過去のブログ1385稿を「楽しいです」で検索したら、ヒットした4件すべてが「楽しいですね」の形でした。

「楽しいです」と私はどうしても書けなくて、「楽しいですね」と口語調にしてしまうのでしょうね。